「20球やそこら練習したところで変わらないだろう」などと考えて、スタート前のショット練習を省略するゴルファーも少なくないですが、果たしてそうなのでしょうか?
スタート前にショット練習をするのは「ミスの傾向を知るため」
ラウンドの日は道中のトラブルによる遅刻などを避けたりプレーの準備などに余裕を持つために、スタートの1時間前までにクラブハウスに到着しておくのが慣例となっています。

大半のゴルファーはスタート前には最低限パッティングの練習をして、グリーンの転がり具合をチェックするなどして過ごします。
また、多くのゴルフ場には打球練習場(ドライビングレンジ)が併設されていますが、クラブハウスから離れていて移動が億劫だったり時間に余裕がなかったりすると、「20球やそこら練習したところで変わらないだろう」などと考えて、ショット練習を省略してしまうゴルファーも少なくないようです。
やはり、スタート前のショット練習は、できる環境なら必ずしておくべきなのでしょうか? レッスンプロの関浩太郎氏は以下のように話します。
「ラウンド前のショット練習は、必ずするべきだと思います。たまに、体を温めるためにショットの練習はした方がいいと考えているゴルファーがいますが、体をほぐすだけなら素振りでも十分可能です」
「あえてショットの練習をするのは、『その日に出やすいミスの傾向を把握するため』です。ミスショットがまったく出ない絶好調の日のほうが珍しいわけですから、必ずその日のコンディションに応じて出やすいミスはあります」
具体的にはどのような部分を確認しておくべきなのでしょうか?
「ミスの傾向には、ボールが上下左右どちらに飛びやすいのか、ダフリやトップが出やすいかなどがあります。『今日はダフリが少し多いな』と感じたら、いつもよりクラブを短く持つようにする、『スライスが多いな』と感じたら、いつもよりフックグリップに変えてみるなど、スタートホールまでに微調整を行うと当然スコアは変わってきます」
その日のコンディションを知るためには20〜30球あれば十分

スタート時間まで余裕があると、どうしてもボールを打ちすぎてしまうゴルファーもいますが、打ちすぎるのは良くないのでしょうか?
「ラウンド前にボールをたくさん打ちすぎてしまうと疲れてしまうので、あまりお勧めはできません。その日のコンディションを知るのであれば、20〜30球あれば十分なので、ワンコイン分打つくらいで十分です」
「打つ番手については、長いクラブ(ドライバー)、中間のクラブ(ミドルアイアンなど)、短いクラブ(ピッチングなど)で大まかな調子を確認するのが良いです」
「パターやアプローチも同様に、朝イチで練習を行った上で、出やすいミスを把握しておくことがスコアアップにつながります」
このように、スタート前にショットの練習を行うことによって、コンディションに応じた対策を講じることができますが、ショットの練習を行わずにスタートを迎えてしまうと、ラウンドの中で自身の調子を把握していくことになるので、スタートホールからベストパフォーマンスを発揮するのは難しくなります。
関氏は、「良いスコアを出すためには、当然ながらそれなりの準備と対策が必要です」と話します。なんとなくの流れでスタートを迎えてしまっているゴルファーは、朝の過ごし方を意識してみるとスコアを良くすることができるかもしれません。
ピーコックブルー