一時期、貴重品ボックスに超小型カメラを設置して暗証番号を盗撮、貴重品を盗むという事件が頻繁に起こっていました。しかし、ゴルフ場が対策を施したことで、昨今はほとんど無くなったといいます。

貴重品ロッカーやゴルフクラブの盗難事件はほとんどなくなった

 このところゴルフ場が多くのお客さんでにぎわっています。それ自体はとても喜ばしいことですが、ゴルフ場に大勢の人が集まると、その中にまぎれ込んで悪事を働く輩が出てこないか心配になります。

 2000年代前半にもゴルフを始める人が一気に増えた時期がありました。2003年9月に宮里藍選手がアマチュア優勝を達成したころ、日本は小泉純一郎内閣の構造改革の真っ最中で、全国のゴルフ場で経営交代ラッシュが起こっていました。

 オーナーチェンジしたゴルフ場は、新しいゴルファーを積極的に受け入れる運営方針を打ち出し、若くして事業を軌道に乗せた経営者など、多くの人がゴルフに興味を持ち始めました。

指紋認証型の貴重品ボックスに変えるなど、ゴルフ場も様々な対策を施し盗難を防いでいる

 すると、お金の匂いをかぎつけた犯罪者集団がゴルフ場の貴重品ロッカーに小型カメラを取りつけて暗証番号を入力する場面を撮影し、貴重品を盗み出したり、クレジットカードの磁気情報を読み取ったりするスキミング事件が横行しました。

 また、キャディバッグ置き場から高級ゴルフクラブを持ち去って中古ショップで売却し、換金する事件も多発しました。

 筆者は当時、ゴルフ週刊誌の編集部に在籍していましたが、ゴルフ場関係者が盗難事件に関与した疑いで逮捕されたことがきっかけで、貴重品ロッカーに財布を預けるのをやめました。

 その後、ゴルフ場はクラブハウスやキャディバッグ置き場に防犯カメラを設置するようになり、盗難事件の発生件数は減少したようですが、最近はどのような状況なのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。

「ひと昔前はそういう事件が全国のゴルフ場で発生していた時期もありましたが、最近はほとんど聞かなくなりましたね」

「ウチのゴルフ場では少し前にお客様が『財布を盗まれた!』と大騒ぎして、警察を呼んで防犯カメラを確認し、実況見分まで行なったことがありました」

「それでも財布は出てこなかったのですが、家に帰ったら財布が見つかり、ゴルフ場で盗まれたのではなく家に忘れてきたことが判明したので謝りに来ました。そういう出来事が笑い話になるくらいゴルフ場での盗難事件はほとんど発生しなくなりましたね」

たまに発生する盗難事件はコース売店の自動販売機荒らし

 クラブハウス内での盗難事件はほとんどなくなりましたが、直近で盗難事件の被害に遭ったのはコース売店の自動販売機だそうです。

「コース売店の自動販売機をバールみたいな工具でこじ開けて壊し、中に入っている現金を持ち去る事件が何度かありました。どうやら自販機荒らしの犯罪者集団があちこち動き回っているらしいです」

「ゴルフ場のクラブハウスは簡単には侵入できませんが、ゴルフ場の敷地は意外と侵入しやすいところもあります。コース売店の自動販売機にお金がどれくらい入っているかはさておき、夜中に忍び込めば犯行現場を目撃される心配はほとんどありません」

「コース売店の自動販売機は、商品の補充も現金の回収も業者さんにお任せしていますから、ゴルフ場はお金がいくら入っているかも分かりません。そのような事件が起こった場合、事後対応や自動販売機の修理も業者さんにお願いすることになります」

 ゴルフ場関係者によると、犯罪者集団に狙われるような高価な物など一切置いていないと言いますが、犯罪者集団からするとお金を持っている(ように見える)人たちが集まる場所だから盗む価値がある物が何かしらあるだろうというイメージがあるのかもしれません。

 ゴルフ場は以前と比べてセキュリティー対策は向上していますが、貴重品や高級品がなくなった場合、見つかる保証はありません。ゴルフに必要ない貴重品はできるだけ持ち込まず、持ち込んだ貴重品は最も安全と思われる方法で管理する必要がありそうです。

保井友秀