天然芝と大きく違うことから、人工マットで練習しても上達が難しいといわれるアプローチ。実際のコースで起きるダフリやトップを人工マットで防ぐ方法はあるのでしょうか? インドゴルフレンジKz亀戸店の筒康博ヘッドコーチにコツを教えてもらいました。

「ピッタリ寄せる」と考えるほど失敗の原因になる

 今回は「100切りゴルファー」でもグリーン周りから「とりあえず乗せる」が可能になる、練習場でできるアプローチ練習を紹介します。

 基本的に、18ホールをラウンドする中でアプローチ回数が18回よりも少ない人は、アマチュアの中でも「平均よりうまい」側にいます。具体的には、パーオンできなかったホールでも大抵は1回のアプローチでグリーンに乗せられる腕前で、ショットやパターがボロボロでも「100切り」できる人です。

コースでのアプローチは、残り距離やライなど「2度と打たない初めてのケース」がほとんど
コースでのアプローチは、残り距離やライなど「2度と打たない初めてのケース」がほとんど

 いくら「30ヤードのアプローチ」を練習しても、コースでは「2度と打たない初めての状況」からのアプローチに必ずなります。芝も違えば残り距離も異なり、場合によっては「弾道の高さ」まで要求されます。

 コースでアプローチを上手に打てる人ほど「この状況でワンピン以内なら充分」「ピンから遠くでも乗ればOK」と考えられるのですが、多くの人は「練習どおりのスイングをすればピッタリ寄るはず」といった期待が頭をよぎってしまいます。

 一方、アプローチに過度な期待をしていないのに、うまくいかない人も多いです。どちらも、結果ばかり気にしすぎていて「その状況で何をすべきか」ということに対して向き合っていないことが多く、そんな時ほど大きなミスにつながってしまいます。

ウェッジでパッティングすればミスにならない打点が分かる

 ゴルフボールの直径は約42ミリ。一円玉を積み重ねた場合、42枚ぶんの高さがあります。

「赤道」であるボールの中心をリーディングエッジで打つとトップになることは知っていると思いますが、どれぐらい下ならば「適正」となりボールが上がってくれるのか、改めて練習場で確認することをオススメします。

ゴルフボールの直径は約42ミリ。最初はパッティングのようにボールが転がるトップを打ち、徐々に打点を下げていって、ボールがキレイに上がる適正範囲とダフりになる地点を把握する
ゴルフボールの直径は約42ミリ。最初はパッティングのようにボールが転がるトップを打ち、徐々に打点を下げていって、ボールがキレイに上がる適正範囲とダフりになる地点を把握する

 ロングパットと同じ要領で「トップしてボールが転がる」打点から打ち始め、徐々にボールに当てる場所を下げていきます。

 地球儀でいう南半球の真ん中あたりから、ボールが上がり始める適正な場所になるとこが分かると思います。そのままボールを当てる場所を下げていくと、南極あたりからダフリを実感できると思います。

 頭でわかっていることを確認するのは面倒臭いかも知れませんが、あえてトップさせる打点から始めるとヘッドが地面に触れずに「意外とボールが上がる」場所の存在に気づくはず。

 クラブヘッドを地面に置いたアドレスよりも「ちょっと上」に、トップにもダフリにもならない「適正範囲」があることが実感できると思います。

 もう一つ、パッティングスタイルでウェッジを打つと「面」ではなく「刃(リーディングエッジ)」をボールのどこに当てればいいのかが分かるようになるので、これまで雑だったインパクトのイメージが明確になります。人工マットでも芝の上でも「やらなければいけないことは同じ」なのです。

「トップ気味でショート」「ダフリ気味で届かせる」を練習する

「とりあえず乗せる」アプローチを習得するためには、「トップして大オーバー」と「ダフって大ショート」の撲滅がポイントになります。

 いくら練習でうまく打てても、コースでは「ダフリやトップしやすい状況」が必ずあります。

「トップ気味でもショート」「ダフっても届く」といった普通とは逆の練習をすることで、状況に合わせた「保険の掛け方」が身につく
「トップ気味でもショート」「ダフっても届く」といった普通とは逆の練習をすることで、状況に合わせた「保険の掛け方」が身につく

 例えば芝の薄い場所からのアプローチ。ダフらないように意識しただけでは、「トップして大オーバー」になりかねません。たまたま「適正範囲」で打てればいいですが、全ての状況からボールをうまく打ち、距離を合わせることができれば、それはもうシングルハンデの腕前です。

 難しく考えなくても「トップしてもオーバーしない」「ダフっても大ショートしない」という保険をかけたマネジメントをすればいいのです。

 そのために普段から「トップ気味でもショート」「ダフっても届く」といった習慣をつける練習がオススメです。

 具体的には事前に「少しトップさせる」か「少しダフらせる」を決めておき、一定の距離を打ちます。予定通りトップやダフリ気味に打てたなら、それは「適正範囲」で打つ技術が上がったことになり、うまく打ててしまっても「ちょうどいいコツ」がつかめたことになります。

 アプローチは「真っすぐ」打てなくても、ライや状況が求める「トップ目またはダフリ目」で打つ時の「振り幅」が分かるようになり、マネジメントとして実行できるようになります。即効性はないですが、長い目で見て「だんだんイメージが湧く」ようになると思いますので頑張ってみてください。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。

猿場トール