フェアウェイウッドが苦手なアマチュアは多いです。そんな人には「チタン製5番ウッドがオススメ」だとゴルフフィールズユニオンの小倉勇人店長はいいます。

値段は高いが高性能なチタンFW

 FW(フェアウェイウッド)を苦手にしているアマチュアは多く「もっと簡単に打てればいいのに」と感じている人は少なくないはず。そんな人には「チタン製5番ウッド(5W)がオススメ」だとゴルフフィールズユニオンの小倉勇人店長はいいます。

 チタンは、現在はドライバーヘッドの主素材となっている金属です。「メタルウッド」と呼ばれた古いドライバーや現在のFWでおもに使われているステンレスと比べると比重が軽いので、同じくらいの強度のものをより軽く作ることができます。

中古市場でも高い人気のテーラーメイドのチタンFW「ステルス プラス フェアウェイウッド」
中古市場でも高い人気のテーラーメイドのチタンFW「ステルス プラス フェアウェイウッド」

 従って、ドライバーのヘッドが大型化していく過程で主要素材として採用されました。

 いま、ドライバーのヘッドサイズはルール上限の460ccが主流なので、同じ460ccのヘッドをより軽く作ることができれば、余った重量をヘッドの下部や後方に配することでより低重心、深重心、大慣性モーメントなど、飛距離性能ややさしさのアップに貢献できるのです。

 しかし、ドライバーのヘッドは高性能なチタンを使っているのに、フェアウェイウッドのヘッドは多くの場合ステンレス系の素材でできています。これはなぜなのでしょうか。小倉店長は「コストに対するメリットが小さいから」だといいます。

「ヘッドサイズの小さいFWは、チタン素材を使ってもドライバーと比べると生み出せる余剰重量が小さく、コストアップの割にドライバーほど大きな性能差を得にくいんです」

「クラブ1本の価格がドライバーに近いほど高額になってしまううえ、2、3本そろえることでさらに高コストになってしまいます。簡単にいえば『性能は少しいいけれど、すごく高い』ので、セールス上の難しさがある。これがチタン製のFWが普及しない理由だと思います」(小倉店長)

 ところが近年では製造技術が進化し、カーボンなどのより軽量な素材やタングステンなどの高比重素材を組み合わせることで、FWでもチタンを使うメリットが大きくなりつつあるといいます。

 大手メーカーでは、テーラーメイド「M5」(2014年発売)などが、チタンヘッドのFWの先駆けとなりました。これはスライディングウエートを搭載するためにヘッドの軽量化が必要になったのが理由でしょう。価格は1本5万円超と、当時としてはかなり高価格なモデルでした。しかしウエート調整機能を備えているうえ「飛ぶ」と評判で、テーラーメイドは以後もフラッグシップモデルの3Wには、チタンを採用するようになりました。「SIM」や「SIM2」、「ステルスプラス」など、歴代のFWは人気で、長く使い続けるプロや上級者も多くいます。

 でも高価格であることがネックとなり、一般アマチュア向けのモデルはいまだにステンレスヘッドが主流です。

「価格的な理由で、チタンヘッドのFWはなかなか主流にはなれていませんし、あっても『3Wだけ』というケースが多いのが実情です。しかし近年ではヤマハ『RMX VD』シリーズやピン『G440 LST』のようにフルラインアップでのチタンモデルも出始めましたし、地クラブと呼ばれるパーツメーカーには、チタンモデルが数多く存在します。性能面では明らかにステンレスよりも上なので、FWが苦手という人はぜひ試してみてほしいですね」(小倉店長)

18度前後のFW1本で3Wと5Wを兼ねられる

 チタンヘッドは、一般的なFWよりも低重心なうえフェースの反発も高いので、高弾道・高初速なのが大きな特徴。これはFWが苦手なアマチュアには大きなメリットだと小倉店長はいいます。

「同じロフトのステンレスヘッドよりも、球が上がりやすいし、飛距離が出ます。だから高さが稼げずキャリー不足でうまく飛ばせない人にとってはやさしいですし、フェース下めのミスにも強い」

「いままでステンレスの3Wと5Wの2本で担っていた部分を、チタンの5W1本でカバーできる可能性は十分に秘めています。多少価格が高くても2本ぶんの役割を1本にできるなら、コストパフォーマンスは悪くないと思います」(小倉店長)

 しかし、チタンヘッドFWの選択肢が増えつつあるいま、モデル選びには注意が必要だといいます。

 大きく分けると、より低スピンで強い弾道が打ちやすいタイプと、高打ち出しで高弾道が得やすいタイプがあるとのこと。

 前者はパワーヒッターが飛ばせるポテンシャルがある反面、パワーがない人には球が浮きにくい危険性があり、後者はパワーのない人でも扱いやすいため、一般的なアマチュアは後者のモデルのほうがおすすめだと小倉店長はいいます。

「国内メーカーのブリヂストンやヤマハのほか、テーラーメイド『Qi35』は比較的高さが出しやすい印象ですが、キャロウェイやピンなどの“外ブラ”の多くはライナー系の強い球なので、注意が必要です。ヘッドスピードにもよりますが、一般的なアマチュアなら、5Wをベースに考えるほうが安全だと思いますし、球が強いモデルの場合はさらにカチャカチャでロフトを増やして使うことも考慮してほしいですね」(小倉店長)

 また、いわゆる「地クラブ」と呼ばれるパーツメーカーにもチタンヘッドFWは多数あるので、工房などに相談すれば選択肢は広がります。地クラブ系はカチャカチャ非搭載のケースが多いですが、クラフトマンと相談しながらリアルロフトやクラブの長さなどを工夫することでより扱いやすい1本が作りやすいので、行きつけのショップがある人は相談してみるとよいでしょう。

 苦手を克服できるかもしれないチタン製FW、ぜひ試してみてください。

鈴木康介