今後ますます普及することが予想されるのが電気自動車(EV)。ただ、現時点では航続距離の短さが問題になることが多いEVですが、日産「リーフ」の場合、現実的には都心からどれぐらい遠いゴルフ場まで行くことができるのでしょうか?

理論上は関東全域のゴルフ場をカバーできる?

 クルマの世界では、近年「100年に一度」と言われるほどの大きな革命が起こりつつありますが、その中心にあるのは電気自動車(EV)です。

どうしても遠出になってしまうゴルフは電気自動車だと不安がつきまとう

 今後の多くのクルマがEV化していくことが予想され、すでに一部の自動車メーカーがEVを販売しています。

 ただ現時点では、一般的なガソリン車に比べ、航続距離や充電環境の問題など、EVには不便な点があるのも事実です。

 ゴルファーの多くは比較的長距離を移動することが多いため、EVに興味は持っていても、特に航続距離の面で不安視することも少なくないようです。

 では、もしEVを利用した場合、都心部からどのくらい遠いゴルフ場まで行くことができるのでしょうか? 2010年に発売された、日本で最も販売されているEVのひとつである日産「リーフ」を例に考えてみたいと思います。

 現在販売されているリーフは、2017年に発売されている2代目のものですが、通常のモデルと、より大きなバッテリーを搭載した「e+」というモデルが存在します。日産から公式に発表されている航続距離を見ると、通常モデルが322キロ、e+が458キロとなっています。

 この数値はWLTCモードという世界で統一された規格によって計測され、国土交通省に申請しているものです。この数値を参考にすると、通常モデルで150キロ程度、e+で200キロ強の場所までなら、ノー充電で往復することができそうです。

 これは、東京駅を起点とすると、通常モデルであれば静岡県伊豆市、e+であれば福島県白河市あたりまで行ける計算になり、理論上は関東全域をほぼカバーできることになります。

ゴルフクラブなど重い物を積載するので余裕を持ったほうがいい

 しかし、カタログに乗っている航続距離は理論値であり、多くの場合、同等の数値を出すのは難しいと言われています。

 また、ゴルファーの場合、ゴルフバッグなどの重量物を積載したり、複数人で移動したりすることも多いため、航続距離は短くなりやすいとされています。

 そのため、少し余裕をもって、カタログ値の75%程度をもとに考えてみたいと思います。そうすると、通常モデルで120キロ程度、e+で150キロ程度がノー充電で往復できるラインとなります。

 これは、東京駅から見ると、それぞれ静岡県熱海市、そして栃木県日光市までの距離に相当します。

 これ以上の距離になると、EVかガソリン車かにかかわらず、移動時間やドライバーの体力面などからあまり現実的ではありません。そのように考えると、EVであっても、実用面ではガソリン車とそれほど変わらずに使用できるように思われます。

高速道路ではEVの燃費が悪化する傾向がある

 ただ、EVにはさらに注意しなければならない点があります。

 やや専門的な話になりますが、ガソリン車の場合、高速道路を一定速で走行している状態のほうが、信号などでスタート&ストップすることの多い市街地よりも基本的には燃費が良くなる傾向があります。

最近はゴルフ場の駐車場にも充電設備が整ってきている(写真はイメージ)

 一方、ほとんどのEVは、ブレーキによってエネルギーを回収する「回生ブレーキ」という仕組みを持っているため、ブレーキをすることがバッテリー残量の回復につながります。

 しかし、高速道路ではほとんどブレーキを使用することがないため、市街地以上にバッテリー残量が早く減るように感じる場合が多く、いつもよりもさらに余裕を持って考える必要があります。

 また、冷暖房がバッテリー残量に与える影響も大きく、夏場の暑い時期などにクーラーを強めにきかせ、高速道路を快走している際にはかなりのスピードでバッテリー残量が減少してしまいます。

 さらに、ガソリン車の場合、万が一ガス欠を起こしたとしても、JAFや任意保険などのロードサービスを呼ぶなどして、ガソリンを補給することで比較的スムーズに路上復帰できます。

 しかし、EVの場合は特殊な電源車を呼んで充電するか、積載車で搬送するかなどの対応となることが多く、時間も費用も大きくなりがちです。

中古EVの場合はバッテリーの劣化も考慮に入れる

 ほかにも、バッテリーの劣化にも注意する必要があります。ガソリン車の場合、きちんとメンテナンスをしていれば、購入時に比べて極端に燃費が悪くなることはあまり考えられません。

 EVの場合は、使えば使うほど原理上バッテリーが劣化してしまいます。そのため、累計走行距離が長い中古EVの場合などは、さらに差し引いて航続距離を計算する必要があります。

 これらのことを総合すると、バッテリーの状態が比較的良いリーフであったとしても、通常モデルで70〜80キロ程度、e+で100〜120キロ程度がノー充電で余裕を持って往復できる範囲と言えるでしょう。

 これは、東京駅から見ると、それぞれ茨城県土浦市や山梨県河口湖などまでの距離に相当します。

 ただ、実際にはゴルフ場へ最短距離で往復する以外にも、現地で食事をしたり、ちょっとした観光をしたりする場合もあります。また、クルマの状態や運転の仕方によっても航続距離は増減するため、個々の事情を総合してプランを考えることが重要です。

※※※ 現状ではデメリットも少なくないEVですが、近年では長い航続距離を持つものも登場しているほか、高速道路のサービスエリアやショッピングモールなど、さらにはゴルフ場にも充電環境が整備されつつあります。

 しっかりとプランを立てれば、ガソリン車と同じようにゴルフへ使用できるだけでなく、EV特有のスムーズな加速によって移動時間も楽しむことができるかもしれません。そのためにも、まずはEVのメリットとデメリットを理解することが重要です。

ピーコックブルー