ゴルフ歴が長くても「朝イチショット」は誰もがイヤなもの。レジェンドであるジャック・ニクラス選手ですら「スタートホールのショットは予想できない」といっていたほどです。アマチュアが実践できるミスショットを予防するルーティンはあるのでしょうか、インドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチに聞きました。

「真っすぐ飛ばしたい」よりも優先すべきはしっかり当てること

 アマチュアの場合、何時間も前にコースに到着して練習場などでウオーミングアップする人は中々いません。

 車の移動で体がかたまったままでも大きなミスショットが出ないような、スタート前の準備について考えてみたいと思います。

スタート前のパッティンググリーンから「朝イチショット」を想像して準備。それだけで心構えは変わってくる
スタート前のパッティンググリーンから「朝イチショット」を想像して準備。それだけで心構えは変わってくる

 冬場に限らず「朝イチショット」の成否がそのままラウンドでの調子になってしまう人も多いと思います。ほとんどの場合「当たらなかった」ことが原因で、不調を引きずったままの人が多いのではないでしょうか。

 確かに、練習の有無に限らずコースで真っすぐ飛ばしたいという気持ちは理解しますが、とりあえず「フェースの真ん中にボールを当てる」という目標で、スタート前の準備に取りかかるべきではないでしょうか。

 例えばパッティンググリーンでも、「寄せたい」「入れたい」の前に「リズムよく」「フェースの真ん中に当てる」などから打ち始めるだけでも、欲が抑えられ気持ちが落ち着くはずです。

 ラウンドレッスンなどでスタート前のパター練習を見ていると、カップに入れることばかり考えて打っている人ほど、リズムや芯でボールを打つという「基本」が頭の中から消えてしまっている様に感じます。

アプローチ練習で「朝イチショットの傾向」が予想できる

 もしスタート前にアプローチが練習できる時間や場所があるなら、ある程度「朝イチショットの傾向」を予想して修正することができます。ただ、「寄せたい」「上げたい」などと結果ばかりを意識して練習してしまう人は「朝イチショット」で裏切られる可能性があります。

 スタート前の練習と数十分後に打つ「朝イチショット」では、別人のようにスイングが変わることはありません。

スタート前にアプローチ練習をすると、ターゲットに対する構え方や打ち出し方向など「朝イチショットの傾向」が予想できる
スタート前にアプローチ練習をすると、ターゲットに対する構え方や打ち出し方向など「朝イチショットの傾向」が予想できる

 例えば、近いターゲットに対してフェースや体が右を向くクセがある人なら、「朝イチショット」でも右を向いて打つ可能性が高いでしょう。アプローチ練習時に「上からガツン!」と強くぶつけるインパクトをしているなら、「朝イチショット」も同じようなインパクトになってしまっても仕方がないでしょう。

 理屈では、アプローチとドライバーではスイングの大きさやインパクトが全く同じではありません。しかし「自分の体」にとっては、先ほどまでの動きを急に変える方が難しいはずです。

 そこで、ボールが沈んだような特殊なライからアプローチ練習するよりも、ティーアップしたような平らなライを選び「インパクトを見届ける」ことができているかをチェックしておくことをオススメします。

 体の向きやボールの方向性が左右に散らばっていたなら、最低限「フェースの向き」だけでもターゲットに向ける調整をしておけば、「朝イチショット」も違った結果になるはずです。

「当てる」ではなく「振れば当たる」ボール位置をイメージ

「朝イチショット」はティーアップできるので、理想のスイングでボールに当てに行かなくても、「振れば当たる」ボールの位置さえ調整できれば打つことができます。

 例えば、素振りで地面にドスンとヘッドが当たっているなら、ドライバーではなく低いティーアップでフェアウェイウッドを使った方が「当たる」可能性は高くなります。

ティーアップできる「朝イチショット」では、「ボールに当てる」よりも「振れば当たる」位置にボールをセットすることが重要
ティーアップできる「朝イチショット」では、「ボールに当てる」よりも「振れば当たる」位置にボールをセットすることが重要

 高い位置ばかり振ってしまっているなら、練習ではやらないような高いティーアップが「ボールに当たる」ために必要なのかも知れません。

 ラウンド頻度が少ない人ほど「朝イチショット」は周りの目が気になってしまい、不必要なプレッシャーを感じがちです。「真っすぐ飛ばす」のではなく「とりあえずボールに当てる」ことを優先して、早く落ち着くことが大切です。

 同伴競技者はあなたの飛距離やスイングに興味はなく、単に「次は自分の番」とスタート前の緊張と戦っているだけかも知れないので。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。

猿場トール