最近は混雑していてプレーに3時間以上かかることもあり「もっとお客さんを減らして欲しいよ」と感じているゴルファーは多いと思います。では、実際ゴルフ場は年間何人の来場者があれば採算が取れるのでしょうか。

18ホールで年間約3万人来場すれば採算が取れる

 2024年の冬は暖冬といわれていましたが、2月下旬以降は雨や雪が多くなり、積雪クローズを余儀なくされているゴルフ場もあるようです。

 そもそもゴルフ場は1年間に何日くらい営業するのでしょうか。そしてお客さんが何万人くらい入れば営業が成り立つのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。

「1年間に何日くらい営業するかどうかはゴルフ場の立地条件によります。通年営業のゴルフ場で、休場日が週1回だとしたら、営業日数は310日前後です。365−52=313日で、近年は年末年始も休むコースが多いですからね」

ゴルフ場の立地で変わるが、多くのゴルフ場では「年間3万人」が採算の一つの目安になっている 写真:AC
ゴルフ場の立地で変わるが、多くのゴルフ場では「年間3万人」が採算の一つの目安になっている 写真:AC

「冬季クローズするゴルフ場はもっと少なくなります。北海道で240日前後、東北や北陸はで260〜280日前後でしょうか。これもコースによってまちまちですね」

「ですから1年間に何万人くらい入れば営業が成り立つかどうかもゴルフ場によって全然違います。固定費を抑えて営業しているゴルフ場は少ない来場者でも利益が出ますし、固定費がかかるゴルフ場はそれなりの来場者数が必要になるでしょう」

「ひと昔前は通年営業の18ホールのゴルフ場で年間4万人が採算分岐点と言われていましたが、営業日数310日前後で年間4万人を達成するには1日平均約130人の来場者が必要です。この数字は2サムや3サムが増えた今の時代にはけっこうハードルが高いです」

「今は年間3万人くらい入れば採算が取れるように固定費を抑えて営業しているゴルフ場が多いと思いますよ」

 ゴルフ場は18ホールで1日50組前後のスタート枠を用意するのが一般的です。トップスタートが7時30分で、スタート間隔が7分なら、10時18分までスタート枠を用意すればアウト25組、イン25組、合計50組になります。

 50組がすべて4サムであれば1日200人になりますが、今は4サムでプレーする人たちばかりではありません。3サムは割増なし、2サムでも割増料金を支払えば2人で回れる営業スタイルが一般的になっています。

 以前、ゴルフ場関係者に聞いた話によると、ゴルフ場はその日の来場者数を組数で割った“バッグ率”という割合を集計しているそうです。

 そのときの話だと平日の平均バッグ率が3.2前後、土日祝のバッグ率が3.6前後でした。つまり、50組の予約が入ってもバッグ率3.2だと来場者数は160人、バッグ率3.6だと来場者数は180人ということです。

 そして土日祝はだいたい50組近い予約が入るものの、平日は平均35組という話でしたから、35組でバッグ率3.2だと112人になります。確かに年間4万人が採算分岐点だと苦しいかもしれません。

早朝や薄暮を含めると5万人近く入っているゴルフ場もある

 一方で、18ホール換算で年間4万人どころか5万人近く集客しているゴルフ場もあるそうです。

「これは早朝プレーや薄暮プレーも含めた人数でしょうが、日の出が早くなり、日の入りが遅くなれば、朝は4時30分ごろからスタートできますし、夕方も19時近くまでプレーできます」

 逆にいえば、ゴルフ場は太陽が出ている間にどれだけ稼ぐかが勝負のビジネスです。ナイター設備がついているゴルフ場もありますが、基本的には日照時間によって用意できるスタート枠の数が変わります。

 ただし、太陽が出ていても気温が高すぎると来場者数が減るという弱点も抱えています。早朝プレーや薄暮プレーが人気なのも、通常のスタート時間帯がゴルフをするには暑すぎる気候になってきたからです。

 ひと昔前は東南アジアのゴルフ場で昼間にプレーしていると、「こんな時間帯にプレーしているのは日本人くらいだ」と笑われましたが、今は日本が同じような気温になっています。

 2024年の春以降がどんな気候になるか分かりませんが、間もなく全国的に雪解けを迎えますから、ゴルフ場関係者が集客に頭を悩ませる日々が始まります。

保井友秀