プレーオフに進出した2選手がいずれもタイトリスト契約選手となった全米プロ。クラブセッティングで注目なのは、パターが2人ともスコッティ・キャメロンの代名詞的なブレードタイプではなく、大型マレットの「ファントムX」だったことです。

ドライバーは2人とも「TSi3」

 5月22日に終了した全米プロゴルフ選手権。首位と7打差でスタートしたジャスティン・トーマスが5バーディー、2ボギーの67で回り、ウィル・ザラトリスとのプレーオフに進出。3ホールでの合計ストローク勝負でトーマスが2アンダーをマークし、1アンダーのザラトリスを下して2度目のメジャー制覇、ツアー通算15勝目を飾りました。

プレーオフを戦い終え、健闘を称え合うジャスティン・トーマスとウィル・ザラトリス 写真:Getty Images

 奇しくもタイトリスト契約選手2名によるプレーオフ、そしてワンツーフィニッシュとなったわけですが、両選手のセッティングはどのようなものだったのでしょう。

 まずドライバーは2人とも「TSi3」です。トーマスはフェアウェイウッドを15度と18度の2本入れ、アイアンは4番が「T100」、5番からはプロトタイプを入れています。対してザラトリスはフェアウェイウッドが16.5度の1本でアイアンは3番からですが、3番のみ、よりやさしい「T200」を使用し、4番からは「T100」を使用しています。

 ウェッジに関してはザラトリスがPWをアイアンセットのものなのに対し、トーマスはセットは9番までで、それより下の番手は「SM9」(46度、52度、56度、60度)です。ザラトリスも50度、54度、60度の「SM9」を使用しています。

ジャスティン・トーマスのクラブセッティング

ボール:プロV1xドライバー:TSi3(10度)フェアウェイウッド:TS3(15度)、915Fd(18度)アイアン:T100(4番)、プロトタイプ(5−9番)ウェッジ:ボーケイ・デザインSM9(46度/10F※ロフト47.5度、52度/12F※ロフト52.5度、56度/14F※ロフト57度)、SM9ウェッジワークス(60度/06K)パター:スコッティ・キャメロン ファントム X5 ツアープロトタイプ

ウィル・ザラトリスのクラブセッティング

ボール:プロV1ドライバー:TSi3(8度)フェアウェイウッド:TSi3(16.5度)アイアン:T200(3番)、T100(4番−PW)ウェッジ:ボーケイ・デザインSM9(50度/08F※ロフト55度、54度/10S※ロフト55度)、SM9ウェッジワークス(60度/T)パター:スコッティ・キャメロン ファントム X11(ロング)プロトタイプ

多くの栄光を「ファントムX」で勝ち取ったトーマス

 少し意外に感じるのは、「ニューポート」「ニューポート2」といったブレード型のイメージが強いスコッティ・キャメロンのパターの中で2人ともが大型マレットの「ファントムX」を使用していることです。

 とはいえ、トーマスはキャリアの初期こそブレードタイプのパターを使用していたものの、彼が挙げてきた勝利のほとんどは、このツノ型の「X5」系統のパターで勝ち取ったものです。対するザラトリスがアームロック式で中尺パターを打っていることを考え合わせれば、さほど不思議なこととは言えないのかもしれません。

 ちなみに、2022年モデルの「ファントムX」は、まったく新しいヘッド形状の採用や人気モデルのアップデートにより誕生。ツアーで好評の打感に優れた303ステンレススチールを削り出したフェースとボディーを9つのモデルで採用しています。

 新しい「ファントムX 5」「5.5」「5s」「7」「7.5」「9」「9.5」「11」「11.5」は、精密加工された303ステンレスをボディーとウイングそしてフェースに採用し、6061アルミニウム製のソールとフランジが一体化。安定した打音とソフトな打感、優れたパフォーマンスと操作性が実現可能になっていると言います。

 独特のウイング形状で最大限の慣性モーメントを実現した「PHANTOM X 12」は、アルミニウムのフェースとソールにステンレススチールのウイングを組み合わせた設計。フランジをスリム化し、アライメントを長くすることで、前モデルよりも狙いやすいモデルへと進化しています。

 今回の全米プロは大慣性モーメントパター優勢を印象付ける大会となりました。

e!Golf編集部