「100切り」を最初の目標にしているゴルファーは多い。では、具体的には「何をどうすれば」達成できるのでしょうか? 初心者から競技ゴルファーまで幅広くスコアアップに導いている、人気インドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチに詳しく解説してもらいました。

“100切り”した人としてない人の「温度差」

 まるで「とりあえずビール!」のように、初心者はまず「100切り」しよう! などと言いますが、8万人以上のゴルファーを見てきた経験則としてお話しさせて頂くと、ゴルファーの多くは“100切り”前と後ではプレーやスコアに対する考え方が劇的に変わってしまう傾向があります。

 プロやインストラクター、上級者の中には初ラウンドで「100切り」してしまう人が意外にも? たくさんいて、逆の「100切り」未経験者もいるのが現実です。

達成した人には簡単でも、未達成者には「100切り」は大きな壁になる
達成した人には簡単でも、未達成者には「100切り」は大きな壁になる

 また「ゴルファーあるある」で言うと、「100切り」を達成してしまうと「次は90切り」「もう100なんか打ちたくない!」とスコアに対する常識が大きく変わります。

 つまり「100切り」が大きな壁である理由の一つに、壁を乗り越えたゴルファーが苦しかったプロセスを頭から消去し、その「難しさ」を未達成の初心者ゴルファーと共有しないことがあります。逆に言えば、そのくらい「簡単」と考えているゴルファーと、未達成ゆえ「難しい」と考える初心者に壁が生まれやすいのです。

簡単じゃないけど可能!「100切り」ストーリー

 実際にはゴルファーがラウンドする中で3割強くらいしかいない「100切り」スコアですが、まず「ダブルボギーペース」つまりトータル108より、最低でも9打少なくしなければいけません。

 今回は、近いうちに「100切り」を達成したいと考えている未達成ゴルファーのためにお話しさせていただこうと思います。

まだ達成したことのないゴルファーのために、ショット(アプローチ含む)54回&パット44回で「100切り」を考察
まだ達成したことのないゴルファーのために、ショット(アプローチ含む)54回&パット44回で「100切り」を考察

 パーよりも1打多い「ボギー」を18ホール中に9個取れて、残りが全てダブルボギーなら、トータルは99つまり「100切り」を達成します。しかし多くのゴルファーが「100切り」の直前に、前半と後半のスコアが大きく異なる「大波プレー」を経験し、想定と実際のギャップの大きさを実感することになります。

 今回は、理由も説明しながら「98」でプレーするイメージ考察をしていこうと思います。その内訳は、ショット数(アプローチ含む)54、パット数44で「98」を達成。すでに「100切り」している人にとっては「この内訳はおかしくないか!?」と思うはずです。

 この内訳を提案するのは理由があります。「100切り」未達成ゴルファーにとって、「パターの重要性」は感じにくい環境やメンタルの場合が多いです。「パットどころではない」というメンタルを想定しています。

 記憶に残っているOBなどの「ショットの大ミス」をなくす練習内容が、特に男性ゴルファーの「100切り」練習のメインになっているはずで、パター以前にアプローチすら疎かになりがちです。

 ショット数を54回に設定しているのは、グリーンに乗らない場合「アプローチは1回でグリーンに乗せる」という意識を持ち、アプローチ練習が疎かにならないようにしてもらうためです。実際にボギーオンできれば、それほどロングパットにはならないはずです。

 実はパット数44回は多すぎるのですが、「100切り」達成前のゴルファーにとって「上がり3ホールのOB」といった“事件”はつきものです。また「ロングパットの距離感が大事」と言ったところで、なかなか練習できる環境がない事も想定して多めにしました。

練習とコースで「当たる番手」は異なる

「100切り」と言っても、男性と女性で課題や練習&準備の内容は異なるはずです。

 スポーツ経験や体力がある若い男性ゴルファーの場合が、やはりティーショット&セカンドショットでトラブルをどこまで回避できるか? が大きなポイントになると思います。

練習では好き嫌いなく打っておいて損はないが、コースでは「今日は当たる」ことが重要。どんな「事件」が起きるか予想できない番手は「使わない勇気」も必要
練習では好き嫌いなく打っておいて損はないが、コースでは「今日は当たる」ことが重要。どんな「事件」が起きるか予想できない番手は「使わない勇気」も必要

 ここで「コースマネジメント」と言ったところで、そもそも狙った所に打てる自信も毎回ショットが当たる確信もないわけですからナンセンスです。また、男性ゴルファーの多くは「アプローチは苦手だけどなぜかバンカーは出る」ケースもあるので必ずしもバンカーを避けるマネジメントを勧められないこともあります。

 多くの初心者ゴルファーが経験するアウトサイドイン軌道を助長する場合も考えられるので、バンカーの練習をする時間や環境があるなら10〜30ヤードのアプローチを少しでもやっておいた方が現実的でしょう。

 女性ゴルファーの場合は腕っぷしや経験不足が原因で「バンカーから一発脱出出来ない」な方がたくさんいます。一般営業のコースでは、必ずしもバンカーの状態が良いわけではないので、「とにかく避ける」ことが女性ゴルファーには必要。

 ですが、セカンドショットを短い番手で打てない女性ゴルファーにとって、実際には難しいコースマネジメントになってしまいます。もし女性ゴルファーがラウンドするならトータル距離5200ヤード以内で、バンカーが少ないゴルフ場を選ぶことも大切です。

 スイングや球筋の話はないの? と思った方もいるのではないでしょうか。

 当てる準備や曲がらないスイングなど、無数にある対策は普段の練習で準備するしかありません。しかも、練習どおり行かないのがコースラウンドですから、練習では長い番手も打っておきつつ「コースで難しい番手は使わない」くらいの心の準備が必要になります。

 今回は個々のローカルな対策ではなく全体的な「100切りビジョン」として、考えてみました。基本的には、

1.その日の当たる番手で1打目&2打目を頑張ってアプローチできる距離まで近づく2.アプローチは1回でなんとかグリーンに乗せる3.OKをもらえそうな「距離感最優先」でパターを打つ4.トラブルが起きてもヘコまない&最後まで諦めない

 以上を意識して「100切り」という大きな壁を乗り越えてほしいと思います。すでに「100切り」を達成している方も、当時を思い出して温かい目で応援して下さい。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。

猿場トール