練習場の隣打席でインストラクターによるレッスンが始まると、途端に集中できなくなるという人は少なくありません。スイングや打ち方の練習をするために時間とお金を使って来たのに、隣打席の会話に気を取られて練習に身が入らないのは残念です。あまり声が大きくならないようにしたり、雑談はなるべく控えてもらったりできないものでしょうか。

ほとんどのプロはなるべく静かにするよう心掛けている

「前の打席の人がインストラクターからレッスンを受けていたのですが、そのやりとりがどうしても気になって自分の練習に集中できませんでした」――そのような声を、首都圏近郊の練習場へ足繁く通うゴルファーから立て続けに聞きました。

熱心にレッスンしていると、ついつい声が大きくなってしまうプロも一部いるのかも… 写真:AC
熱心にレッスンしていると、ついつい声が大きくなってしまうプロも一部いるのかも… 写真:AC

 スイングや打ち方の練習をするために時間とお金を使って来たのに、隣打席の会話に気を取られて練習に身が入らないのは残念です。しかも声の主はインストラクター。仕事だから仕方ないとはいえ、ゴルフの技術はもちろんマナーやルールも教えるレッスンのプロです。あまり声が大きくならないようにしたり、雑談はなるべく控えてもらったりできないものでしょうか。一般ゴルファーに対してどのような配慮をしてレッスンを行なっているのか、複数のインストラクターに聞いてみました。

「私が所属する練習場では、スクールのレッスンは3階打席で行います。ほかのお客様は近くにはあまりいらっしゃいません。また、いわゆる“お抱えプロ”を指名する個人のお客様には、一番端の打席でレッスンを受けていただきます。混雑時以外は隣打席を空けておくため、打席が隣り合わせることは少ないですね。それでも当練習場のインスタラクターは皆、レッスンで大きな声を出すことはありませんし、特に一般打席でレッスンするときは隣打席に聞こえないよう小声で話しています。ただ、ご本人にも聞こえないようでは困ります。そうならないよう、スイングの合間、合間に、安全を確認して私から近づいていくこともあります。その場合は、お客様の隣に立って話すか、前の打席が空いていれば自分が前に立って話すかします」

「ゴルフのラウンド中、プレーヤーがボールを打つときは同伴者や周囲にいる人は、それまでおしゃべりをしていたとすれば一旦やめて静かに見守るのがマナーです。練習場ではそこまで必要ないのでしょうが、いろいろな人がゴルフの練習をしに来る場所ですから、大きな声で話す、笑う、音を出すといったデリカシーのない振る舞いは控えるべきです。まして私はインストラクターですから、なおさら話し声には気をつけています。とはいえ、レッスン中お客様との距離が物理的に離れると無意識のうちにどうしても声が大きくなりがちです。そうならないよう、3メートル以上は離れないようにしています。自分が飛球線後方にいてお客様に動画を見てもらいたいときや伝えたいことがあるときは『こちらへ来ていただけますか?』と、お客様に近寄ってもらって話します」

 話を聞いたインストラクターは、自分の生徒だけでなく、周囲のお客さんにも配慮して声のトーンや立つ位置に気をつけている人がほとんどでした。

 隣打席のお客さんが集中できないくらい無神経な声の大きさや話し方をするインストラクターがいるとすれば、そこの練習場所属ではないのでは? とも考えられます。しかし、「所属以外の練習場で個人レッスンをするときは、より周囲のお客様への気配りを欠かしません」という点も一致していました。

我慢せず打席を替えてもらうのが一番

 とすると、生徒さんとの距離が離れすぎたために知らず知らず声が大きくなってしまったり、つい熱が入って言葉が溢れ出てしまったりしたのかもしれません。いずれにしても、レッスンの会話が気になって集中できない場合はどうしたらいいのでしょうか。先のインストラクターの一人はこう言います。

「フロントに申し出て打席を替えてもらうのがベターだと思います。その場合、『前の打席のレッスンが気になっちゃうので』と理由を伝えていただいてもOKです。あとでインストラクターにフィードバックされ、今後気をつけるようになるからです。それでも打席の移動は面倒だったり、フロントに言いつけるようで気が進まなかったりするかもしれません。ただ、前の打席の会話が耳につき気が散った状態で続けても、練習効果は望めません。時間とお金を無駄にしないためにも、新しい打席へ移って集中し直しましょう。どうしてもその打席を動きたくない人は、耳栓を使って音をシャットアウトすることもできると思いますが、イヤホンで音楽を聴くほうがよいでしょう。練習中やスタート前に集中力を高めるよい方法なのです」

 耳栓だと前の打席でレッスンをしている人たちを否定するようなマイナスの感情に陥ってしまいそうですが、イヤホンで音楽を聴くのはよい気分転換でありポジティブな集中方法です。周囲の音が気になる場合は試してみてはいかがでしょうか。

野上雅子