畑岡奈紗や古江彩佳、渋野日向子の活躍もあり、今年も注目度の高い米女子ツアー。そんな中でも、今週開催される「ウォルマートNWアーカンソー選手権」は、「最も日本選手と相性がいい大会」といわれています。

ディフェンディングチャンピオンは畑岡奈紗

 今週の米女子ツアーは米国・アーカンソー州のピナクルカントリークラブでウォルマートNWアーカンソー選手権が開催される。昨年、畑岡奈紗が優勝した大会なのだが、実は「最も日本選手と相性がいい大会」でもあるのだ。

 ウォルマートNWアーカンソー選手権は2007年に創設された比較的新しい大会だ。ただ、第1回大会は悪天候の影響で18ホールしか消化できず、競技不成立となっている。

昨年は2日連続のホールインワンを決めるなどした畑岡奈紗が、見事大会2勝目を挙げた 写真:Getty Images
昨年は2日連続のホールインワンを決めるなどした畑岡奈紗が、見事大会2勝目を挙げた 写真:Getty Images

 翌2008年からは順調に開催され、昨年まで大会の歴史は14回を数えている。会場はすべて今回と同じピナクルカントリークラブだ。

 では、この14年間でトップ10に入った日本選手を列記してみよう。

年度 選手  順位2008 宮里藍  4位2009 宮里藍  10位2010 宮里美香  3位2010 宮里藍  9位2011 宮里藍  3位2012 宮里藍  優勝2012 宮里美香  2位2013 宮里美香  3位2013 有村智恵  7位2015 宮里美香  2位2018 畑岡奈紗  優勝2021 畑岡奈紗  優勝2021 笹生優花  4位 

 日本選手は3勝を挙げ、トップ10は13回を数えている。米女子ツアーの同一大会3勝は日本開催を除けば先週開催されたポートランドクラシックと並んで最多である。

 日本選手はのべ57人出場しているからトップ10率は22.8%にのぼる。これは2008年以降で区切るとのべ20人以上出場した大会で最も高い数値なのだ。

 最多勝でトップ10率も最高。これがウォルマートNWアーカンソー選手権を「最も日本選手と相性がいい大会」と呼ぶ根拠である。

2012年には“W宮里”による優勝争い

 これまでの日本選手の活躍を振り返ってみよう。最初のハイライトは2012年だ。

 宮里美香が2位、宮里藍が4位で迎えた最終日、2人がともにスコアを伸ばし、まず美香が単独首位に躍り出る。後半、伸び悩んだ美香を藍が逆転。ただ、藍は17番をボギーとして一時はアサハラ・ムニョスを含む3人が首位に並んだ。

2012年、米ツアー通算9勝目で結果的に最後の優勝を「ウォルマートNWアーカンソー選手権」で挙げた宮里藍 写真:Getty Images
2012年、米ツアー通算9勝目で結果的に最後の優勝を「ウォルマートNWアーカンソー選手権」で挙げた宮里藍 写真:Getty Images

 1組先を行く藍は18番をバーディー締め。通算12アンダーの1打差首位でホールアウトした。最終組の美香は決めれば日本選手同士のプレーオフという3メートルほどのバーディーチャンスをつくったが、決めきれなかった。

 藍が先輩の貫録をみせて米女子ツアー通算9勝目、結果的に最後となる優勝を果たした。美香はムニョスと並んで1打差2位だった。

 2018年には当時19歳の畑岡奈紗が米女子ツアー初優勝を日本選手最年少で飾っている。通算13アンダー、ミンジ・リーと並ぶ首位で最終日を迎えた畑岡は8バーディー、ボギーなしの63を叩き出し、6打差の圧勝。3日間通算21アンダーは大会新記録だった。

 そして昨年は初日11番パー3で、2日目には6番パー3で2日連続ホールインワンを達成した畑岡が首位に並んで最終日に入った。同じく首位はくしくも3年前と同じミンジ・リーだった。

 最終日、畑岡は1、2番で連続バーディーを奪って抜け出し、最終的には1打差でミンジ・リーらを抑えて米女子ツアー通算5勝目を挙げている。また、最終日に2イーグルを奪って65と猛追した笹生優花が2打差の4位に入った。

 ピナクルカントリークラブは高い木にセパレートされ、ドッグレッグしたホールが多い。コース内のあちこちを流れる小川も攻めるポイントを一層絞っている。飛距離よりも正確性としっかりした戦略が重要なコースで、そういう点が日本選手に合うのかもしれない。

 今年はディフェンディングチャンピオンの畑岡をはじめ、渋野日向子、古江彩佳、笹生優花、上原彩子、野村敏京と計6人が出場予定。渋野と古江は初出場だ。

 上原と野村は、トップ10入りはないが上原が2013年、野村が2016年にそれぞれホールインワンを達成している。昨年の畑岡を含めて計4回。同一大会における日本選手のホールインワン回数で最多だ。こんなところにも相性の良さが表れている。

 今年は誰が話題を提供してくれるのか。日本選手同士の優勝争いも十分に期待できそうだ。

宮井善一