6度のプロテストを経て、晴れて「JLPGA会員」として開幕戦を迎える高木優奈。プロテストでの苦労や同世代への思いなどを開幕前に語ってもらいました。

最終日も「あ、落ちるな」と感じていたプロテスト

 実に6回目となるプロテスト挑戦で見事合格、晴れて日本女子プロゴルフ協会会員としてツアーに挑む高木優奈。黄金世代の一人として、同世代の活躍を見てきた彼女に、24年シーズンの意気込みやプロテストの苦労など話を聞きました。

QTランキング14位の資格で前半戦を戦う高木優奈
QTランキング14位の資格で前半戦を戦う高木優奈

――今回が6回目のプロテストだったと思うのですが、やはり相当なプレッシャーがありましたか?

高木優奈(以下高木) もちろんプレッシャーはかなりありました。でも今回のテスト、実は人生で初めて「ちょっと楽しみかも」って周りの人にはいっていました。「やれる気がする」と思ってました。というのも、コーチを変えてスイング改造に1年かけて取り組めたので、スゴく自分に対して集中できていました。スイングを変えたことでメンタル的に安定していた気がします。

――ドライバーとアイアンは新しいもので臨んだのですか?

高木 プロテストは旧モデルのヤマハRMX VDドライバーで挑みました。優勝した新人戦からRMX VD/Mドライバーにチェンジしました。私はあまりギアを替える方ではないのですが、アイアンはRMX VD/Mに速攻でチェンジしました。高さと距離がしっかり出てくれて、しかも簡単なのがよかったです。そして、「顔」がとにかくいいんです。構えてすぐに弾道がイメージできるので、実践投入できました。

――実際にプロテスト本番、どうでしたか?

高木 (プロテスト)初日の入りってスゴく大事だと思うんですけど、23年のテストでは過去5回とはまったく違うメンタルでした。1回目と2回目の受験の時は、120パーセントの力が出せないと受からないと思って挑戦したので、結果にもそれほど落ち込みませんでした。3回目からはステップアップツアーで優勝していたこともあったので、合格へのプレッシャーはかなりありましたね。「受けたくない、やりたくない」という気持ちが強かったです。

――6回目で手にしたプロテスト合格、どのあたりで合格を確信しましたか?

高木 最終日は「あ、落ちるな」と思いながらプレーしていました。前半で2つのボギーを叩いてしまって、「最終日最終組から落ちたら、もう受からないんだろうな」と思いながらゴルフしていました。とにかくバーディーを待つしかない、取れるところで取るしかないなって……。

プロテスト最終日、同組で回った高木優奈と清本美波 写真:Getty Images
プロテスト最終日、同組で回った高木優奈と清本美波 写真:Getty Images

――焦りは相当あったんじゃないですか?

高木 焦りましたけど、焦ってもバーディーは取れないと分かっているので……。逆に「ガマンできればバーディーは来るだろうから、その前にボギーだけは叩かないようにしなきゃ」ということに集中しました。その辺りのメンタルが成長したと思います。17番でバーディーが取れて、そのとき「あっ、通った」ってようやく思えましたね。

――最終日は馬場咲希と清本美波という自分より若い選手も二人も同組でしたが、ラウンドにどんな影響がありましたか?

高木 二人とも守りに入るのではなく、どんどんバーディーを量産していたのでスゴイ引っ張ってもらった感じでした。今までの自分だったら「いいなぁ、あんなに入って。どうして私は入らないんだろう……」ってネガティブになっていたかもしれないけど、二人のプレーからポジティブな気持ちになれたのは成長した部分だと思います。

「同世代の活躍はプラスでしかない」(高木)

――高木プロはいわゆる「黄金世代」ですが、同世代の活躍はどのように見ていましたか?

高木 純粋に「スゴイな」って思っていました。焦りや嫉妬を感じたこと1ミリもないですね。というのも、昔から同世代の彼女たちの活躍を見てきて、実際に追いついたことがないので(笑)。でも、自分もいつかは「やれる」と思ってます。だから、同世代の活躍はプラスにしか働かないですね。

インタビュー中も笑顔が絶えない高木優奈
インタビュー中も笑顔が絶えない高木優奈

――改めて、今シーズンの目標を教えてください。

高木 最低限の目標として「シード獲得」、でも本当の目標は「優勝」です。そして、ホステスプロとして2回目の出場になる「ヤマハレディースオープン葛城」で頑張りたいです。ただ、気合いを入れすぎると空回りしちゃうんで、普段どおりで大会に入れればいいと思います。そして「パーオン率」を意識してやって行きたいです。パターが苦手なので、それでも上位で戦えるように「パーオン率」は意識しながらプレーしていきたいです。

――そして、いつかは米女子ツアーですか?

高木 一切考えていないですね(笑)。メジャートーナメントにスポット参戦はしたいですけど、みんなみたいに海外志向は一切ないです。英語も苦手なので……。日本で圧倒的に強くなりたいと思っています。

――最後に「ファンにここを見て欲しい」というポイントはありますか?

高木 ずっと「見ていて楽しい選手になりたい」と思ってやってきたので、プレー中の喜怒哀楽を見て楽しんで欲しいですね。そして、前から応援してくれているファンの方々には改造してよくなったスイングを見に来て欲しいです。

※高木優奈の高は正しくは「はしご高」

高木優奈(たかぎ・ゆな)

1998年5月13日生まれ、神奈川県出身。2019年はTP単年登録者としてツアーに参戦、同年下部ツアー「ANA PRINCESS CUP」で初優勝。6度目の受験となる23年プロテストに合格、新人戦「JLPGA新人戦加賀電子カップ」で優勝を挙げる。

e!Golf編集部