女子ツアー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」最終日は山下美夢有(やました・みゆう)が大会連覇を飾るとともに、2年連続での年間女王を決めた。最後まで年間女王を争った申ジエ(しん・じえ)は4位タイ、岩井明愛(いわい・あきえ)は24位で今大会を終え、ランキングは大会開幕前そのまま1位・山下、2位・申、3位・岩井で決着した。

申ジエが狙うのは24年パリ五輪出場

◆国内女子プロゴルフ<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 11月23〜26日 宮崎カントリークラブ(宮崎県) 6497ヤード・パー72>

「はぁ〜」。珍しく申ジエが大きなため息をついた。女子ツアー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」最終日、最後まで逆転での年間女王を狙ったが、山下美夢有に逃げ切られてしまったからだ。

逆転での年間女王の可能性は十分あったものの、首位・山下美夢有の勝利で夢が潰えた岩井明愛(左)と申ジエ 写真:GettyImages
逆転での年間女王の可能性は十分あったものの、首位・山下美夢有の勝利で夢が潰えた岩井明愛(左)と申ジエ 写真:GettyImages

 1イーグル、2バーディー、1ボギーと追い上げ、通算5アンダー4位タイに入ったが、メルセデス・ランキング首位の山下に勝たれてはなす術がない。「風があればドラマが生まれることもあるけど、今日は風がなかったんで自分が頑張るしかない。2日間一緒に回って、(山下は)すごいショットを打っていたから。ショットの安定感を維持しているのは素晴らしいと思います」と脱帽した。

 前日に父と電話で話して「申ジエらしいプレーができればいい」と言われたことで、気持ちが変わった。「1年の感謝の気持ちでプレーできればいいなと思っていました。いつもそうですが、今年は特に幸せな1年でした」と、言葉も申ジエらしく締めくくった。

 年間女王という目標を今年は果たせなかったが、来年はまた違う目標がある。パリ五輪出場だ。

「いつまで現役できるか分からないけど、1回機会があればいいなと思います」と、日本以上に競争が厳しい韓国代表を目指す。日本のランキングで出場できるメジャー初戦、シェブロン選手権で上位に入ることができれば、可能性は大きくなる。

 岩井明愛もランキング3位につけ、今大会で逆転女王の可能性があったが、通算4オーバー24位に終わった。こちらは、初めてのフルシーズンとあって「年間女王争いに加わることができてうれしかった。悔しい気持ちもあります」と、謙虚な言葉を口にする。「めちゃくちゃいい1年でした。優勝もあったし、(妹の)千怜と最終組最終組とかもあったし。2人で海外メジャーにも挑戦できました」と振り返った。

 自己採点は「90点」。足りない10点は「年間5勝が目標だったので」と、3勝では満足していないことも透けて見える。

 オフは「遊びたい! 友達と2泊3日の遊びの計画もあります」と、束の間の休息を楽しむことを決めている。友達とともに妹の千怜も一緒のオフで英気を養い、気持ちを新たに挑む来季も楽しみだ。

申 ジエ(しん・じえ)

1988年4月28日生まれ。韓国出身の女子プロゴルファー。11歳からゴルフを始め、2007年に韓国ツアー19戦10勝。翌年「ヨコハマタイヤPRGRレディスカップ」で日本ツアー初優勝を飾り、同年の「全英リコー女子」を含む米ツアー4勝。09年に米ツアーの賞金女王となり、10年には世界ランキング1位に。14年から主戦場を日本に移し、18年はツアー史上初となる公式戦(メジャー)年間3勝を達成し7年シードを獲得。JLPGAツアー通算28勝。スリーボンド所属。

岩井 明愛(いわい・あきえ)

2002年7月5日生まれ、埼玉県出身。双子の妹・千怜(ちさと)とともに、高校ゴルフの名門・埼玉栄高のダブルエースとして活躍。同校を8年ぶりの全国高等学校ゴルフ選手権・団体戦優勝に導いた。21年にプロテスト合格。JLPGAツアーに本格参戦した22年はメルセデス・ランキング40位でシード獲得。23年「KKT杯バンテリンレディスオープン」で待望の初優勝を果たした。「RKB×三井松島レディス」では、山下美夢有と妹・千怜の3人による「ツアー史上初の双子でのプレーオフ」を実現した。通算3勝。Honda所属。

小川淳子(ゴルフジャーナリスト)