三菱レイヨンからディアマナブランドで登場したウェッジ用の「Diamana Thump Wedge(ディアマナサンプ ウェッジ)」。ほとんどの人がリシャフトすることなく使用しているウェッジですが、専用カーボンシャフトを装着するとどのような効果があるのでしょうか。
フォーティーン「RM-4ウェッジ58度」で試打
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。三菱ケミカルといえば「Diamana(ディアマナ)」や「TENSEI(テンセイ)」という、人気のカーボンシャフトを販売していますが、実はけっこう前から「Diamana Thump(ディアマナサンプ)」というアイアン用シャフトを販売しています。
そのシリーズに新しくウェッジ用の「Diamana Thump Wedge(ディアマナサンプ ウェッジ)」というウェッジ専用のシャフトが追加されました。アイアンシリーズはけっこうシッカリしたハード目のシャフトというイメージなのですが、ウェッジ用はどのような味付けになっているのでしょうか? さっそくコースで試打してきました!

新しく発売された「ディアマナサンプ ウェッジ」は重量80グラム台の「85」から「95」、「105」、「115」の重量別に4種類のラインアップ。フレックスはひとつの重量に対してひとつだけなので、重さで選ぶことになります。カタログによるとキックポイントは「Wedge」と書かれているのですが、いったいどんな「しなり」なのでしょうか?
今回、僕が試したのは「105」。107.5グラムでトルク2.1ということです。フォーティーンのRM-4ウェッジ58度に挿しました。
デザイン的は少し光沢のある黒いペイントに、手元側にはおなじみの花柄がプリントされています。ロゴはリニューアルされた「Diamana」ロゴがプリントされており、他のシリーズと統一されたデザインになっていますね。
ボールを拾ってくれる動きをするのが特徴
さっそくボールを打ってみましたが、かなり中間部の動きを感じました。
切り返しで“グッ”と真ん中あたりがしなり、そこからインパクトに向かってヘッドが動きます。走るというほどスピード感があるわけではないですが、ヘッドがスッと前に行きますね。
最初は自分の感覚よりもヘッドが前に行くので、トップ気味の球が出ました。普段使っているスチールシャフトの感覚で打つと、自分が思っているよりも先にボールに当たる感じ。予想以上にシャフトが動きます。
切り返しの後に手首をリリースしたらヘッドが動き出すという感じがします。

シャフトの動きに慣れてくると、ボールをスッと拾ってくれる感じが気持ちいい。20〜30ヤードぐらいのアプローチでも、しっかりフェースにボールが乗り低めの球が出ます。そしてキュキュッとスピンがかかる。
何もしなくても勝手にスピンのかかるアプローチが打てちゃう。これはシャフトの動きのおかげですね。
ラフやバンカーからもイメージどおりに打てる
ラフからのアプローチでも、シャフトの動きが助けてくれます。センター付近は動きますが、手元側と先端は硬く仕上げてあります。従って、深めのラフでも当たり負けせずにヘッドが動いてくれます。
フルショットをしたときは、少し高めの球になりました。でも、勝手に上がってしまうような動きではなく、少し抑えた球を打つこともできました。動きは大きいけれど、コントロールはできました。

バンカーでもヘッドが走ってくれるので、スパッと砂を切ってくれるような感じでうまく打てます。ドスッと砂にヘッドが潜ってしまうミスにはなりにくいと感じました。
ただ、バンカーでも最初はヘッドが前に行き過ぎてハーフトップが出たので、これも慣れが必要ですね。
1ラウンド、様々な状況で使ってみましたが、カーボンシャフトならではの動きを感じました。シャフトの動きに慣れてしまえば、うまくボールを拾ってくれるので、やさしくアプローチができます。スピンもかなりかかりました。
あまりアプローチが得意ではなく、すぐにダフってしてしまう人や手が動かないイップス気味の人にはオススメ。ただ、これまでずっとスチールシャフトを使っていて、ボールを潰すようにアプローチする人には向かないシャフトだと思いました。
僕が使ったのは「105」ですが、少し重い「115」であれば、もう少しシャフトの動きは抑えられると思います。重めのスチールシャフトを使っている人は「115」あたりのほうが使いやすいかもしれません。
ぜひ、一度カーボンならではのしなりをウェッジで試してみてください。
野村 タケオ