ゴルフは荷物が多いので、しょっちゅう何かしらコースやクラブハウスに忘れ物をしてしまうという人も多いかもしれません。忘れがちなのはどんな物なのか調査したところ、「こんなものまで!?」という意外な物も多いことが分かりました。

ビギナーが増えて忘れ物も増加傾向

「お客様の落とし物は日々ひっきりなしに届きます。忘れ物の問い合わせもゴルファーが増えた昨春から確実に増えています」

 こう言って頭を抱えるのは、首都圏にあるパブリックゴルフ場の従業員の方です。

フェアウェイの真ん中にアイアンが置き忘れられていることも。ナイスショットしすぎて、使わなかったクラブのことなんて眼中になくなった!? 写真:AC

 どんな落とし物や忘れ物が多いのか、さっそく聞いてみました。

 まず、コース内で多い“定番”の忘れ物は5つあるそうです。

・クラブ(グリーン周り、バンカー周辺)

・ヘッドカバー、パターカバー(ティーイングエリア、グリーン周り)

・距離計(フェアウェイ、ティーイングエリア)

・雨具(乾燥機内)

・電子タバコ(フェアウェイ、ラフ)

 ゴルフ場での忘れ物の“新顔“とも言える電子タバコとレーザー距離計に目が行きます。

「電子タバコの落とし物は今日も2件ありました。落とす方の傾向としてはビギナーが多く、慌てて走ったり、ポケットからティーを出すときに落としてしまうようです。問い合わせが少ないので、たくさん保管しています」(前出・パブリックゴルフ場)

 別のゴルフ場でもこんな声が聞こえてきます。

「フェアウェイやパー3のティーイングエリアで距離計の忘れ物が目立ちます。距離を測り、下に置いてボールを打ち、そのまま歩いていってしまうのでしょう。連絡があれば、ハウスから従業員がバイクやカート等で探しに出ます。買ったばかりの方のほうが忘れがちです。見つけて届けると『高かったから心配しました。腕時計タイプの距離計にすればよかったなあ』。ベルトにつけるホルダーがあるといいですね」(関東の人気パブリックゴルフ場)

 ちなみに、このゴルフ場ではビギナーより年配ゴルファーの忘れ物が多いそうです。なかなか気づかないため数カ月たってからの問い合わせも珍しくなく、1年に2〜3回は入れ歯の忘れ物もあるとか。保管期限はどこでも平均3カ月と言われますので、問い合わせは早めにしましょう。

 一方、クラブやヘッドカバーの忘れ物はなかなかゼロにはできませんが、防ぐためのアイデアはないものでしょうか。ゴルフ場で忘れ物には人一倍気をつけている、キャディーさんと学生ゴルファーにアイデアを聞いてみました。

「4人の打球が右と左に分かれてしまったりして全員に目が届かないときに、使わなかったほうのクラブを置き忘れてしまうお客様がいます。ラフ、林、それとフェアアウェイバンカーもですね。クラブを2本持ってバンカーに入り、アゴの高さを見てから打つクラブを決める方が、使わないクラブをバンカー外へ投げるので忘れやすいです。バンカーならレーキの近く、グリーン周りでは乗用カートが止まっている方向に置くと忘れにくいですね。私の場合は、お客様が打ったあとを振り返って忘れ物の確認を必ずしています。3〜4本入るスタンド式のサブバッグを使ったり、ズボンにホルダーをつけてパターカバーを管理しているお客様を見るとスマートだと思います」(首都圏ゴルフ場のキャディーさん)

「グリーン周りにウェッジとパターを持っていく場合、クラブを旗竿と一緒にグリーン外に置き、旗竿を抜かないときは次のホールへ向かう進行方向のルート付近で必ず視界に入る場所に置きます。ヘッドカバーは尻尾のようにパンツの後ろに挟み込み、打ったらすぐ戻しますね。乗用カートなら落とさないように後ろのカゴにぎゅっと押し込んじゃいます」(ゴルフ部所属大学4年生)

 できるだけ下に置かない、置くならカートが止まっている方向や次のホールへの進行方向に置く、カートのカゴなら下のほうに押し込むのが良さそうです。

取りに戻るのは次のティーから前のグリーンまで

 それでもクラブを忘れてしまったら?

 明確な決まりはありませんが、いくつかのゴルフ場に聞いたところ、次のように対応するとスムーズにいきそうです。

・忘れたことにすぐ気がついたり、後ろの組が拾ってくれたりして取りに戻るのは、次のティーイングエリアから前のホールのグリーン周りまでの距離が目安です。それ以上の場合は安全・進行の観点からクラブハウスに連絡して届けてもらいましょう。

・連絡する際、忘れた場所が分かれば必ず伝えます。見つかったら届けてくれることもあるし、キャディーマスター室で預かってくれることもあります。

・あとで忘れ物に気づいた場合は、ホールアウト時にキャディーマスター室で尋ねます。届いていれば受け取り、届いていなければ紛失届を提出します。  すぐ気づいたら取りに戻る、戻れない場合はクラブハウスに連絡をする、時間がたったら届けを出す、の3段階で対応しましょう。

 また、雨具の忘れ物については「男女問わず、18ホールが終わって乾燥機に干したまま取り忘れて帰ってしまうことがほとんど」(関東の人気パブリックゴルフ場)です。スマホのアラームをかけたり、雨具入れの袋を帰りの靴の上に置いておくなどして、忘れないための工夫をしたいものです。

 その他、主にクラブハウスで忘れがちな物を5つまとめてみました。

・キャディーバッグ(キャディーバッグ受取所)

・スマートフォン(トイレ、脱衣場、カートのカゴ、コース内)

・カードホルダー(トイレ、カートのカゴ、コース内)

・サングラス(トイレ、カートのカゴ)

・自宅の鍵、車のキー、財布、定期入れ、カードケース(貴重品ロッカー)

「キャディーバッグの引き取り忘れは1週間に1〜2回はあります。ゴルフ場として困るのは、故意に置いていかれるケース。ご連絡したときに『明後日また行くのでそのままにしてください』などと当然のようにおっしゃいます。また、ピックアップし忘れたバッグをご自宅へお送りする際、ご面倒でも盗難防止用ラックのキーのご返却をお願いするのですが、戻ってこないケースです」(首都圏にあるパブリックゴルフ場)

 キーを作り直すのに1本約1000円かかるそうですから、おそらく送料より高くついてしまうでしょう。自分の不注意によるミスには、ゴルファーとして、社会人として、きちんと対応したいものです。

「カードホルダーやスマホはトイレの洗面台に置き忘れることが多いですね。コース内で落とした場合は、マーシャルカーに乗ってその番号へ電話をかけながら探します。SNS用に写真を撮り、ティーイングエリアの表示板脇に忘れる方は少なくありません。また、これはお願いになりますが、ホルダーやスマホを大勢で探したあと、最終的にセカンドバッグの中から見つかることもあります。まずはご自分でよく探していただくことも大事です」(女性に人気のゴルフ場)

 スマホやホルダーなど貴重品が見つかってやれやれですが、ゴルフ場スタッフの方が頭を抱えてしまいたくなるのも頷けます。

財布をそっくり忘れる、帰宅してカギがないことに気づく

 貴重品ロッカーの忘れ物となると、ゴルファーもゴルフ場側も大事になるのではないでしょうか。

「よくあるのは、貴重品がそっくりそのまま入っているケースです。当コースではスマホ決済のPayPayで精算ができますので、お財布を預けたこと自体忘れてしまうのかもしれません。また意外なのは鍵の忘れ物です。先日は『自宅に帰ったもののキーホルダーをロッカーに忘れて家に入れない。夜になるけど今から取りに行きます』というお客様がいました」(首都圏にあるパブリックゴルフ場)

「当コースでは、精算が終わった方のロッカーに忘れ物がないか早めにチェックをします。貴重品ロッカーだと、お財布は取り出したものの、カード入れや定期入れが端に立てかけられて残っているケースがあります。すぐにお名前を調べて連絡したことによって忘れ物に気がつき、『高速に乗る前に分かって良かった』と言って取りに戻ってくるお客様がほとんどですね」(関東の人気パブリックゴルフ場)

 このような事例を聞くと、いざ、忘れ物が見つかったときに連絡が取れるよう、ゴルフ場の受付で書く電話番号を自宅の固定電話ではなく携帯電話のものにしておくことは必須と言えそうです。

 カード、現金、運転免許証……、文字通り貴重な物を入れるのが「貴重品ロッカー」ですから、忘れ物は何としても避けたいものです。貴重品を入れるときは、お財布や定期入れ、カードケースなどをハンバーガーのように重ねて入れ、一番手前に車のキーやキーホルダーを入れるようにすれば取り残しは避けられそうです。

 また、下の方のボックスを使う場合は、しゃがんだり屈んだりして、必ずロッカーの奥まで見通しましょう。ほんの一手間が、「家に着いたけど中に入れない」事態を防いでくれそうです。

野上雅子