健康維持のためにゴルフをしている人は多いと思いますが、コースでケガをしてしまっては元も子もありません。これから冬場に向けて転倒などのケガが増えてくるので、改めてゴルフ場でケガしやすい場所を把握しておきましょう。
トーナメント観戦で足を滑らせて転ぶ人を何人も見かけた
樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメントの初日を武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)で観戦した際、傾斜地で足を滑らせて尻もちをつく人を何人も見かけました。
幸いにもみなさんケガをすることはなく、恥ずかしい思いをしただけで済みましたが、ゴルフ場の斜面は滑りやすいことをあらためて認識しました。
普段のラウンドとは違い、トーナメント観戦ではギャラリーがフェアウェイを歩くことはできませんから、基本的にカート道かラフを歩きます。
武蔵丘ゴルフコースは適度なアップダウンがある丘陵コースです。したがって特定の選手に同行しながらプレーを見るなら、ギャラリーもアップダウンのある傾斜地を歩かなければなりません。

この大会は渋野日向子選手が5カ月ぶりに日本の試合に出場しましたから、初日から5587人ものギャラリーが会場に押し寄せました。ほとんどのギャラリーは渋野選手のプレーを一目見ようと足を運んでいるため、渋野選手の組は常に何重もの人垣ができていました。
そうなると小柄な人や後列の人は選手の姿が見えません。少し高いところに上がると選手の姿が見えますから、ギャラリーは選手の位置を確認しながら、見やすそうな場所を探して斜面をよじ登ります。
トーナメント観戦なのでほとんどの人が歩きやすいシューズを履いているのですが、ゴルフシューズではありませんから普段のラウンドとは勝手が違います。スパイク着用時のように斜面を駆け上がろうとすると、足を滑らせて尻もちをついてしまいます。
ボランティアスタッフが「大丈夫ですか?」と声をかけると「大丈夫です」と答えるものの、お尻の痛さと恥ずかしさで、選手を見たかったはずなのに逃げるようにその場から立ち去りました。
ラウンド中も斜面で足を滑らせてケガをするケースがある
そもそもゴルフ場はソフトスパイクやスパイクレスシューズを履いていても滑りやすい場所です。
初心者のうちはショットが曲がりますから、ホールの左右の急斜面にボールが飛んでいくことがしょっちゅうあります。
そんなときはほとんどの場合、2打目を最初に打たなければなりません。クラブを2〜3本持って、急いで斜面をよじ登ります。靴の裏が地面にしっかりと食い込んでいないうちに次の一歩を踏み出そうとすると足を滑らせて転んでしまうことがあります。

ホールの両サイドの急斜面だけではなく、ティーイングエリア周辺の斜面も注意が必要です。階段があるのに近道をしようと斜面を登ったり降りたりしている最中に足を滑らせてケガをしたゴルファーの話を何度も聞いたことがあります。
特にこれからの季節は気温が下がり、地面が凍ることもありますから、他の季節よりも慎重に歩いたほうがいいです。
それとゴルフ場で滑りやすい場所がもう一つあります。それは風呂場です。ゴルフ場の風呂場は特別な石を敷いてあるからなのか、やたらと滑りやすいことがあります。慎重に歩いているのに片足が滑って冷や汗をかくことがあります。
風呂場で滑って転んだおじさんを実際に見たこともありますが、裸で床に体を打ちつけるのはかなり痛そうでした。
ゴルフはハードなスポーツではありませんから、他のスポーツよりもケガのリスクは少ないですが、油断するとケガをする可能性があります。
健康維持のためにゴルフをしているのに、ラウンド中にケガをしてしまい、しばらくゴルフができなくなった人の話を聞くことも本当によくある話です。
コース内を歩いているときも、乗用カートに乗っているときも、クラブハウスに戻ってからも、どんな場面でもケガをするリスクはありますから、プレーファストを心がけながらも安全第一でラウンドを楽しんでほしいです。
保井友秀