多くの男性ゴルファーは左手だけグローブを着けパッティング時は外すのが「常識」となっています。女性ゴルファーなどは日焼け対策で「両手グローブ」のゴルファーも中にはいます。野球のように初めから両手グローブのスポーツも多い中、なぜゴルファーだけ「片手グローブ」なのでしょうか。

「左手グローブだけ」「パター時は外す」という男性ゴルファーの習慣

「両手グローブ」といえば、ビギナーの女性ゴルファーが両手でしっかりグリップするため……というイメージの人は多いと思います。

 そのほかにも、日焼け防止の意味で落語家や手を人前に出す仕事をしている人も「両手グローブ」を着けてプレーするそうです。

女性ゴルファーの「両手グローブ」は、男性ゴルファーにとって「力がない人用」のイメージがある
女性ゴルファーの「両手グローブ」は、男性ゴルファーにとって「力がない人用」のイメージがある

 野球のバッティングなどは初めから「両手グローブ」なのに、なぜゴルフだけ片手なのか調べていると、3度の三冠王を獲得した落合博満氏は晩年、「素手→左手だけ→両手」にグローブを装着するようになっていたことが分かりました。

 ゴルファーにとっての「両手グローブ」は、何となく「力がない人向け」のイメージがあります。ですが実際には、ドラコン選手でも「両手グローブ」愛用者は多く、飛ばしには有利な側面もあるようです。

 今では多くなった、グリーン周り特にパター時にグローブを外すプレー習慣は、タイガー・ウッズ選手登場の1990年代以降の話です。

 それ以前はトッププロの多くがグローブをしたショット時のままパッティングもしていて、グローブを外すプレーヤーは少数派でした。

「防寒のつもり」で着けた右手グローブでも意外な使用メリットがある

 先日のラウンドは冬の雨模様。あくまで防寒用として「両手グローブ」でプレーしました。もともと色々なタイプの右手用をストックしていましたが、今回は三本指先が出ているタイプを使用してみました。

右手用グローブには、左手と同じタイプの他に「フィーリング」や「使い心地」を優先したタイプもある
右手用グローブには、左手と同じタイプの他に「フィーリング」や「使い心地」を優先したタイプもある

 日差しが強ければ変な日焼け跡になってしまいそうですが、当日は途中から「雨→みぞれ→雪」になる目まぐるしい天候。しかし、両手グローブは非常に使い心地がよく、特に雨仕様グローブとして最適だと感じるほどでした。

 雨の日のゴルフでは「グリップが滑る問題」に直面しますが、「両手グローブ」の方が左右のバランスを整えやすく「中指と薬指で引っ掛ける感じ」をスイング中に保ちやすかったです。

 雨の以外でも、スイング中に握りが変化してしまうゴルファーにもオススメだと感じました。

雨スイングのポイント「握る強さを変えない」が安心してできる

 指先が出ているタイプの右手グローブは「防寒用」としてのメリットこそ感じませんでしたが、雨スイングでの注意点である「握る強さを変えない」が実践しやすく、安心感があるのが大きなメリットでした。

 中指と薬指で「引っ掛ける感じ」が強調され、親指と人差し指に不必要なリキみが出ず雨でグリップが滑る怖さがなく最後までプレーできました。

雨スイング時の注意点の一つ「握る強さを変えない」を実践しやすいのが「両手グローブ」のメリット
雨スイング時の注意点の一つ「握る強さを変えない」を実践しやすいのが「両手グローブ」のメリット

 またグリーン上でグローブを外す習慣のあるゴルファーにとって、その動作は雨天時には非常に大変でストレスのかかる作業です。しかし、指先の出たグローブなら、そのままパッティングしてもフィーリングに問題はありませんでした。

 すでに寒さで感覚があまりなかったせいもあり、かえって小手先で悪さするパッティングをせずに済みました。

 考えてみると「両手グローブ」の女性ゴルファーにもパター巧者はたくさんいます。「両手グローブ」や「パター時に外す」といった、プレーに対する思い込みや決めつけはゴルファーメリットにはならないものだと実感できました。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。

猿場トール