ゴルファーは、様々な「選択」をしなければいけない。その中でも重要なのが「クラブ選び」。「ヘタクソは何を使ったって一緒」「100切るまでクラブに頼るな!」などといわれることがあるが本当なのか。筒康博ヘッドコーチ立会い&解説のもと、 “最新モデル”を購入し100切りを目指すゴルファーのラウンドに同行した。

「新品クラブは初心者に必要ない」は昔の話?

 ここ数年ゴルフクラブ購入動向を調べると、必ずしも“最新モデル”をベテランゴルファーが購入し、若い初心者ゴルファーが「中古クラブの寄せ集め」や「スターターセット」を購入しているとは言い切れない傾向があります。

 昔なら「新品クラブは初心者に必要ない」や「100切るまでクラブは何を使っても一緒」など、ベテランゴルファー達の「持論」が強かったですが、今は「自分で新しいクラブを購入してゴルフとしっかり向き合いたい」意思を持つ若いゴルファーも多いです。

人気メーカーの“最新モデル”を購入すればスコアの壁を破れるのか!?
人気メーカーの“最新モデル”を購入すればスコアの壁を破れるのか!?

 現代ゴルファーは人気メーカー“最新クラブ”の情報をネット検索できて、じっくり試打や相談することもできます。「外野」である周りのゴルファーが、ビギナーや100切りを目指すゴルファーに個々の「持論」を押し付けても、彼らの合理的な上達志向は止められないと思います。

 なので、クラブで解決したい方、レッスンで上達したい方それぞれに「傾向と対策」をきちんと提案し自らで選択できるような環境作りをしてあげています。

ビギナーだって「ドライバー」は重要

 100切りの壁を人気メーカーの最新モデルを購入することで突破しようと選択したMさん。彼はじっくり試打を重ね、キャロウェイゴルフ「ローグST MAX」ドライバーをカスタムシャフト「SPEEDER NX」装着で購入しました。

「型落ちの中古ドライバーも不満があったワケじゃなかったのですが、人気モデルってどうなんだろう? 思って試打してみたら、すごく気持ちよく打てたんです。でも、初心者の分際でクラブに頼るのもよくないかな、と迷いながらも試打してみました。弾道結果も好結果だったので思い切って購入してみました。自信が無いまま練習やラウンドを繰り返して結果が出ないのも時間のムダかな、と。ラウンドでどうなるのか? 心配ですが」(Mさん)

キャロウェイ「ローグST MAX」ドライバーのティーショットは、平均20ヤードほど前に飛んでくれたことでセカンドショットの負担が少なくなった
キャロウェイ「ローグST MAX」ドライバーのティーショットは、平均20ヤードほど前に飛んでくれたことでセカンドショットの負担が少なくなった

 新調ドライバーでの初ラウンドがスタート。「想像どおりうまくいかないのもゴルフ」と筒コーチが言うとおり、いつものスライスボールでティーショットは右へ。しかし、行ってみるとユーティリティーでなんとか近くまで打てそうな距離まで飛んでいました。

「ミスの感触からすると、前のクラブならもっと手前だったかも。緊張してコスってしまいましたが、いつもより20ヤード位は前に飛んでいる気がします」(Mさん)

 ラウンドを通して“最新ドライバー”がいつも真っすぐナイスショットする訳がありません。しかし、新調したクラブは、ミスを最小限に防ぎ平均飛距離を大幅に引き上げ、セカンドショットの負担を軽くしてくれました。

 筒コーチは「1回の試打で衝動買いせず、じっくり自分の傾向を確認しながらクラブを選べたことが大きい」と解説。

やっぱり「グリーン周り」でスコアが決まる

 もう一つ、Mさんはタイトリスト「ボーケイ SM9」ウェッジを投入していました。

 ラウンド頻度が多いわけではないMさんにとって、セカンドショットが毎回グリーンに乗るという、夢みたいなことは起きるワケもなく、「やはりアプローチとパターが大事」と購入しました。

大叩きのピンチも、タイトリスト「ボーケイ SM9」ウェッジに何度も救われた
大叩きのピンチも、タイトリスト「ボーケイ SM9」ウェッジに何度も救われた

 タイトリスト「ボーケイ SM9」は、プロアマ問わず大人気のウェッジシリーズで「決して上級者しか使えないモデルではなく、ウェッジショットを快適にするモデル選びもできます」(筒コーチ)

 夏のゴルフ場では10〜50ヤードのウェッジショットは簡単ではありませんが、バンカーやラフからグリーンオン。なんと寄せワンを3回取ることができました。

「前に使っていたセット物のウェッジよりも、私の場合はインパクトの強さを感じながら打てたショットが何回かありました。距離の遠いバンカーショットも1回で出せたのは大きいです」(Mさん)

 ラウンド振り返ってみると、いつもより平均飛距離が出て曲がりを抑えられたティーショットと、比較的短いパットが打てる所までアプローチで運べたことで100切りを達成。“最新モデル”購入後の初ラウンドは、なんとベストスコアを9打更新することに。

 筒コーチは「ある程度セカンドが届く所まで運べるティーショット(ドライバー)が打てたことと、途中でミスが出てもグリーン周りでカバーできるクラブ(ウェッジ)があったことが大きいと思います」と分析。

 人気メーカー“最新クラブ”は、中上級者のためだけに存在していると決めつけてしまうのは早計なのかもしれません。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。

猿場トール