「手の5番」や「卵を産む」という隠語を聞いたことがあるゴルファーは多いかもしれません。具体的にどのような行為をさすのでしょうか?

「手の5番」や「卵を産む」は不正行為をさす隠語

 ゴルフ界で使用されている隠語のなかには、クラブを使用しない「手の5番」と呼ばれる行為が存在しており、“絶対にミスをしないクラブ”ともいわれているそうです。

 手の5番とはいったいどのような行為なのでしょうか?ゴルフ場の経営コンサルティングをおこなう飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

初心者ゴルファーは手を使ってもいいの? 写真:AC
初心者ゴルファーは手を使ってもいいの? 写真:AC

「『手の5番』とは、バンカーや林の中などから手でボールをピックアップして打ちやすい場所に移動させる行為を指します」

「正式なルールが適用される競技ゴルフや、ハンディキャップ申請のためにスコアを提出する場合、スコアが順位に影響するコンペ等でない遊びのラウンドで、同伴者が許容してくれる関係性であれば、手の5番を使用しても問題ないでしょう。例えば、初心者はバンカーから何回打っても脱出できないことはよくあることです。脱出できるまで何度も打っていると、疲弊したりスロープレーになったりすることがあるので、『もう手の5番で出しちゃっていいよ』といった具合です」

「ただし、許可をとらずバレないように手の5番を使用すると、同伴者から不快に思われ、ゴルファーとしての信用を損なってしまうので、必ず『手で出してもいい?』と承諾を得てから使用するようにしましょう」

「また、2019年から新ルールによりバンカーのボールは、2罰打でバンカー外に出せるようになりました。バンカーが苦手なゴルファーは、あえてバンカーショットをせず、2罰打でバンカー外に出せば、正しくスコアをカウントしつつプレーを継続することができます」

 さらに、手の5番以外にも「卵を産む」という隠語もよく使われていると飯島氏は話します。

「卵を産むとは、OBもしくは林などにボールを打ってしまいボールをロストしてしまった際、自身のポケットから違うボールを取り出し『ここにあった!』とあたかもボールを見つけたように装い、罰打を加算せずプレーを続けることを指します」

「つまりOBやペナルティーによる罰打を加算したくないゴルファーが、スコアを良くするために行う不正行為といえます」

「遊びのゴルフであれば、あきらかにOBやペナルティーになっていないにもかかわらずボールが見つからない場合は、捜索時間を短縮する目的も含めて、あえて卵を産むことを同伴者が承諾することもあります」

初心者は「手の5番」や「卵を産む」をうまく使おう

 飯島氏は、ラウンドに慣れていないゴルファーは「手の5番」や「卵を産む」行為をうまく活用して円滑にラウンドを進めるのも一つの方法だといいます。一方で、なるべく早く上達して正式なルールでプレーできるようになるのが望ましいとも話します。

「ゴルフは基本的に“あるがまま”の状態でプレーすることが求められるスポーツなので、バンカーでボールが“目玉”になっていたり、打ちにくいライであったりしても、そこからどのように立て直していくのか考えなければいけませんし、それこそがゴルフの醍醐味でもあります」

「それにもかかわらず、毎回手の5番や卵を産んでいるのであれば、正式なルールからは逸脱した『ゴルフっぽい遊び』をしているだけと捉えることもできます。もちろんゴルフの楽しみ方は人それぞれなので、プライペートゴルフであれば個人の自由に委ねられますが、よりゴルフを本質的に楽しみ、上達したいと考えているゴルファーであれば、正式なルールに沿ってプレーする癖を付けたほうが良いでしょう」

 プレーするゴルファーの実力に合わせて、臨機応変にルールを決めていくのもひとつの方法かもしれません。最終的には、正式なゴルフ規則に基づいてプレーすることを目標に練習すると良いでしょう。

ピーコックブルー