冬の早朝ラウンドは寒いだけではなくスコアメイクが難しいものですが、グリーン状態の把握が難しいことがその大きな理由の一つ。スタート前にできる準備や、グリーンを狙う際に見るべきポイントを筒康博コーチにピックアップしてもらいました。

「やり過ぎくらい」がちょうどよい! スタート時に「温」スイッチを全開に

 いくら暖冬とはいえ、冬の早朝ラウンドには「やり過ぎくらい」の準備をしておいた方が万が一のトラブルを予防してくれます。

冬のグリーンは日差しやメンテナンス状況などの違いで、場所によって大きく状態が変わる難しさがある
冬のグリーンは日差しやメンテナンス状況などの違いで、場所によって大きく状態が変わる難しさがある

 体をほぐす準備運動はもちろんのこと、カイロや温かい飲み物などラウンド途中で体が冷えない準備も必須です。最近は保温性の高いウエアが多くなったので最小限の準備運動になりがちですが、途中から風や待ち時間に対応できる着脱タイプをもう一枚持っておくといいでしょう。

 また腰や手首などケガ防止の目的で、サポーターやバンドをしておくのも「転ばぬ先の杖」です。もし暑くなったり邪魔になれば外せばいいだけなので、付けておくだけで安心してラウンドできるはずです。

スタート前に練習グリーンで「メンテナンス」を把握しておく

 基本的に冬のグリーンは凍結しやすく、多くのゴルフ場で夜間はシートをかぶせておきます。練習グリーンで白っぽい場所と緑の濃い場所があるなら、コース内でも「ピン周辺」にはシートをかぶせるメンテナンスを行っているはずです。

 ピンから遠い日陰に目をやると、シートをかぶせていなかった場所では凍結の度合いが強くみられるはずでう。ピンの近くにボールが着弾すれば凍結が少ないため止まりやすくなりますが、日陰でシートが被っていない場所にボールが落ちれば「コーン!」と跳ねて大オーバーする可能性もあります。

グリーンの凍結防止で前日からシートをかぶせるメンテナンスを行っていたのかを練習グリーンで確認しておく
グリーンの凍結防止で前日からシートをかぶせるメンテナンスを行っていたのかを練習グリーンで確認しておく

 プレー中にはプレーの進行上、いちいちグリーンまで確認しにいくことはできません。そして、そもそも狙ったとおりに打てないことが多いので、冬の朝は難しいのです。

 スタート前の練習グリーンで、「日なた」と「日陰」を確認して「思ったよりグリーンが硬いかも?」と意識しておくだけでも、「ナイスショットがグリーン奥のOBに……」なんてトラブルは回避できるかも知れません。

冬グリーンは時間帯で「硬速→硬遅→軟速」に変化する

 冬ラウンドでは時間帯によってグリーンの状態が大きく変わること、プレーが難しいと感じる理由の一つです。

 早朝時に凍結していたグリーンは、時間が経つと表面の水分が増しパッティング時のスピードは遅くなります。

早朝時に「硬速」だったグリーンは、時間が経ち表面の水分が増えると「硬遅」に。さらに暖かくなると「軟速」になる
早朝時に「硬速」だったグリーンは、時間が経ち表面の水分が増えると「硬遅」に。さらに暖かくなると「軟速」になる

 さらに時間が経って暖かくなると、土壌が軟らかくなってショットが止まりやすくなる反面、パッティング時のスピードは乾燥で再び速くなります。

 冬ラウンドでは、いつも以上に前半と後半でプレーの内容が大きく変わってしまうことが多くなります。スコアだけに固執してプレーしている人にとっては、この「アンフェアさ」がストレスになるかも知れません。

 そこで「ゴルフは自然との対話」と考えてプレーしてみてはいかがでしょうか。冬のラウンドこそコースの状況をよく観察し、「今できる最善のプレーをすること」が重要だと学べるはずです。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。

猿場トール