35度を超えるような暑さが続くと、屋外の練習場に行かないゴルファーは多い。そうなると選択肢に入るってくるのが、冷房完備のインドアレンジ。インドアレンジには弾道測定器がついている場合が多いが、レンジ用ボールだとやはりコースボールとは異なる数値になるといいます。

キャリーに違いはほとんどない

 このところ暑いのでゴルフの練習場所をインドアに切り替えています。週1回ペースでインドアゴルフスクールに通い、それ以外にインドアゴルフスタジオでゴルフシミュレーターを使った練習を行なっています。

 インドアゴルフスクールもインドアゴルフスタジオも使用ボールは耐久性重視のレンジ用ボールです。

 ですから飛距離は気にせず方向性だけ気にして練習すればいいのですが、画面に「キャリー○ヤード、ラン○ヤード、トータル○ヤード」と出てくるのでどうしても気になります。

弾道測定器がついたインドアレンジでは毎ショット様々な数値が出る
弾道測定器がついたインドアレンジでは毎ショット様々な数値が出る

 キャリーはボールが着地するまでの距離です。ランはボールが着地してから転がった距離です。トータルはキャリーとランを合計した距離です。

 自分の中でキャリーとランを分けて考える感覚がありませんでしたから、やはりトータルの飛距離が気になります。そのトータル飛距離が自分の感覚ではすべての番手で10〜20ヤードくらい飛んでいない印象があります。

 その感覚か正しいかどうかを確認するため、ゴルフシミュレーターのメーカーに問い合わせてみることにしました。

 メーカー担当者の説明によると、ゴルフシミュレーターの中の「ドライビングレンジモード」ではトータル飛距離が10〜20ヤードくらい飛ばなくなる可能性があるそうです。

 その理由は「キャリーの飛距離はレンジ用ボールでもコース用ボールでもそれほど変わらないと思いますが、ランが出る設定になっていないのでトータルの飛距離は変わってきます」とのこと。

 また、ボールの初速、打ち出し角、スピン量もボールの性能によって変わるため、同じシミュレーターでレンジ用ボールとコース用ボールを打ち比べると、数値が明らかに変わると教えてくれました。

「同じマシンでレンジ用ボールとコース用ボールを58度のウェッジで打ち比べると、コース用ボールのほうが2000回転以上、バックスピン量が増えます。そのくらいボールの性能には差があります」

「ただし、ランニングコストを考えますと日々の営業でコース用ボールを使用するわけにはいきませんから、そういったことを考慮して練習を楽しんでいただけると幸いです」とのことでした。

キャリーとランを切り分けて考えたほうがいい

 レンジ用ボールとコース用ボールに性能の違いがあることは承知していましたので、屋外の打ちっぱなし練習場では飛距離は気にせず方向性だけ気にして練習していました。

 しかしながら、インドア練習場で画面に「○ヤードです」と表示されると「それしか飛ばないわけがない」とムキになる自分がいました。

 そういう人に向けてメーカー担当者が次のようなアドバイスをくれました。

「アマチュアの方はキャリーの飛距離を把握されていないケースが多いですから、このマシンを使ってキャリーの飛距離を把握されると実際のコース攻略に役立つと思います」

 たとえば、ピンまで150ヤードのバンカー越えというシチュエーションで、150ヤードを打ったつもりが手前のバンカーにつかまるのは“アマチュアあるある”です。

 それは150ヤードという距離感覚がキャリーとランを含めたトータル飛距離なので、そもそもキャリーでバンカーを越える番手になっていないということです。

 プロゴルファーのコースマネジメントはすべて、ボールをどこに落とし、どういうふうに転がって、どのあたりに止めるかを計算しています。

 一方、アマチュアのコースマネジメントは「何ヤードだから何番アイアン」とステレオタイプに決めている人がほとんどです。

 アマチュアは自分のスイングの力感をコントロールするのが苦手な人も多いですから、プロから「8番アイアンでしっかり当たらないとバンカーを越えないなら、7番アイアンで軽く打ったほうがいいよ」と言われても、そんな器用なことはできません。

 それであれば8番アイアンで常にフルショットという選択は必ずしも間違いではありませんが、8番アイアンのキャリーの飛距離が何ヤードなのか、その飛距離はショットごとにどのくらいのバラつきがあるかは把握しておいたほうがよさそうです。そういった視点を加えて今後の練習に生かしたいと思います。

保井友秀