練習場のマットがボコボコに使い古されている打席に遭遇することがまれにあります。ショットの練習をする上で悪影響はあるのでしょうか。レッスンプロの関浩太郎氏にお話をうかがいました。

手首を痛めるのを恐れスイングに変なクセがつくことも

 ゴルフ練習場には、300ヤード級の大型練習場もあれば、住宅街の一角や建物の屋上にある100ヤード以内の狭い練習場もあります。最近では、シミュレーターを使用した最新測定器を備えたインドア施設も増えており、練習場の選択肢は年々増えています。

本来は平滑なはずの人工芝マットの表面が波打ったようになっていることも 写真:AC

 そんなゴルフ練習場を利用していると、人工芝マットがボコボコに削れてしまっている打席に遭遇することがあります。練習場自体が比較的空いていれば、新しいマットが敷かれている打席に替えてもらうことも可能かもしれませんが、週末など混んでいる時間帯では、それも難しいでしょう。

 そもそも、マットが削れている打席で練習すると、どのようなデメリットがあるのでしょうか? レッスンプロの関浩太郎氏は以下のように話します。

「プロゴルファーは、ボールの先にある芝を削っていくイメージで、いわゆる『ターフがとれる』ようなスイングをするので、削れたクッション性のない人工芝で打つと、手首を痛めてしまいます。正直、アマチュアゴルファーの場合は、しゃくり打ちやアッパブローにボールを打っている人が多いので、マットがすり減っていてもそこまで支障はでないかもしれませんが、ダウンブローに打てている人であれば、痛くないように打とうと、スイングに変なクセがついてしまう可能性があります。そのため、アマチュアゴルファーであっても、なるべく削れたマットは避けたほうが良いといえるでしょう」

 このように、削れたマットはクッション性が損なわれているため、しっかりとしたダウンブローで打てる人にとっては、クラブヘッドが削れた部分に当たると痛みを感じてしまうことがあるのです。

 プロゴルファーや上級者の場合はクラブヘッドが最下点に達する前や下降中にボールを打てているため、天然芝であればターフが取れます。一方、アマチュアゴルファーの場合は、ダウンブローで打てない人が大半であり、手打ちや、すくい打ちになってしまうため、ターフが取れるようなインパクトができていないことが大半です。そのため、削れたマットで打つと必ずしも悪影響があるというわけではありませんが、ダウンブローで打てるように日々特訓している人であれば、避けるのが無難です。

 ちなみにアマチュアゴルファーがダウンブローに打てないのは、体をうまく使えていないことが多く、腰の回転が悪いことから手打ちになり、クラブの最下点がボールの手前に来てすくい打ちになってしまうからです。クラブの性能的に、ハンドファーストでインパクトしたほうが、適性なスピンや球の高さ、安定したインパクトになります。

マットの先端にボールを置けばダウンブローの練習にも

 関氏は、ある工夫をすることで削れたマットの打席になってしまっても、問題なく練習することができると話します。

「まず、マイマットを購入して、練習場に持っていくのがオススメです。ゴルフの練習用マットはそこまで価格も高くないので、自分で購入した新品のものを持っていけば、削れたマットに遭遇しても問題ありません。もしくは、マットの一番先端は消耗されていないことが大半なので、そこにボールを置いてショットするという方法もあります。マットの先端にボールを置くと、その先は一段低くなるような形になるので、よりダウンブローの感覚を意識して練習できるというメリットもあります」

 削れたマットに遭遇してしまったときの対処法としては、マイマットを購入して持参するか、比較的に削れていない部分にボールを置いてショットをするのが効果的ということです。

 しかし、薄くて重量のないマットを使用して大ダフリをしてしまうと、マットが飛んでいってしまったり、そもそも打つたびにマットがずれて練習にならないことも考えられるので、それなりに重量のあるマットを選択する、安全面は十分に考慮したうえで、練習場側に許可をとる必要はありそうです。

 ゴルフ場の混み具合によっては、自分で打席を選べないこともあるので、上述した対処法を試してみると、不快感なく練習できるでしょう。

ピーコックブルー