最近はめっきり減ったそうですが、ひと昔前はゴルフ場で威張り散らすジャイアンのようなメンバーがいたそうです。いまの時代ではあまり考えられませんが、そういったゴルファーがはびこっていた背景にはどのようなものがあったのでしょうか?

スコアのいいゴルファーが威張っていた!?

 ゴルフには上手な人もそうでない人も、さらには老若男女が一緒に楽しめるという特性があるため、コミュニティーの場としても近年人気が高まりつつあります。

※写真はイメージです 写真:Getty images
※写真はイメージです 写真:Getty images

 しかし、ひと昔前は、ゴルフ場でジャイアンのようにいつも威張っていて、他のメンバーやビジターに向かって厳しい言葉を口にしたり、中には近づきがたい雰囲気の人も多かったようです。

 そのような振る舞いをする人の多くはベテランゴルファーだったと聞きますが、実際はどんな態度だったのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように回想します。

「ベテランゴルファーと言っても、ゴルフが上手な人もいれば、私のように40年以上ゴルフに携わっていても“そこそこ”な人もいます。あくまでも個人的な考えであることを前置きしますが、威張っていた人の多くはゴルフ歴の長さよりも、技術レベルの高い方が多かったように感じます」

「いつも周りよりもいいスコアでプレーし、同伴者からも『すごいですね』と持ち上げられているうちに気分が良くなってしまい、高飛車な態度になり、今風にいうとマウントをとってしまうのでしょう」

「また、会員制のコースでは、メンバーの中でも特にゴルフがうまい人の意見が通りやすく、一方でゴルフがあまりうまくない人の意見は通りにくいという風潮がありました」

「クラブチャンピオンを競うような上級者の中には、『自分こそがこのクラブの中心的存在だ』と言わんばかりに偉そうにしていた人がいて、他のメンバーも『ゴルフがうまいあの人が言うのであれば仕方がないね』という雰囲気だったのです」

メンバー同士の関係性が凝縮されていた「研修会」

「ゴルフが上手な人が“エライ”」というひと昔前のゴルフ場の“空気”は何となく想像できましたが、そんな人といつ関わることがあるのでしょうか?飯島氏は続けます。

「メンバーの中にもあくまでも趣味としてゴルフを楽しむ『エンジョイ志向』の人と、競技会に積極的に参加して、常に優れたスコアを追求する『競技志向』の人がいます」

「競技志向ゴルファーの中には『研修会』で偉そうにしていた人がまれにいました。研修会はそのゴルフ場のメンバー同士の関係性が凝縮されていたと言っても過言ではありません。研修会とは主にゴルフの技術向上を目的に行われるコンペで、特に優秀なスコアを収めたメンバーはクラブ対抗の試合に代表選手として出場できます」

「時代とともに常識や価値観も様変わりし、今はクラブ内で偉そうな態度を取る人も少なくなりましたが、完全にいなくなったわけではないでしょう」

 飯島氏は「ただ、本当にゴルフがうまい人は、横柄な態度をとることはない」とも言います。

「『ゴルフがうまい人』の基準は人それぞれですが、上には上がいます。正真正銘ゴルフが上手な人とは、威張りもせず怒鳴り散らしもせず、むしろ謙虚な人だと思います。ゴルフが上手な人こそ周囲やビギナーに対して優しく接するべきです」

 ゴルフがうまいからと言って、そのゴルフ場を好き勝手に使える訳ではありません。例えシングルプレーヤーになっても常に初心を忘れず、ゴルファーである前に人としての尊厳や礼儀は忘れたくないものです。

e!Golf編集部