最近少なくなったキャディー付きのプレーですが、たまに付くと迷うのがチップ。金額などもそうですが、裸で現金を渡すのもはばかられます。そんなとき便利なのが、コース売店に置いてある生活用品を買って渡す方法です。

意外な人気商品は洗剤の他にお菓子、ストッキングも

 乗用カートのセルフプレーが主流になってコース内の売店は無人化し、トイレと自販機があるだけの小屋になっているケースが少なくありません。

もらって困る人が少ない生活必需品の類は、チップとして無難中の無難 写真:AC

 でも、実はかつて、ほとんどのコース売店ではプレーヤーのための飲み物やちょっとしたおやつはもちろんですが、なぜか生活用品も売られていたのです。

 今でもときどき目にしますが、最もよく見かける生活用品は洗剤でしょうか。他にもお米、油、缶詰、お菓子やビールは単品と詰め合わせ、生活用品ではありませんが商品券を置いている売店もあります。

 なぜコース売店に生活用品があるのかというと、プレーヤーがサインひとつで買って、キャディーさんへのチップ代わりに渡しやすいからです。

「チップの代わりに米? 油? そんなに面倒なことをしなくても、現金で渡せば簡単なんじゃないかな」――若いゴルファーの方は、そう思うかもしれません。      けれども今から数十年前は、一部の格式あるゴルフ場ではそうもいかなかったと聞きます。メンバーがキャディーさんに直接チップとして現金の受け渡しをするのではなく、ゴルフ場を通して間接的に心付けを渡すのが良識ある行為とされていたからです。そのため、現金ではないものでキャディーさんへの心付けをとなり、生活用品や商品券をコース売店に置くようになったと考えられます。

 金額としては500円から1000円、2000円くらいのものが中心です。どこへ行っても洗剤を選ぶと決めている人もいれば、お菓子とともにドリンクを買って渡す人もいます。何を選ぶか迷ったときは、売店で「キャディーさんには何が喜ばれますか?」と尋ねてみましょう。「このお菓子は人気ありますよ」とか「毎日使うものなので洗剤も助かりますよ」などと教えてくれます。

スマートな渡し方や適当な金額は?

 買った品物は「ここに置いておきますね」とキャディーさんに合図をして、カートのカゴに乗せておきましょう。ティーショットを打った後「あのお菓子、人気があるんですってね」と声をかけて、お礼と笑顔が返ってきたら商品セレクト成功。たわいないスイーツの話題によって、その場が和むかもしれません。

 売店で購入する心付けの額は人によってさまざまですが、「自分一人で買う場合は1000円、自分がパーティーを代表して買う場合は仲間に声をかけたうえで2000円のものを選び、後でほかの3人から500円ずつ徴収します」(50代男性)という方がいました。

 また、コース売店ではなく、クラブハウスの売店にも1000円から2000円くらいのお菓子やソックスなどが置いてあります。

「前半でキャディーさんへのチップを忘れてしまって、昼食時にハウス売店で買った1500円弱のストッキングを午後のスタート前に渡したことがあります。キャディーさんは品物を換金して受け取ることもできるそうですが、『これは初めて頂きました。大事に使います』と、すごく喜んでくれました」(50代女性)

 売店で買う品物ならプレーヤーに新札や現金の持ち合わせがなくても間に合いますし、キャディーさんも現金より品物の方が受け取りやすいのではないでしょうか。

「メンバーさんが気を使って近くに人がいないときに渡してくださるので、どちらでもありがたく受け取らせていただいています。終了後、クラブ確認票のラウンド数をチェックする欄に、1ラウンドしかしていなくても1.5ラウンドに丸をして『今日はありがとう。つけておくね』と言ってくださるスマートなお客様もいらっしゃいます」

「心付けをいただかなくても、仕事の手を抜くようなことはありません。とはいえ、くださったお客様に対してより気持ちが入るのは事実です。いいプレーのお手伝いをさせていただきたいので、聞かれていなくても大事なコースの情報は積極的にお伝えします」(関東のゴルフ場のキャディさん、40代女性)

 セルフプレーが浸透した昨今、多くのゴルファーはキャディーさんへの心付けに対して迷ったり考えたりする機会が少なくなりました。キャディーさんが付く場合でも、プレーヤーはキャディーフィーを支払うわけですから、基本的には心付けは必要ありませんし、「こうするべき」という決まりも目安もありません。

 ただ、キャディーさんに「お世話になります」「ありがとう」の気持ちを伝えたいとき売店に置いてある洗剤やお菓子やストッキングといったものが、言葉以上の役割を果たしてくれることがあるのは間違いなさそうです。

野上雅子