日本で唯一行われる米女子ツアー公式戦「TOTOジャパンクラシック」。この大会、本場のプレーや優勝争いにはもちろん注目だが、それ以外にも渋野日向子と古江彩佳が「ある日本人初の記録」にも目が離せないといいます。

渋野と古江がルーキーイヤーでの100ドル突破を目指す

 今週は日本開催の米女子ツアー・TOTOジャパンクラシックが行われる。米女子ツアールーキーの渋野日向子も、もちろん参戦。目指すはシーズン100万ドル突破だ。

 米女子ツアー参戦1年目の渋野のここまでの成績は21試合の出場で優勝はなく、予選落ちと棄権がほぼ半数の10試合。本人も周囲も、満足できるものではないだろう。

 それでも今季獲得賞金は96万4826ドルにのぼり、賞金ランキング25位につけている。日本円に換算すると1ドル147円計算で約1億4183万円。国内ツアーでこれより多いのは賞金ランキング1位の山下美夢有だけだ。

予選会経由としては日本人初の「ルーキーイヤー100万ドル突破」を目指す渋野と古江 写真:Getty Images
予選会経由としては日本人初の「ルーキーイヤー100万ドル突破」を目指す渋野と古江 写真:Getty Images

 同じくルーキーですでに米女子ツアー初優勝を飾り、しかも予選落ちが3試合のみという安定した成績を残している古江彩佳は82万4068ドルで28位。なぜ未勝利で予選落ちも多い渋野が古江より上位にいるのか? それは、メジャーでの成績が大きく影響しているからである。

 最も大きいのが全英女子オープンでの3位だ。この時の賞金は48万8285ドルだった。古江がスコットランド女子オープンで優勝した時の賞金は30万ドル。古江の優勝賞金より全英女子オープンの3位のほうが、はるかに高い。

 渋野はシェブロン選手権の4位でも19万5295ドルという小規模の試合の優勝とそん色ないくらいの高額賞金を獲得。この2試合だけで総額の約7割にあたる68万3580ドルを稼ぎ出している。その結果、100万ドルまであと3万5000ドル余りに迫っているわけだ。

 さて、シーズン100万ドルプレーヤーは賞金額が高騰している現在では以前ほどの価値を持たなくなったかもしれない。昨シーズンは15人が100万ドルプレーヤーとなり、今シーズンはすでに22人が100万ドルを超えている。それでも、トップクラスのひとつの証であることは変わりないだろう。

日本人の米ツアー100万ドルプレーヤーは過去5人

 日本選手でこれまで100万ドルプレーヤーとなったのは宮里藍、宮里美香、野村敏京、畑岡奈紗、笹生優花の5人。第1号は宮里藍で2009年のことだった。

 この年、米女子ツアー初優勝を飾った宮里藍は出場22試合中トップ10が13試合、予選落ちゼロという抜群の安定感で151万7149ドルを稼ぎ出し、賞金ランキング3位に入った。この後、2012年まで4年連続でシーズン100万ドルを達成している。

 最も稼いだのは昨シーズンの畑岡で190万1081ドル。賞金ランキングは3位だった。畑岡は今シーズン、3度目の100万ドル突破を果たし、現在133万9873ドルで賞金ランキング11位につけている。

 ルーキーイヤーでいきなり100万ドルを超えたのは昨シーズンの笹生1人だけ。笹生は全米女子オープン優勝の資格でツアーメンバーとなったのだが、その優勝賞金100万ドルも賞金ランキングに加算されている特殊な例である。ツアーメンバーになってからの獲得賞金は51万7876ドルだった。

 渋野や古江を含む大多数の選手はツアー出場権をかけた予選会をクリアすることでツアーメンバーの資格を得る。予選会経由の日本選手では1年目で100万ドルを超えた例はない。最も早くて畑岡の2年目である。宮里藍と宮里美香は4年目、野村は6年目で初めて100万ドルに達している。ルーキーの渋野、古江が100万ドルに達すると、予選会経由の日本選手では初の快挙となるわけだ。

 渋野がTOTOジャパンクラシックで100万ドルに達する目安は11位。古江も2位以内に入れば可能性ありだ。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で国内ツアー単独開催だった昨年のTOTOジャパンクラシックは古江が優勝で、渋野は7位だった。会場は今年も同じ滋賀県の瀬田ゴルフコースである。

 3年ぶりに米女子ツアーとの“共催”となる今回は賞金ランキング1位に立っているミンジ・リー(オーストラリア)やルーキーながら2勝を挙げているアッタヤ・ティティクル(タイ)ら強豪が参戦する。その中で快挙は達成されるのか、注目だ。

宮井善一