近年、ゴルフレッスンを受ける人が増加傾向。しかし、人気のレッスンに通っていても、なぜか「自分は努力しているのにうまくなっていない!」とセカンドオピニオンを考えているゴルファーも多い。そこで、レッスンを受けるにあたって「停滞」しないための心構えや考え方などを筒康博コーチに聞きました。
ゴルフレッスンに「停滞」はつきもの!?
ゴルファーが望むレッスンになっているのか? 私がコーチを務めるインドア練習場では、効果測定とヒアリングを行いレッスン内容の見直しやアップデートを日頃から行なっています。
個々のゴルファーによってレッスンに至るプロセスが異なるため、プロのコーチングとは全く異なるコミュニケーションや提案を無数に準備しなければいけません。

そんななか、スコアアップしても「うまくなった実感できない」人もいれば、ポジティブなマインドと高いモチベーションを持つことで、ポテンシャル以上に上達を実感できる人も多くいらっしゃいます。
どちらのゴルファーも限られた時間と制約の中で努力していますが、「停滞」を感じている人も中にはいらっしゃいます。
8万人以上のゴルファーをレッスンした経験では、「停滞」を感じているゴルファーには無意識に発する「ある口グセ」があるのです。プロゴルファーや上達を自ら実感できるゴルファーからは耳にすることがほとんどないフレーズです。
「意識」と「つもり」の違いを理解して上達につなげる
レッスン中に大きなスイング改善ポイントがあった場合、今までになかった感覚や動きを体感することになります。芯に当たることやボールが真っすぐ飛ぶことを一旦忘れて、「まずやってみる」というプロセスが必要になる場合があります。
当然レッスンは「もっと芯に当てるため」、「もっと真っすぐ飛ばすため」、「もっとスコアアップするため」に行なっているのですが、染みついた頑固なクセが改善できず「停滞」しているゴルファーほど「意識」という単語をよく口にします。

そもそも改善が必要になったポイントの「意識やイメージを変える」必要があるのですが、「意識すればよくなる」わけではありません。
例えば、アウトサイドイン軌道によるスライスに悩んでいるゴルファーは、ものすごくインサイドアウト軌道の「つもり」でスイングしなければ、改善できない場合もあります。ゴルファーの中に、今までなかった「つもり」を新たにインプットしてもらうのがレッスンにおけるスイング改善策。
しかし結果や形だけを「意識」しても、停滞を感じてしまい「レッスンを受けたのにうまくならない」と感じてしまうのです。
レッスンを行う側も、ゴルファーのメンタルやモチベーションに合ったレッスンを行わないと、どんなに正しい内容だったとしても逆効果になることを知っておかなくてはいけません。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。
猿場トール