「同伴競技者のラインを踏まない」。ゴルフを始めると最初に教えられるマナーのひとつです。しかし、グリーン周りで悪戦苦闘しがちなビギナーは、うっかり他人のラインを踏んでしまうことも多い。そこで、踏んでしまった時の対処法と踏まないための動き方を知っておきましょう。

踏んだことに気づいた時点でただちに謝るのがマナー

 1月9日にオンエアされたBS日テレの「ゴルフサバイバル トッププロ大集結SP 2022」を視聴していたところ、珍しい場面に遭遇しました。

グリーン上では常に同伴競技者の動きをチェックしておこう 写真:AC

 若林舞衣子選手が2番ホールで約10メートルのバーディーパットを外し、ボールをマークしに行こうとしたところ、後方からの視線に気づいて振り返り、「ハッ、ごめんなさい」と慌てて謝ったのです。

 視線の先にいたのは堀琴音選手でした。堀選手は「全然気にしないでください。大丈夫です」と先輩プロを気遣っていましたが、若林選手は「(ラインを)踏んじゃった。ごめん」と再び謝りました。

 番組を視聴していない方と、番組自体をご存じない方に説明しますと、「ゴルフサバイバル」は10人の女子プロが同時にプレーし、1ホールにつき1人ずつ脱落していく競技方式で対戦。最後まで勝ち残った選手が優勝賞金を獲得する人気番組です。

 通常は若手女子プロ10人が優勝賞金100万円を目指して戦うのですが、今回はトッププロ大集結スペシャルということで、レギュラーツアーのメンバー10人が優勝賞金500万円をかけて戦っていました。

 そのため、1番ホールでは10人、2番ホールでは9人が同時にプレーしており、グリーン上でも人数分のマークが置かれます。

 グリーン上で同伴プレーヤーのラインを踏むのはマナー違反だということはプロゴルファーであれば誰もが知っていますが、若林選手はマークの数があまりにも多すぎて堀選手のマークを見落とし、ラインを踏んでしまったのです。

 ただ、そのことに気づいた若林選手がただちに謝り、踏まれた堀選手もサラリと受け流した振る舞いにゴルファーとしての成熟を感じました。

 アマチュアのラウンドでも、同伴プレーヤーのマークを見落とすことはあります。誰かのラインを踏んでしまった場合、自分で気づくケースと、同伴プレーヤーからの指摘で気づくケースがあります。

 どちらのケースでも、ラインを踏んだことに気づいた時点でただちに謝るのが最低限のマナーです。そして、その後はラインを踏まないようにプレーに取り組まなければなりません。

マーク位置が分からなければ各自に聞けばいい

 しかしながら、初心者のうちはグリーン周りのバンカーやラフで苦戦し、グリーンにボールを乗せるのが最後になるケースが圧倒的に多いです。

ちょっとしたへこみでもラインが変わることがあるので、踏んでしまったら謝るのがマナー 写真:unsplash

 グリーンに上がった時点で同伴プレーヤー3人のマークの位置が分からないことがよくあります。そのような場合、どうしたらいいでしょうか?

 筆者がゴルフを始めたときに教わったのは「分からなかったら聞けばいい」です。「マークはどこですか?」と聞けば、同伴プレーヤーが教えてくれます。

 人によっては堀選手のように「私のラインは踏んでもいいから気にしないでください」と言ってくれます。そうなれば、踏んではいけない人のマーク位置だけを気にすればよくなるので、その後の目配りがラクになります。

 そうは言ってもやはり、人のラインを踏まないに越したことはありません。同伴プレーヤーのラインを踏まないコツは、ボール位置まで最短距離でたどり着ける地点からグリーンに入ることです。

 バンカーに入る際、ボール位置まで最短距離でたどり着ける地点から入れば砂の上を歩く歩数が減ります。

 それと同じように、グリーンに入る際もボールに近い地点を意識すればグリーン上を歩く歩数が減るのでラインを踏むリスクが少なくなります。

 そして、各自がファーストパットを打つときボール位置が確認できますから、その後はラインを踏まないこと、同伴プレーヤーがカップをオーバーしたときの返しのラインも踏まないこと、カップ周辺の30センチ以内を踏まないことを意識してプレーできるようになれば、グリーン上の歩き方は完璧です。

 グリーンはゴルフ場の中で最もデリケートなエリアですから、マナーも細心の注意が必要です。それができるようになれば、ティーイングエリアからグリーンまでの道のりも落ち着いてプレーできるはずです。

保井友秀