楽天スーパーレディース最終日、特別協賛の楽天グループと所属契約を結ぶ稲見萌寧が通算17アンダーまでスコアを伸ばし、前日からの単独2位を死守。勝てなかったとはいえ、優勝した勝みなみとの差も5打にまで縮めて大会を盛り上げたことを考えれば、ホステスプロとしての役割を果たせたといえるだろう。

熾烈な2位争いを制して“ホッと”ひと安心

◆国内女子プロゴルフ〈楽天スーパーレディース 7月28〜31日 東急グランドオークゴルフクラブ (兵庫県) 6616ヤード・パー72〉

 今大会の練習ラウンドからスイングの見直しを始めている稲見萌寧。どんなに練習場でできても、試合で実践できなければ意味がないと以前から語っていたが、その意味ではこの4日間はかなり有意義だった。

「特に最終日のショットはいい感じのときに戻ってきたと思えたし、完全ではありませんが光が見えてきたかなと思います」と、手応えを感じることができた。

様々な部門で1位に浮上。昨シーズンの強さが戻りつつある稲見萌寧 写真:Getty Images
様々な部門で1位に浮上。昨シーズンの強さが戻りつつある稲見萌寧 写真:Getty Images

 昨シーズン、賞金女王に輝いたときから稲見の強さを感じさせるのが、ここぞいうときにしっかりピンそばにつけてくることだった。今季はここまでそういうショットが少なかったものの、今大会では随所にそれが見られた。

 最終日でいえば、17番パー3でのティショットだ。今回は勝みなみが独走状態だったため、どの選手もまずは単独2位を狙っていた。かなり熾烈な2位争いが繰り広げられていたが、稲見は3位グループに1打リードでこのホールを迎える。2位争いに終止符を打つためにも、バーディーを奪いたい状況だ。

 172ヤードと、4つあるパー3の中では最も距離があるホールだが、稲見が選択したのはユーティリティーだった。奥めにあるピンに向かってスクエアに構えたアドレスから打ち出されたボールは、そのままピンに向かって真っすぐ飛んでいく。ピンの手前に着弾すると、カップに向かって転がっていき、ピン上約2.5メートルに止まる。それを沈めてバーディーを奪い、右手の拳を何度も振り下ろすポーズを見せた。

「3日目に勝さんのゴルフを見て、このゴルフをされたら勝てる人はいないだろうと思っていました。その中で、どれだけ差を縮められるかというのが自分の目標でしたが、しっかり達成できたと思います」と笑顔を見せる。

 勝がスコアを1つしか伸ばせなかったとはいえ、9打差を5打差にまで縮められたのは、ショットの調子が上がってきた証拠でもある。

 今大会の前までは2位だったパーセーブ率も1位に浮上。しかも、90.71%と高い数字をマークしている。パーオン率、平均ストローク、ボールストライキングでも1位と、部門別記録でも徐々に昨シーズンに近づいてきている。

 あとはどこまで平均パット数を縮め、優勝回数を増やしていくかだけだが、上昇気流に乗り始めたことを考えれば、時間の問題だろう。

「ショットの完成度をさらに上げて、なるべく早く今季2勝目を挙げられたらと思います」と、試合後に語っていた稲見。今週はライバルたちがAIG全英女子オープンに大挙出場するだけに、意外とその目標は早く達成されるかもしれない。

山西英希