ゴルファーなら誰しも「飛ばしたい」、でも「曲げたくない」と常に頭を悩ませているはず。ゴルフは飛距離か? それとも方向性か? どちらが有利なのかは「究極の選択」とも言えるテーマを、ティーチングのプロはどのように考えているのでしょうか。

方向性を主張するベテラン目線の「マウント」はアマチュアに刺さらない

「ゴルフは飛ぶ方が有利か? 曲がらない方が有利か?」なんて、究極で永遠のテーマですね。そもそも飛距離も方向性も大きく損なわれていたら、スコアメークにならないことはゴルファーなら誰でも知っているはずです。

飛距離が出る方がいいのか? 曲がらない方が有利か? 「永遠のテーマ」についてプロの考えとは
飛距離が出る方がいいのか? 曲がらない方が有利か? 「永遠のテーマ」についてプロの考えとは

 飛びの可能性を感じなくなったベテランほど、ドライバーで軽く打ってスコアをひけらかし「ゴルフは方向性でしょ!」というマウントをとってくる傾向があります。

 また、飛距離の魅力や可能性を一切捨てて、ギリギリのプレーでスコアメークしても、コースに行く楽しさや長くプレーを続けるマインドになるかと言うと、「スコアメークだけって楽しくない」と感じるかもしれません。

スコアのみに固執したプレーは必ずしも楽しくない
スコアのみに固執したプレーは必ずしも楽しくない

 今回のテーマの「裏」に隠されているのは、ゴルファーが抱える「飛ばそうと思うと曲がる」、「軽く打てば曲がらないけど満足感がない」という問題にスッキリする回答が欲しい、ということではないでしょうか。

飛びへの意欲があるほどゴルファーとして「伸び代」がある!?

 アマチュアゴルファーの場合「ちゃんと飛ばないからスコアメークにならない」、「飛ばないし曲がる」、「振れない、当たらない」と感じている人が多いのではないでしょうか?

 スコアメークは「まとめる」、つまりショットやパターをうまく繋げていくテクニックが求められます。アマチュアでも上級者と呼ばれる人は、必ずしもスイングや飛距離が飛び抜けているわけではなく、コースなりにプレーを組み立てて「数字作り」に長けているのです。

腕前や年齢に関わらず、飛距離にこだわるゴルファーのモチベーションは高い
腕前や年齢に関わらず、飛距離にこだわるゴルファーのモチベーションは高い

 しかし、極端に飛ばないということはなく、セカンドショットでパーオンを狙えるだけの飛距離は満たしています。

 飛距離にこだわりがあるゴルファーはモチベーションが高い傾向もあります。

 僕の生徒さんには、76歳で220ヤード以上飛ばすエージシューターや300ヤード飛ぶアマチュアもいますが、彼らは「どうすればもっと飛ぶのか?」とスイングやクラブ、体作りにも興味を持って、高いモチベーションでゴルフに向き合っています。

アマチュアの飛距離は力やスピード以外にも伸ばす方法がある

 レッスンでは飛距離を伸ばすために、方向性を犠牲にしているのか? と聞かれると「ノー」といわざるを得ません。なぜなら、プロや上級者と多くのアマチュアゴルファーにとって、「もっと飛ばす」の意味が違うからです。

「芯に当たらない」、「体の使い方にムダが多い」、「クラブの性能を引き出せていない」といった理由で、スイングスピードに見合った飛距離が出ていないアマチュアがほとんどです。

最先端機器を使ったレッスンでは「測った後」の対策や提案が重要になる
最先端機器を使ったレッスンでは「測った後」の対策や提案が重要になる

 ゴルファー自身のポテンシャル以上の飛距離アップよりも、「体力なりの飛距離」を手に入れるための工夫をするほうが、方向性を損なわず結果も伴いやすいのです。

 現在はヘッドスピードやボールスピードを計測したり、スイングを解析する機器がたくさんあります。もちろん「測っただけ」「解説しただけ」ではなく、アマチュアが現実的にできる対策を提案するのが、レッスンプロの役目です。

 例えばミート率を適正にするためのインパクト軌道や入射角を得るために、必要なレッスンやクラブ診断を行うことです。

 当然、「誰もが飛ぶ一つの方法」なんてありません。それぞれ飛ばない理由が異なるので、最終的には個別対応になっていくというのが「真実」です。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。

猿場トール