「弾道やスピン量の計測」「ラウンドの疑似体験」など、シミュレーションゴルフの活用方法は多岐にわたります。とはいえ、ビギナーにとってシミュレーターでの練習にはどれほどの効果があるのでしょうか。

シミュレーションゴルフの利点を最大限生かせるのはある程度の腕前を持ってから?

 近年、都市部を中心に増えているインドア練習場では「シミュレーションゴルフ」と呼ばれる機器を導入しているところも多く、ゴルファーであれば一度や二度は実際に活用した経験があるでしょう。

 シミュレーターを用いることで「スイングデータの測定」「ラウンドの疑似体験」などができますが、上達のためにはどのような活用が効果的なのでしょうか。自身が運営するWEBサイト「プロだけが知っているゴルフ上達への道」でゴルフ知識を紹介している、レッスンプロの川端いっせい氏に話を聞きました。

シミュレーションゴルフであれば細かいデータを取得できる 写真:AC
シミュレーションゴルフであれば細かいデータを取得できる 写真:AC

 ゴルファーの多くは「シミュレーターでスピン量や弾道などのデータが取得できれば上達にも役立つ」と考えるかもしれません。しかし川端氏は「平均スコアが80前後になってからでないと、シミュレーションで練習するメリットを最大限実感できない」と話します。

「私のスクールに通っている人のほとんどは、初心者やスコア100切りを達成していないゴルファーです。そのレベルであれば、ボールを細かく打ち分けることよりも『打球を安定させるスイング』『ショートゲーム』『ボギーオンさせるためのコースマネジメント』などの内容をメインに教えています。そのため、スクールでシミュレーターを使うことはありません」

「シミュレーターは細かいデータを取れるのが特徴ですが、初心者であれば飛距離や弾道にもムラが大きく出るため、得られた情報を効果的に活用することは難しいかもしれません。逆にスコア80前後のレベルであればスイングもある程度安定してくるため、数値もより正確に出せるようになります。そうなればシミュレーターを使用して、自身のスイングを修正するのに役立つのではないでしょうか」

 シミュレーターの利用には「データがどこまで正確か分からない」という意見も度々挙がりますが、そもそもある程度の実力がなければデータをうまく活用するのは難しいと言えそうです。

初心者であれば「ゴルフを気軽に楽しむ」目的で

練習目的ではなくゴルフに触れる意味合いでの利用もあり 写真:AC
練習目的ではなくゴルフに触れる意味合いでの利用もあり 写真:AC

 シミュレーターは初心者が練習として使うには不向きでも、「絶対に使ってはいけない」というわけではありません。初心者に対して川端氏は「データ測定」や「スイングの分析」ではなく「ゴルフを気軽に楽しむ」目的としての利用を勧めています。

「シミュレーターを使って1球ずつデータを確認しながら練習するのは、多くの知識と忍耐力が必要です。初心者であればそれよりも、気の合う仲間とラウンドを疑似体験するほうが楽しいですし、次は本当のコースでプレーしたいという気持ちにもなるでしょう」

「シミュレーターには実在のコースをプレーできる「コースモード」が備わっているものもありますし、これであれば『友達との2次会』『カップルのデート』などさまざまなシチュエーションでも楽しめます。本物のゴルフ場でラウンドするとなれば、早起きして出掛けたりメンバーをそろえたりと何かと大変です」

「初心者であればシミュレーションゴルフをきっかけにして、どんどんゴルフを楽しんでほしいと思いますね」

 天候を気にせず、一年中快適な環境で練習ができるのもシミュレーターの魅力的なポイント。特に初心者のうちは頭で深く考えず、「ゴルフを気軽に楽しめるもの」と割り切って活用するのもありかもしれません。

LUIS FIELD