ゴルフのトーナメント中継を見ていると、赤とシルバーの「ツートーンシャフト」を使用している選手が非常に多いことに気づきます。これはオデッセイの「ストロークラボ シャフト」という製品ですが、パターをやさしくしてくれるさまざまな効果が秘められているようです。

ヘッドが暴れない最新の高性能シャフト

「パット・イズ・マネー」という格言があるほど、ゴルフにおいてパターは大事なクラブです。1打にしのぎを削るプロは、特にパターを重要視していて、強いこだわりを持って使用モデルを選んでいます。

パター巧者として知られる西村優菜は「ストロークラボシャフト」を使用 写真:Getty Images

 そんな中でに気になるのは、多くのプロが使用する赤とシルバーのツートーンカラーのシャフトです。平均パット数1位で今季2勝を挙げている西村優菜やアース・モンダミンカップでツアー初優勝を挙げた木村彩子など、「ツートーンシャフト」を使用して結果を残している選手も少なくありません。一体、このツートーンシャフトとはどんなものなのでしょう?

 まず、ツートーンシャフトの正式名称は「ストロークラボシャフト」と言います。キャロウェイゴルフの人気パターブランド「オデッセイ」が開発した新基軸のシャフトで、カーボンとスチールという2つの素材を複合して作られています。2つの素材を使っているからツートーンカラーになっているわけです。

「ストロークラボシャフト」の特徴としてまず挙げられるのは、軽いことです。一般的にパターに装着されるスチールシャフトは110〜120グラムですが、「ストロークラボシャフト」は約75グラムとなっています。シャフトを軽くすることで、手元側のグリップと先端のヘッドを重くすることができ、結果、クラブ全体の慣性モーメントを高めて、ストロークのブレを減らすことができるのです。

 ただし、軽量化するだけならカーボンだけでシャフトを作っても同じことができるはずです。当然ながら、スチールを複合しているのには理由があります。それは、ストローク中のシャフトの挙動が小さくなって、ヘッド軌道が安定することです。

 実はパターであっても、ストローク中にシャフトはしなっています。ドライバーなどに比べれば小さなしなりですが、その僅かな差が距離感や転がりに大きな影響を及ぼします。特に、ミスヒットした時にその影響は顕著で、たとえば先端の柔らかいシャフトが装着されたパターで打点がズレてしまうと、フェース向きが変わって大きなミスになる可能性があります。

 一方、「ストロークラボシャフト」では、先端部にステップ(節)のないスチールを使用することで、軽量化しても挙動が安定するシャフトに仕上がっています。もっと言えば、スチールとカーボンが接合され、剛性が高まっている部分はインパクトで負荷がかかりやすい部分ですので、より一層ヘッド挙動が安定してくれるわけです。

 このように、軽量化によるクラブ全体の慣性モーメントアップに加えて、ヘッド挙動が安定する先端の強さを持っていることが「ストロークラボシャフト」のメリットであり、シビアな環境でプレーするプロが愛用する理由なのです。

シャフトを見直すことでパターがレベルアップする

 パターは他のクラブに比べて、さまざまな形状のヘッドがあります。それだけに、ヘッド選びばかりに重点を置きがちですが、実はどんなシャフトを選ぶかも非常に大切なことなのです。

 前述の「ストロークラボシャフト」以外にもストロークが安定するよう工夫されたシャフトは存在します。たとえば、テーラーメイドの「スパイダーGT」シリーズに装着されている「フルーテッドシャフト」は、先端から約13センチの位置に6カ所、樹脂が埋め込まれています。メーカーの説明によると、「打感と打音の向上」が目的とのことですが、樹脂が埋め込まれた位置は、インパクトで強い負荷がかかる部分ですので、「ストロークラボシャフト」のようにヘッド挙動を安定させる効果もあります。

 その他にも米国のBGT社が開発した「スタビリティシャフト」という製品もあります。手元側に8層に巻いたカーボン、先端に均一な肉厚のステンレス製シャフトを採用するなど、「ストロークラボシャフト」に似た設計のモデルとなっていて、ソリッドな打感を持たせつつ、安定した打ち出しを実現しています。

 現在、新たに発売されるパターの多くは、従来のモデルよりも重くなっていることがほとんどです。それだけにシャフトもしっかり工夫しなければ、重さによってヘッドがかえって暴れてしまい、性能を完全に引き出すことができなくなってしまいます。裏を返すと、シャフトにこだわるだけでストロークが大きく変わる可能性もあるわけです。

 もし今、パターに悩んでいるなら、シャフトに注目してクラブを選んでみると世界が変わるかもしれません。

e!Golf編集部