昨年、日本ツアーで見事な復活優勝を飾り、今年から米ツアーに本格参戦する渋野日向子選手。渋野選手のセッティングを見ると、ドライバーが「G410プラス」で、フェアウェイウッドを「G425 MAX」にしていますが、その理由は?

「G425 MAX」は渋野にはつかまりが良すぎる

 ピンの最新モデルである「G425シリーズ」。ピンと契約するツアープロの多くが「G425シリーズ」のドライバーを使っていますが、渋野選手はドライバーだけ「G410プラス」を使い続けています。その理由について、人気クラフトマンの関浩太郎氏に話を聞いてみました。

ドライバーはピンの1世代モデルに当たる「G410プラス」を使い続けている渋野日向子 写真:Getty Images

「2019年モデルのG410プラスと20年モデルのG425 MAXを比較すると、G425 MAXのほうがやさしくなっています。やさしいというのは具体的にはつかまりが良くなって、ドロー回転がかかりやすいということ。だから、スライサーの多い日本人アマチュアにはG425 MAXのほうがマッチする人が多いと思います。しかし、渋野選手はスライサーとは真逆の典型的なドローヒッター。トップでもフェースが真上を向くくらい、シャットフェースになっています。そのスイングだとG425 MAXはつかまり過ぎるので、G410プラスを使い続けているのでしょう」

ドライバーとFWを特性の異なるクラブにするのは大正解

完全復活を印象付けた樋口久子 三菱電機レディスでの優勝も「G425 MAX」FWでの見事なショットから生まれた 写真:Getty Images

 では、なぜフェアウェイウッドは「G425 MAX」にしているでしょうか?

「そもそもフェアウェイウッドはティーアップしないクラブの中で最も長いクラブ。だから、最もボールをつかまえるのが難しい。アマチュアの多くが『フェアウェイウッドが難しい』と感じるのは、ボールがつかまりにくいからです。男子プロにはフェアウェイウッドでもボールがつかまりすぎるという選手もいますが、女子プロのヘッドスピードだと、つかまりすぎるということはありません。むしろ、ある程度はつかまってくれたほうがやさしく感じます。おそらく渋野選手もフェアウェイウッドではつかまってくれる恩恵を生かすためにG425 MAXを使っているのでしょう」

 さらに、渋野選手の3番ウッドにはある秘密があります。ロフト表示は14.5度になっていますが、実際にはロフトを立てて13度にしています。ここに「G425 MAX」でなければならないさらなる理由が隠されています。

「ロフト13度の3番ウッドは感覚的にはミニドライバーに近いクラブです。それをティーアップしないで打つためには、G425 MAXのようにつかまりが良くて、ミスヒットにも強いモデルが最適だと思います」

 今年は米ツアーでのシード権獲得を目指す渋野選手。日本より長いコースが多い米国での試合では、試合に出場しながらセッティングを変更していく可能性も高いでしょう。今年は渋野選手の活躍とともに使用するクラブにも注目して応援してみましょう。

【渋野日向子のセッティング】

ドライバー   G410プラス(ロフト/9度 シャフト/スピーダーNX-S)FW     G425 MAX(3W/14.5度、7W/20.5度 シャフト/スピーダーNX-S)ユーティリティ G425ハイブリッド(5U/26度 6U/30度 シャフト/スピーダーTRハイブリッド)アイアン    i210(番手/6I-9I シャフト/MCI 80R)ウェッジ    グライド3.0(46度、52度、54度、58度 シャフト/MCIマイルド105)パター     シグマ2アンサー

野中真一