今回は、レジャーゴルフではついルーズになりがちな規則「アドバイス」について、意外な「アウト」や「セーフ」をご紹介します。

「アドバイス」をもらっても与えても2罰打

「正規のラウンド」つまりゴルフ規則に則って遂行されたラウンドと、「レジャーゴルフ」や「練習ラウンド」は、実際のところ、まったく別物のことが多いと思います。

ルールについて聞くことはルール違反となる「アドバイス」には当たらない 写真:Getty Images

 後者でよくありがちな「OKパット(短い距離はカップインせず、1打を加えてホールアウト)」「マリガン(ティーオフショットを無罰で打ち直し)」「紛失したと思われるあたりから2打付加してプレー再開」、そして「アドバイス」などは、すべてルール違反。正しい処置をし、正しい罰打(もしくは失格)を課さなければ「正規のラウンド」にはなりません。

 今年の4月(予定)からは、日本でも「ワールドハンディキャップシステム(WHS)」という、より取得しやすく、実用性が高く、世界中で利用できるハンディキャップの制度がスタートします。でも、その取得や更新のために提出するスコアカードは、もちろん「正規のラウンド」のものでなければなりません。WHS登録者は、「正規のラウンド」を心掛けてください。

 ところで、その「正規のラウンド」の遂行で迷いがちな規則のひとつに、前述の「アドバイス」があります。

「アドバイス」とは、規則上は基本的に「クラブを選択するとき」「ストロークをするとき」「ラウンド中のプレー方法を決定するとき」に、プレーヤーの決定に影響を及ぼすことを意図して行われるコメントや行為のことです。

 そして、この「アドバイス」をプレーヤーに与えたり、プレーヤーがキャディー以外の人に求める、あるいは「アドバイス」に当たる情報を得るために他のプレーヤーの用具に触れた場合は、ルール違反(規則10.2)となり、一般の罰(2罰打)が加えられます。

 ただし、「アドバイス」には「公開されている情報」例えば「グリーンやバンカーといった、コース上のものの位置」「ある1点から他の1点までの距離」「規則」は含まれません。プレーヤーがこれらの情報を交換しても、「アドバイス」の違反ではありません。

 ですから、例えば「グリーンの奥はバンカー?」「ここからピンまでの距離はどれくらい?」「誤ってボールを動かしたんだけど、どうすればいい?」といったことを他のプレーヤーに聞いたり、それに答えても規則上は「セーフ」です。

 また、ストロークをする前に、他のプレーヤーに「いま何番アイアンで打ったの?」と聞くことできませんが、使用クラブを“触らずに”見て確認することは違反ではありません。プレーヤーが目視できることは「公開されている情報」だからです。

 ちなみに、自分のストローク後に、先に打ったプレーヤーに「さっきは何番で打ったの?」と聞いても、「セーフ」です。理由は、ストローク後に聞いたことは、もはや「プレーヤーの決定に影響を及ぼす情報」ではないからです。

前に打った人の番手をキャディーに聞いても違反ではない!?

 他のプレーヤーの使用クラブの情報については、他にも違反にならない、意外なことがあります。

 複数のプレーヤーが1人のキャディー=共用キャディーでラウンドする場合、これからストロークを行うプレーヤーがキャディーに、先に打ったプレーヤーの使用クラブの情報を聞いても無罰です。

 共用キャディーであっても、プレーヤーがストロークする際はそのプレーヤーのキャディーです。そして、プレーヤーは自分のキャディーが持っている情報はすべて引き出すことができるからです。なので「先に打った彼、何番アイアンだった?」と聞いても、規則上の「アウト」ではありません。

「共用」ではもうひとつ、距離測定器(レンジファインダー)があります。規則上、複数のプレーヤーで共用できない用具はクラブだけです。ボールの貸し借りを含め、他の用具の共用は禁止されていません。ですから、ひとつの距離測定器を複数人で使い回しても構いません。

 なお、距離測定機に関しては、ゼネラルルールでその使用は認められていますが、一般的に内蔵されている高低差を計測・表示する機能(スロープモード)の利用は「アウト」です。使用する際には、必ず事前に確認してください。

 レジャーゴルフや練習のためのラウンドでの「アドバイス」は上達の助け、ヒントになります。でも、それが癖になって、コンペなどで「僕のスタンスの向き、スクエアかな?」などと、周りの人に聞くことのないようにご注意。カジュアルなコンペでも、避けるべきでしょう。

小関洋一