毎日変わるカップの位置。雨の日は少し高いところにカップをきるというのは知っているが、そのほかの日はどのように決めているのでしょうか?

入場者数、グリーンの健康状態、天候を見て決める

 ゴルフを始める前はグリーン上のカップ位置はいつも同じだと思っていました。しかし、ゴルフを始めるとカップ位置が1日ごとに変わることを知ります。

 カップ位置を変更する際は、ホールカッターと呼ばれる道具で地面をくり抜きます。そして、くり抜いた土を使って前の穴を埋め戻します。

「ホールカッター」と呼ばれるグリーンにカップをきる際に使う道具 写真:AC

 カップ位置を変えるとホールの難易度も変わります。グリーンの手前寄りにカップを切ると難易度が低くなり、奥寄りに切ると難易度が高くなるのが一般的です。

 プロゴルフのトーナメントを見ていると、初日から最終日まで定番のカップ位置がだいたい決まっているような解説を聞くこともあります。

 バーディーやイーグルを取るには、リスクを承知でピンを果敢に狙わなければならないのがプロゴルフの戦いの舞台にふさわしいセッティングなのでしょう。

 一方で、通常営業のゴルフ場はカップ位置をどのように決めているのでしょうか。コース管理の専門家に聞いてみました。

「私の場合はグリーンを5〜6つのエリアに分けます。グリーンの手前は多くの人が乗りますし、ピッチマーク(ボールがグリーンに落下したときにできるくぼみ)もつきやすいですから、大きめのエリアに設定します。そして奥のほうを細かいエリアに分けるのが基本です」

「グリーンのエリアを手前、右、左、センター、奥に分けたとしたら、9ホールごとにピン位置の印象が変わるようにエリアを割り振ります。つまり、『今日は全部手前だった』とか『今日は全部左だった』ということにならないように、均一にバラバラにします」

「ただし、グリーンの一部が痛んでいる場合は、そのエリアにはカップを切らないようにします。また、雨の日は“雨ポジ”と言って水が浮かない高いポジションにカップを切ります」

「さらに、グリーンのスピードによってもカップを切る位置が変わります。傾斜の近くにカップを切ると、9フィートなら止まるけど10フィートだと止まらないということもあります。お客様が4パット、5パットとなればクレームも来ますからね」

「したがって、入場者数、グリーンの健康状態、天候などを見ながら、カップ位置を前後左右に振って戦略的な面白さを出していきます」

土日はカップ位置がやさしくなり、平日は難しくなる?

 入場者数がカップ位置に関係してくるのは、グリーンに乗る人の数が多ければ多いほどグリーンに負担がかかるからだそうです。

雨の日は「雨ポジ」と呼ばれる水が溜まりにくい位置にカップがきられる 写真:AC

「ですから土日はできるだけやさしい位置にカップを切ります。そうすると進行がスムーズになってグリーンへの負担も少なくなります。土日は客単価も高いですから、そのお客様に喜んでもらって、また来ていただくために、いいスコアが出やすいようにするという狙いもあります」

 一方で、土日のカップ位置をやさしくするということは、そのツケが平日に回ってくることになります。

「たとえば月曜日のセルフデーなどはカップ位置が難しくなる可能性が高いです。それは厳しいセッティングにしたいということではなく、土日にたくさん踏まれたエリアを休ませたいからです」

 また、雨の日は高いポジションにカップを切るということは、こちらも難易度が高くなるということになります。

「グリーンは奥のほうが高くなっていることが多いですからね。雨の日はティーショットでランが出なくなりますし、ピンまでの距離も遠くなります。ですからティーマークを前に出すこともあります。雨の日や向かい風のときはティーマークの位置でホールの難易度を調整します」

 そういった事情を加味すると、いいスコアを出したければ晴天の土日にプレーするのが一番よさそうです。

 ただし、最近は土日のゴルフ場が非常に混んでいますから、スムーズな進行を求めるのであればキャディつきプレー主体のゴルフ場がオススメかもしれません。

保井友秀