年末年始はあまり動かずにおいしいものをたくさん食べて、久しぶりに乗った体重計の数字にショックを受けた人も多いのでは? 体重増加はゴルフにどのような影響を与えるのでしょうか。
体重増加はスイングの感覚を失ってしまう恐れがある
今年は久しぶりに行動制限のない年末年始となりました。実家に帰省をしたり、普段なかなか会えない友人と会食をしたりと、充実した日々を過ごした人も多いでしょう。
一方でダラダラと間食をはさみながら食べすぎてしまったりアルコールを飲みすぎてしまい、体重が増加してしまったゴルファーも多いかもしれません。

急激に体重が増加すると、ゴルフのスイングに何かしらの影響が出てくるのでしょうか。レッスンプロの三浦辰施氏は、自身の経験をもとに以下のように話します。
「実は僕は昔すごく太っていた時期がありました。プロになりたての頃は『日本一太っているプロゴルファー』と言われていて、体重は140キロぐらいありました。そこから76キロまでダイエットして落としました。痩せたらみんな笑うかなと思って(笑)」
「ただ、そのときはゴルフのトレーニングをしている過程の中で痩せていったので、特に打ちづらくなったり、飛距離が落ちたりなどの変化はありませんでした」
「しかし、去年から今年にかけては、業務が忙しかったり手術を受けたりで、また15キロくらい太りました。また、自分の練習やラウンドがほとんどできていなかったので、すごく打ちづらさを感じました。ゴルフをあまりプレーしていない状態で太ると体のキレがなくなり、スイングの感覚が変わってしまうことが今回身にしみて分かりました」
逆に、あえて体重を増やすことで、飛距離が伸びるなどのメリットはあるのでしょうか。
「体重増加によってドライバーの飛距離が伸びるなどとよく聞きますが、迷信だと思います。体重が急激に増加すると、体のキレがなくなるだけでなく、感覚の違いからクラブの使い方がおかしくなり、むしろ飛距離は落ちて曲がるようになるなどの現象が起こる可能性が高いです」
「プロが適切なトレーニングを行い、コンディションを維持する中で少しずつ体重を増やせば飛距離が伸びることもありますが、アマチュアの場合は、打ちづらくなることがほとんどでしょう」
無理に球を打とうとせず素振りを重点的に

では、体重増加が原因でスイングを崩したゴルファーは、どのようなことを意識して調子を取り戻していくのが良いのでしょうか。
「正月休みで10キロ、20キロ太る人はいないと思いますが、5キロくらい増えだけでも体のキレは落ちます。その状態で無理にボールを打とうとするとスイングがさらに崩れてしまう可能性があるので、まずは素振りを入念に行うのがお勧めです。ボールを打つよりも連続素振りや単発の素振りを繰り返しながら、体の感覚を取り戻していくことを優先しましょう」
また、増加した体重を逆手に取ることもできると三浦氏は話します。
「僕自身も経験がありますが、ダイエットを兼ねてゴルフの練習量を増やし、しっかりトレーニングをしながら痩せていけば、筋肉に変わっていきます。春先にベストコンディションにもっていくことを目標にしてはいかがでしょうか」
このように、体重の増加はゴルフのスイングに大きな影響を与えます。新年、なかなか調子が上がらないゴルファーは、まず素振りを重点的に行い、体を動かす機会を増やしていくと、本来のキレを取り戻すことができるでしょう。
ピーコックブルー