ゴルフはスポーツとして楽しむだけでなく、接待の場としても活用されます。特に、重要な取引先の関係者などと行うものは「接待ゴルフ」とも呼ばれ、ビジネスシーンで大きな役割を担っていると言います。なぜ、ゴルフを活用した接待が有効なのでしょう?

オフィス以外の交流の場として活用されている

 野球やサッカー、テニスといったスポーツとゴルフが大きく異なる点は、接待の場として活用されやすいことです。接待とは、重要な取引先の関係者などをもてなすことで、良好な関係を築くことを目的に行うものです。

 主にレストランや料亭などが利用されますが、ゴルフ場が選ばれることも少なくありません。

ゴルフは趣味として楽しむだけでなく、ビジネスのツールとしても有効です。そのため、過去には接待ゴルフという文化も生まれました 写真:unsplash

 では、なぜゴルフは接待の場として選ばれやすいのでしょう? 広告代理店関係者は以下のように話します。

「先方がゴルフをお好きであることが前提ですが、ビジネス場においてゴルフ場はとても重要な存在だと考えています。大きなプロジェクトになるほど、ご担当の方と年単位でお付き合いすることになり、お互いに人となりをより深く知りたくなるものです」 「しかし、会議室の「打ち合わせ」では、目の前の仕事の話ばかりになってしまいます。一方、ゴルフ場であれば、ゆっくりと長い時間を共有できますし、ラウンド中は必要以上に周囲の視線を気にする必要もなくなります。クラブハウスやレストランが落ち着いた雰囲気のゴルフ場を選べば、ビジネスの重要な話もしやすくなります」

 オフィスとは異なる場所でコミュニケーションを取ることで、よりパートナーシップを深めることができるわけです。一方で、接待する側にはより現実的な理由もあるようです。

「意外と重要なのが、ゴルフにかかった費用は“接待交際費”として計上しやすいことです。たとえば、先方が大の野球好きであれば、グラウンドを抑えて野球大会を開催、といった接待の可能性もなくはないですが、経費で落とすには会社へのかなり詳しい説明が必要になります。一方、ゴルフであればよほど常識外れの金額でない限りは問題なく認められることがほとんどです」

 社内の規定で接待交際費の使用について、制限を設けている企業も少なくありません。その中でゴルフ場の接待利用は認められる場合が多く、経費という面でも活用しやすいようです。

「相手に花を持たせる」は逆に失礼にあたる

 ゴルフを通じて相手をもてなすことは「接待ゴルフ」と呼ばれましたが、今では死語になっているようです。前出の広告代理店関係者はその理由について以下のように指摘します。

「少なくとも私たちの周りでは、“接待ゴルフ”という言葉はほとんど使いません。得意先の方とゴルフをすることがないわけではなく、そもそも“接待”という言葉自体を使わない傾向になっています」

「もちろん、ラウンドでは大切な得意先のお客様をもてなす、という意味で礼儀やマナーを守って接します。しかし、週末に一緒にゴルフをするほどの関係であれば、ある程度フランクに接したほうが喜ばれます。かつては、“取引先よりも好スコアを出さない”といった接待ゴルフにおける暗黙の了解もあったようですが、手を抜くような行為はむしろ失礼にあたります」

「クラブをプレゼントするといったことも今ではありません。多くの企業がコンプライアンスを重視する昨今では、善意であっても取引先の担当者にプレゼントをしてしまうと、処罰される可能性があるからです。そういう意味で、接待ゴルフという文化はもう時代遅れと言えるかもしれません」

 接待ゴルフは、バブル時の日本が発祥と言われています。現在でもその名残は随所にみられますが、そもそも接待によってビジネスを円滑に進めようという発想自体が時代遅れとなりつつあります。今では、より深い関係性を築くためのコミュニケーションツールとして活用されることが多いようです。

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