スコアの半分近くを占める「パッティング」。となると、プレー時間を大きく左右するのがグリーンの速さになってきます。そこで、グリーンスピードやピン位置などのセッティングと、ゴルフ場の営業方針の関係について調べてみました。

グリーンが速いとプレーに時間がかかる

 10月下旬にラウンドしたゴルフ場のグリーンが速くてビックリしました。下りのパットを何気なく打ったら5メートル以上オーバー、こんなに速いグリーンは今年初めてかもしれないと感じました。

 多くのゴルフ場ではマスター室前にグリーンの速さ(スティンプメーター○フィート)を掲示しています。数字が大きいほどグリーンが速くなります。

 この日は確か9.5フィートでしたが、そう言えば最近は8フィート前後で営業しているゴルフ場が多い気がします。

多くのゴルフ場ではマスターする付近に「本日のグリーンコンディション」が掲示されている
多くのゴルフ場ではマスターする付近に「本日のグリーンコンディション」が掲示されている

 このところゴルフ場の来場者数が増えており、その中には初心者も多く含まれています。初心者がグリーン上で苦戦するのが下りのパットです。上りのパットは距離感をそれなりに合わせることができますが、下りのパットはボールが転がるスピードと曲がり幅をイメージするのが難しいです。

 下りのパットが強すぎると、カップを大オーバーしてファーストパットよりもセカンドパットのほうが長い距離を打たなければならないこともあります。このようなパットを“ノーカンパット”と言います。

 ファーストパットが大オーバーしても、返しのパットがカップの近くに寄れば大ケガにはなりません。しかしセカンドパットもオーバーして下りのパットが残ると、1メートルでも油断できません。それを外すとカップの上下を行ったり来たりする “往復ビンタ”と呼ばれる状況に陥ります。

 グリーンの速さは一般的に、速いとコンディションがよく、遅いとコンディションが悪いと判断される傾向があります。しかしながら、初心者は速いグリーンだとなかなかカップインしません。

 同伴競技者が適度なタイミングでOKを出してあげればいいのですが、OKを出さないと4パット、5パットの危険性が高まります。秋から冬にかけてのゴルフ場は日没との戦いですから、1組ごとのプレー時間を短縮するため、グリーン上で時間がかかり過ぎないようにスピードをほどほどに抑えています。

ピンポジジョンもプレー進行に影響を及ぼす

 グリーンが速いゴルフ場に行ったのが平日だったこともあり、グリーンのスピードに加えてピンポジションの設定にも営業方針が表われていることをあらためて実感しました。

 ゴルフ場は基本的に土日の来場者が多く、平日の来場者は少なめです。したがって土日のほうがコース内で渋滞が発生しやすくなります。そのためゴルフ場は土日の進行をいかにスムーズにするかを第一に考えて営業を行ないます。そうすると土日はグリーンの速さを抑え、ピンポジションもやさしめになります。

グリーン上でのスムーズな進行がそのまま1ラウンドのプレー時間短縮に直結する 写真:unsplash
グリーン上でのスムーズな進行がそのまま1ラウンドのプレー時間短縮に直結する 写真:unsplash

 一方、土日のピンポジションをやさしくすると、たくさんのゴルファーに踏まれたエリアを平日に休ませなければなりません。必然的に平日のピンポジションは難しくなります。

 このとき行ったゴルフ場はビジターの受け入れを積極的に行なっておらず、プレースタイルもキャディーつきプレーとセルフプレーの選択制でした。進行が大幅に遅れるリスクが少ないので、ゲーム性を高めるためにグリーンのスピードを速くしているのだと思います。

 さらに平日なのでピンポジションが難しく、下りのラインにつけるとグリーンの外までこぼれ落ちてしまうのではないかという急傾斜にカップを切ってあるホールもありました。その2つの要因でグリーンがいつも以上に速いと感じたのでしょう。

 グリーンは遅いよりも速いほうが戦略性は高まるのでしょうが、この1〜2年でゴルフを始めた人が増えている現状を考慮すると、あまり速くしすぎないほうがいい気がします。

 もちろん競技志向の強いゴルファーが多く訪れるゴルフ場では、それに応じたセッティングが必要かもしれませんが、ビジターの来場比率が高いゴルフ場ではグリーンの速さを抑えるセッティングが今後の主流になりそうです。

保井友秀