「アイアン」はさまざまな距離からグリーンを狙っていく重要なクラブです。本数的にもクラブセッティングの大部分を締めるクラブですが、何を基準に選んでいますか? 実は「フェース長」に注目してモデルを選ぶと、レベルに合わせた最適なアイアンが見えてきます。

ヘッドの大きさは振り心地に直結する

 ドライバーやパターに比べて、「アイアン」は買い替えサイクルの長いクラブだと言われてきました。かつては新製品が出ても、構造的な差がほとんどなく、性能の進化を感じづらかったことが買い替えが進まなかった原因でしょう。しかし、最新アイアンは構造も素材も非常に多種多様で、大きな進化を遂げました。

フェースは短めだが、面長モデルと遜色ないやさしさを備えたタイトリスト「T200」

 実際、アイアンの最新モデルを見ていくと、さまざまな形状で、スペックも非常に多岐に渡ります。もしかすると、今までと傾向の違うモデルに挑戦したいと考えている人も多いのではないでしょうか? しかし、アイアンは5〜7本のセットで買う分、購入価格も高くなりがち。欲しいと思いつつも、いま一つ決め手に欠け、踏み出せない方もいるでしょう。

 そんな時に注目してほしいポイントが、アイアンの「フェース長」です。

 フェース長とは、クラブをライ角なりにセットした状態で、シャフトの軸線が地面と接地した部分からトゥの先端まで水平に測った長さを指しています。ヘッドの大きさを示す1つの指標で、マッスルバックやキャビティといったアスリートモデルが73〜76ミリ、アベレージゴルファーに向けたやさしいモデルは80ミリ以上と長めに設定されます。

 テーラーメイドは以前から、このフェース長をモデル名にしています。73ミリのマッスルバックが「P730」ですし、シリーズ中、最もやさしい異素材を複合した79ミリのモデルは「P790」と名付けられています。

 このフェース長で変わるのは大きく2点で、「構えた時の安心感」と「振り心地」です。

 まず、フェース長が長くなれば、それだけフェース面が大きくなり、いわゆる大型のヘッドになります。最新モデルで言うと、大型ヘッドの最たる例が、フェース長92ミリの「RMX VD40」。コンパクトなヘッドに比べて、構えた時に「当たってくれそう」な安心感があるアイアンとなっています。

 実際、フェース面が大きくなる分、芯も広くできますし、ミスヒットにも強くなります。また、「RMX VD40」などは、ソールも幅広でダフリに強くなっているので、アベレージゴルファーがミスショットをとことん減らそうと思ったら、強い味方になるのは間違いありません。

 ただし、ここでぜひ考えてほしいのが、フェース長によって振り心地も変わることです。

 まず、フェース長の長い大型ヘッドのアイアンは、スイング中のフェース開閉が小さくなります。たとえば、インパクト前後でしっかりフェースをターンさせて、ドローを打ちたいプレーヤーにとってはあまり相性が良いとは言えません。

 そういったゴルファーの場合は逆に、フェース長が76ミリくらいのキャビティアイアンを使ったほうが、フェースがスムーズにターンしてくれて、狙ったボールが打ちやすくなるでしょう。スイング中のフェース開閉は、アイアンの振りやすさや結果に直結する部分ですので、しっかり自分の好みに合わせて選びたいところです。

 余談ですが、同じシャフト長でフェース長の違うアイアンを打ち比べた場合、コンパクトなヘッドのほうがスイングスピードが速くなる傾向もあります。大きいからやさしい、だから誰もが使うべきとはならないのがアイアン選びの難しいところ。フェース長を1つの基準にして、自分が求める振り心地のモデルを選ぶのがおすすめです。

コンパクトでミスに強いモデルも増えている

 振り心地的にはフェース長の短いアイアンが良いと思っても、コンパクトなヘッドというだけで苦手意識を感じてしまう人がいるかもしれません。

 確かにコンパクトなアイアンは、大きいものに比べてミスヒットに弱い傾向があります。プロの愛用者が多いマッスルバックのアイアンなどは、ちょっと打点がズレただけで飛距離が10ヤード以上落ちてしまうことも少なくありません。

 しかし、最新モデルの中には、さまざまな素材を複合した新しいタイプのコンパクトなアイアンが登場しています。タイトリストの「T200」やピンの「i525」といったモデルがその例になります。ヘッドのトゥ側に重いタングステンを入れるなど、重心位置が調整されているのですが、従来のコンパクトなアイアンよりもミスへの強さが増していて、打点がズレても飛距離や方向がブレにくくなっています。

 コンパクトなヘッドでも、ミスに強いモデルが欲しいと考えるなら、こういった複合素材のアイアンを選ぶと良いでしょう。

 まずは自分が振りやすいと感じるフェース長のアイアンを選び、そこからミスへの強さなどでモデルを絞っていくと、自分に合った最適なモノが見つかりやすくなるでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。 

e!Golf編集部