昨季は「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」を制するなど、ルーキーとは思えないような活躍で話題になった川崎春花。彼女の正確なアイアンショットを支えたのが「レクシア」というシャフト。早速、ゴルフイラストレーターの野村氏にインプレッションしてもらいました。
川崎春花の快進撃を影で支えたカーボンシャフト
みなさんこんにちは、ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。JLPGAの2022年シーズンが終わりましたが、ここ数年は新人選手の活躍が目覚ましいですね。特に、2022年は新人選手が結果を残したシーズンだったのではないでしょうか。
活躍した新人のなかでもすごかったのが川崎春花プロ。まずステップアップツアーで優勝し、レギュラーツアーでは「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」というメジャーを制し、その後に2勝目まで挙げています。おまけに12月の新人戦にも勝っちゃいました。いや〜恐ろしい活躍ぶりですね。

実はその川崎プロが使っているアイアンのシャフトが「LEXIA(レクシア)」という、あまり聞き慣れないものなんです。いったどんなシャフトなのでしょうか?
川崎春花プロが使っている「レクシア」というアイアン用のシャフトですが、「シンカグラファイト」というメーカーの商品なんです。あまり聞いたことのないメーカーかもしれませんが、ギアに詳しい人なら「LOOP」というシャフトシリーズを知っている人もいるかもしれません。伝説的な職人が作る高性能なカーボンシャフトをリリースしている地シャフトメーカーなんです。

そんなシンカグラファイトのアイアンシャフトが「レクシア」というシリーズなんですね。「レクシア」には重量別に50グラム台のIL5、60グラム台のIL6、70グラム台のIL7の3種類が用意されています。
どの重量帯も5〜7番用はLT、8番〜ウェッジ用がHVという名前になり、ロング・ミドル番手のLTでは高弾道・飛距離性能を追求、ショート番手のHVでは方向性と飛距離の安定性を実現しています。フレックスはワンフレックスとなっています。
カーボン特有の「頼りなさ」はまったく感じない
さっそくホンマのTW747Vxに挿して使ってみました。僕が使ったのは「レクシア」の中では一番重い「IL7」。
5〜7番用のLTが72グラム、8番〜ウェッジ用のHVが75グラムになっています。いつも使っているシャフトよりも少し軽いですね。川崎プロが使っているのもこの「IL7」です。
実際にコースで打ちましたが、カーボンシャフトの割には軽すぎる感じはなく、しっかり感があります。手元側に少し重みを感じ、頼りなさは全く感じないですね。

長い番手用のLTに関しては、大きいしなりは感じませんが、切り返しで少しまったりしたしなりがあります。インパクト付近ではヘッドがスッと動いてくれて、打ち出しは少し高めになりました。ロングアイアンでも意外にやさしく高弾道が打てます。
先端が動きすぎることもないので、予想外の球が出ちゃうようなことはないですね。飛距離に関しては、少し飛ぶかな? という感じです。
短い番手用のHVは、かなりのしっかり感があります。こちらも手元側には少し重みを感じ、しなりはかなり少ないですね。自分が思ったようにヘッドが動いてくれるので、方向性はとても出しやすい。やはりHVは飛距離よりも方向性と安定感重視でした。
スチールからの移行に違和感はなさそう
1ラウンド使ってみましたが、いい意味でカーボンシャフトを使っているような感覚はなかったですね。変なしなりはないし、しっかり感があり、打ち込んでいっても頼りなさは感じません。
打感はスチールと比較して少しマイルドになるので、そのあたりはカーボンシャフトのよさかもしれません。長い番手でも高弾道が打ちやすいし、少し飛距離も伸びました。

フェースのトウ側で打ってしまったときも、思ったよりも曲がりや飛距離の落ち込みも少なく感じたので、このあたりもカーボンシャフトの機能性の高さだと感じました。
ただ、やはり70グラム台というのは少しだけ軽いかな、と思います。僕は手が浮いてしまう悪いクセがあるので、軽いシャフトだとそれが出やすくなっちゃう気がします。80グラム台があれば打ってみたいですね。ヘッドスピード40〜42メートル/秒ぐらいなら、この「IL7」でも十分使えるような気もします。
ミスヒットでも飛距離のロスを最小限にしてくれる
今回は川崎プロが使用するシンカグラファイトの「レクシア IL7」を使ってみました。カーボンならではのよさがありながら、動きすぎることもなく、しっかりと打てるシャフトでした。
これならスチールからも移行しやすいし、打ち込むタイプのゴルファーでも使えますね。川崎プロがこのシャフトで何勝もしているわけですから、もちろん高性能なのは当たり前なんですけどね。
大手量販店などには置いていないシャフトですが、近くのゴルフ工房や試打会なので打てる機会があったら、ぜひ試してみてください。
そうそう、川崎プロはユーティリティーのシャフトもシンカグラファイトの「LOOP」を使っているので、同時に試してみてくださいね。
野村 タケオ