ダウンスイングでのタメをカン違いすると、体がスムーズに回らず飛距離が伸びません。タメとは手首の角度であり、適正な角度をキープすることにより、パワーが貯まり飛距離アップにつながります。今回は正しいタメの作り方をマスターしましょう。

ワキを絞ってシャフトを立てるのがタメではない

 タメについて語る前に、みなさんはどのような形がタメだと考えていますか?

 ダウンスイングでワキを絞り、シャフトを立てた形でクラブを下ろしてくることだと思っているのなら間違いです。確かに、スイング中にそのような形になることはありますが、それは意識的に作っているものではありません。あくまでもスイングの一部を切り抜いた形なのです。

 最初からシャフトを立てた形を作ろうと意識すると、インパクトゾーンでヘッドが返らず、両手が目標方向に出たような形になります。スイング軌道自体もVの字になり、その結果、こすり球やシャンクといったミスが出ます。当然、飛距離アップは望めません。

ダウンスイングで左手首の角度が120〜140度になる形を作り、その角度を変えずに体を回すと正しいインパクトを迎えられる
ダウンスイングで左手首の角度が120〜140度になる形を作り、その角度を変えずに体を回すと正しいインパクトを迎えられる

 私が考えるタメとは、左手首の角度(左腕と親指の角度)を言います。ダウンスイングでこの左手首の角度をキープしたままクラブを下ろすことで、ハンドファーストの形でクラブが下りてきます。

 そのまま体を回転することで、低くて長いインパクトゾーンをつくることができるわけです。バックスイングで作ったエネルギーをボールにしっかりと伝えることができるので、飛距離アップにつながります。

 左手首の角度についてですが、両手が右腰の高さに下りてきたときにグリップエンドが左足元を指すぐらいのイメージです。数字にすると120〜140度ぐらいでしょう。ワキを絞ってシャフトを立てようとする人はこの角度が90度ぐらいになっているので要注意です。

胸をホールドして左手1本での素振りを行う

 ダウンスイングでタメを作ることができない人は、アドレスの際に骨盤が後傾していたり、バックスイングで右足股関節の上に上体が乗っていない人に多く見られます。

 バックスイングで重心が体のセンターよりも左にくると、右足股関節の上に上体が乗りません。そのままダウンスイングを行うと、キャストといって手首のコックを解く動きが生まれます。これだと左手首の角度は180度ぐらいになってしまいます。

左手1本でクラブを持ち、右手は左上腕の下に。胸をホールドしたままクラブを上げて下ろす素振りを行う
左手1本でクラブを持ち、右手は左上腕の下に。胸をホールドしたままクラブを上げて下ろす素振りを行う

 また、バックスイングで体重がツマ先寄りにあり過ぎると、ダウンスイングでは体が伸び上がる体勢になり、やはりタメを作れません。同様に、カカトに体重が乗り過ぎたバックスイングでも背中側に伸びた状態になるので、タメを作ることはできません。

 ドリルとしては、左手1本での素振りを行います。まずクラブを左手だけで持ってアドレスしましょう。右手は左上腕の下に通し、右手甲が左上腕の外側に当たるようにします。この形からバックスイングで左手を右腰の高さぐらいまで上げますが、このとき、グリップエンドは左足先を指します。あとはそこから体を回すことでダウンスイングを行うと、左手は勝手に前に出ます。左肩から腕までのL字をキープしたまま体を回すのがポイントです。

取材協力・Golf Brothers(東京都立川市)

【指導】川上優大(かわかみ・ゆうた)

1993年、東京都生まれ。12歳からゴルフを始め、2015年にプロ転向。16年にABEMAツアーの「ひまわりドラゴンカップ」で優勝。21年のファイナルQTで5位に入り、今季はレギュラーツアーを主戦場とする。父が開設したインドアゴルフ練習場『Golf Brothers』で時間があるときはレッスンも行っている。

山西英希