かつてゴルファーがサービスエリアに集合して1台に乗り合わせ、他の車を放置してゴルフ場に向かう「相乗り駐車」が問題になったことがありました。NEXCO東日本に現状を聞くと、それよりも注意すべき法令違反が浮かび上がってきました。

車両を放置したままSA、PAから立ち去ることは禁止事項

 高速道路に設置されたサービスエリア(以下SA)で「相乗り駐車」がかつて問題になったことがあります。SA内の商業施設は人がまばらなのに駐車場が満車になるというのです。

バブル期は車で3時間かかるゴルフ場でプレーすることも珍しくなかったため、「相乗り駐車」はよく見られた現象でした(写真はイメージです)
バブル期は車で3時間かかるゴルフ場でプレーすることも珍しくなかったため、「相乗り駐車」はよく見られた現象でした(写真はイメージです)

「相乗り駐車」とは、複数台の車で高速道路のSA(上下線の駐車場を行き来できる“集約型”)に集合し、1台の車に乗り換えてSAを離れることです。ほかの車はそのままSAの駐車場に置きっ放しにすることからそう呼ばれているようです。

 高速道路のSAはすべてのドライバーにとってなくてはならない施設ですが、特にゴルファーの利用機会は多いように思います。ガソリン代や高速料金を浮かせるため、あるいは交代で運転をするために「相乗り駐車」を行うゴルファーの話を昔はよく耳にしましたが、最近もいるのでしょうか。

「ゴルフをする方の“相乗り駐車”が問題になっているということは、特にありません」というのは、東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)広報課の寺田鈴香さんです。

 そもそも「SAやパーキングエリア(以下PA)は、高速道路を利用されるお客様の休憩等を目的とした施設です。それ以外の目的による長時間駐車はご遠慮いただいております」(寺田さん・以下同)。

 SAには利用のルールが定められていて、いくつかの禁止行為が挙げられています。まず気になったのは、「長時間にわたる駐車」に関する項目です。

 ただ、この点については、昨今SA内にホテルが併設されているケースもあります。また入退場の時間制限も設けられていいないため、数時間の駐車について禁止されてはいないようです。

 それよりも、もしゴルファーが「相乗り駐車」を行うとしたら間違いなく抵触するであろう項目は「車両を放置したままSA、PAから立ち去ること」です。

 1台の車に乗り換えてゴルフ場へ行く場合、あとの車は所有者が離れた状態で放置されてしまいます。

 そういう車が複数台あると、小さめのSAだったら冒頭の例のように駐車場が満車になることもあるでしょう。食事やトイレや仮眠をとるために休憩しようとSAに立ち寄った人が困ってしまうのは目に見えています。トラブルの原因にもなりかねません。  また放置された期間によって措置が取られることもありますので、SAには決して車を置きっ放しにしないことです。

ウォークインゲートはあくまで商業施設を利用する人のためのもの

現在のガソリン価格は落ち着いているものの、再び上昇することになればゴルフ場への交通費は馬鹿になりません(写真はイメージです) 写真:AC
現在のガソリン価格は落ち着いているものの、再び上昇することになればゴルフ場への交通費は馬鹿になりません(写真はイメージです) 写真:AC

 ところで最近、一部のSAでは、高速道路を走行しなくてもSAの施設を利用することができるようになりました。一般道との出入口であるウォークインゲートが設置されているSAがあるからです。

 ウォークインゲートは高速道路ではないからと気軽に入り、SA内で高速道路を走って来た仲間と待ち合わせをしようと画策する人もいるのではないでしょうか。

「ウォークインゲートは、高速道路の外部からSA、PAの商業施設を利用されるお客様のために設置しています。高速道路上の車と乗り合わせる行為はご遠慮ください」

 気軽に考えているかもしれませんが、この行為はみだりに自動車専用道路や高速道路に立ち入ることを禁じた道路法48条の11や高速道路自動車国道法17条に抵触するおそれがあります。

 では、徒歩で高速道路上にある高速バスのバス停に入って待ち合わせることはできるのでしょうか。

「高速道路は原則として駐停車禁止です。例外として、バスなどの乗合自動車が乗客を乗降させるために停留所に停車することは認められていますが、一般のお客様が停留所を待ち合わせや乗合に利用したり駐停車する行為は認められていません」

 高速道路に立ち入ることや駐停車することが禁じられているのは、危険だからです。絶対にしてはいけません。

「ゴルフやスポーツで高速道路を利用されるときは、朝眠かったり、帰りは疲労したりすることと思いますので、十分気をつけて運転をお願いします。疲労や眠気を感じたら近くのSAやPAで休憩を取ってください」

 SAはゴルファーのためだけにあるのではなく、高速道路を利用するドライバーや同乗者が休憩するための施設です。集合場所まで車で向かって相乗りをする場合は、高速道路に入る前の駐車場に車をとめて一般道や駅などで待ち合わせをしましょう。

野上雅子