女子ツアーをインターネットで観戦するようになった人も多いと思います。ライブ中継を見ていて感じるのが、プレー進行の遅さではでいでしょうか? 昔より明らかに時間がかかるようになったのには、どういった要因が考えられるのでしょうか?

グリーン上で使う時間がめちゃめちゃ長い

 女子ツアーのゴルフ5レディス最終日を試合会場のゴルフ5カントリーオークビレッヂで観戦してきました。

 トーナメント観戦は新型コロナウイルスの流行以降、しばらく機会がありませんでしたから、2019年以来3年ぶりでした。

 女子ツアーは2021年10月からGOLFTVでインターネット配信を開始しました。2022年からDAZNでも視聴できるようになりましたから、最近はもっぱらインターネットのライブ配信で楽しんでいました。

グリーンで費やす時間が昔よりも明らかに多くなっている女子ツアー 写真:AC
グリーンで費やす時間が昔よりも明らかに多くなっている女子ツアー 写真:AC

 かつては最終日の15番ホールくらいから地上波の録画中継でしか見られなかった女子ツアーが、予選ラウンドからライブ配信で視聴できるなんて素晴らしい時代になりました。

 ただ、それと同時に気になることが出てきました。それは選手たちのプレー速度です。2000年代ごろまで女子ツアーはハーフ2時間、1ラウンド4時間くらいのペースで進行していたと記憶しています。それが最近は早くても1ラウンド4時間30分、遅いと5時間かかっています。

 1ラウンド4時間30分であればハーフ2時間15分なので、そんなに遅くないと思われるかもしれませんが、女子ツアーの試合は3サム(3人1組)の10分間隔か2サム(2人1組)の8分間隔でスタートしています。

 その人数でプレーしていて、しかもほとんどの選手が60〜70台で回る中、1ラウンド4時間30分から5時間近くかかるのは、さすがにちょっと時間がかかり過ぎです。

 もちろん2000年代前半と比べてコースの総距離が伸びているということはありますが、2010年ごろまではもう少し早いペースで進行していた気がします。何が原因でそうなっているのか確かめようと現地に足を運びました。

 1番ホールのグリーンと2番ホールのティーイングエリアでいろんな組のプレーを見ていたところ、グリーン上で使う時間が昔の選手と比べて明らかに長くなっていると感じました。

 昔の選手はボールの後ろとカップの後ろからの景色で傾斜を判断し、ラインを決めてパットを打っていましたが、今の選手はボールとカップを結ぶ途中の傾斜も入念にチェックします。

 ライン全体をひととおり歩き、ラインをまたいだり、手の指をかざして傾斜を確認したりしていますから、パットを1回打つまでにめちゃめちゃ時間がかかります。

 それで1パットで入るかタップインの距離に寄ればいいのですが、1〜2メートルのオーバーやショートも起こりますから、次のパットも時間がかかります。

 彼女たちはストローク数が1打違うと賞金が数百万円違ってくる職業なので、1打を慎重にプレーしたいという気持ちは分かります。

 でも、PGAツアーの統計によると優勝へのパッティングの貢献度は平均で35%、グリーン以外のショットの貢献度は65%です(「ゴルフ データ革命」プレジデント社を参照)。時間配分を少し間違っているのではないかと感じました。

コースセッティングも時間がかかる原因の一つだった

 最終組が1番ホールを通過した後は、最終組と1組前を交互に行き来しながら観戦していたのですが、4番ホールで早くも渋滞が発生していました。このホールは207ヤードのパー3でパーオンが難しく、パーオンしてもピンと異なる面に乗った場合はグリーン上からウェッジで寄せる選手もいるほど複雑な形状になっています。

 4番ホールの渋滞を通過して5番パー4と6番パー5は比較的スムーズに流れましたが、7番パー4で再び渋滞発生です。こちらは304ヤードの打ち下ろしのパー4で、選手たちにワンオンを狙わせるセッティングになっていました。したがって、前の組がホールアウトしないと次の組がティーショットを打てません。

 一方で、ワンオンに成功する選手は少なく、バンカーにつかまってトラブルになるケースもありますから、時間がかかるのは仕方がありません。

 後半は13番パー5で再び渋滞発生です。474ヤードで2オンを狙わせるセッティングになっており、それが原因になっているようです。

 そして14番パー3も池に囲まれた縦長のグリーンの一番奥にピンが切ってあり、パーオンした選手もことごとく3パットするので、これまた時間がかかります。

 15番ホール以降は比較的スムーズに流れましたが、11時10分にティーオフした最終組がホールアウトしたのは16時30分。なんと5時間20分かかりました。

 今回、時間がかかったのはコースセッティングが一番の原因だと感じましたが、各所で渋滞が発生する遠因となっているのはパッティングの所要時間です。アマチュアゴルファーがあんなに時間をかけてラインを読んでいたらマーシャルが来て注意されます。

 海外メジャーを見ていても、外国人選手はあんなに時間をかけてラインを読んでいる印象はありません。日本人選手だけがガラパゴス化しているような気がするので、何とかしたほうがいいのでは、と感じてしまいました。

保井友秀