ラウンド終了時に多くのゴルフ場で求められる「クラブの本数確認」。最近、妙に急かされることはありませんか? そこで、最近のゴルフ場接客について考えてみました。

接客サービスの意識が欠けていて「単なる作業」になっているから

 このところ自宅から最寄りのゴルフ練習場がいつも混んでいるので、新規開拓をしていました。近隣で行ったことのない施設にあちこち足を運んでみたところ、お気に入りのゴルフ練習場を見つけることができました。

 そのゴルフ練習場の存在は以前から認識していましたが、大きな通りを右折しないとたどり着けない(信号の待ち時間が長い)ので、今まで足が向きませんでした。

 でも、新規開拓で訪れてみると、1階10打席、2階10打席、合計20打席というこぢんまりした施設にもかかわらず待ち時間なしで打席に入ることができ、「ここに来るのは初めてなのですがシステムを教えていただけますか?」という問いかけに対してもスタッフの方が丁寧に利用方法を教えてくれました。

最近ではラウンド後のクラブ清掃もプレーヤー自身が行うゴルフ場も増えている 写真:AC

 気に入ったので翌週も訪れると、別のスタッフの方がフロントを担当していたのですが、その人の言葉遣いも丁寧です。何度か訪れているうちにスタッフ全員の接客レベルが高いことが分かり、感心しました。

 ゴルフ練習場を選ぶ際、多くのゴルファーは立地条件と費用対効果(ボール単価と施設内容のバランス)を基準にすると思います。

 そういった部分では、このゴルフ練習場は決して条件に恵まれているわけではありませんが、接客サービスのレベルを上げることで存在価値を高めようとしているのでしょう。

 一方で、最近ゴルフ場に行くたびに気になることがあります。それはホールアウト後にボールやグローブやティーペッグなどをキャディバッグにしまっていると、「クラブの本数確認をお願いします」とスタッフにやたらと急かされることです。

 以前は「後片づけが終わりましたらクラブの本数確認をお願いします」と声をかけるゴルフ場が多かった気がします。

 ところがこの1〜2年で「後片づけが終わりましたら」という言葉がなくなり、いきなり「クラブの本数確認をお願いします」と言ってくるゴルフ場が増えた印象があります。

 そんなときは「今、後片づけをしているので、もう少し待ってもらえませんか」と返答するようにしています。

 そのように返答することに決めたきっかけがあります。あるゴルフ場で後片づけをしているとき、スタッフが「クラブの本数確認をお願いします」と2回も3回もしつこく言ってくるので、後片づけを中断して先に本数確認のサインをしたことがありました。

 そうしたら、そのスタッフはこちらの後片づけが終わっていないにもかかわらず、キャディバッグをどこかに運んでいこうとするのです。「いやいや、まだ後片づけが終わっていませんから、ちょっと待ってください」と言いましたが、そのスタッフは何が問題なのか分かっていない様子でした。

言葉遣い一つでゴルフ場の印象はガラリと変わる

 ゴルフ場関係者に話を聞くと、新型コロナウイルスの流行を機にゴルフブームが到来し、来場者数は大幅に増えているのですが、スタッフの補充が間に合っていないと言います。

「人材を募集しても人が集まらないんですよ。ゴルフ場の仕事は朝が早いですから、若い人たちに敬遠されます。シニア人材は集まるのですが、それだけではスタッフが足りないのが現状です」

 確かに、ホールアウト後に「クラブの本数確認をお願いします」と言ってくるスタッフのほとんどがシニア人材です。

 ゴルフ場運営会社も従業員教育に時間とお金をかける余力がありませんから、接客サービスの意識が欠けており、マスター室補助作業を行なっているだけの状況になっているのでしょう。

 ただ、ゴルフ練習場は客単価1500〜2000円のビジネスであるのに対して、ゴルフ場は多くの施設が1万円以上のプレー代を取ります。どちらが接客サービスを充実させるべきなのかは一目瞭然です。

 別に過度な接客サービスを求めているわけではありません。ゴルフ場で楽しい1日を過ごした直後に、クラブの本数確認を急かされてイラッとする時間をなくしてほしいというだけの話です。

 せっかく新規参入ゴルファーが増えているのですから、その人たちが「ゴルフ場なんて二度と来たくない」と思うような接客だけは避けていただきたいと切に願います。

保井友秀