パターを購入する際、多くのゴルファーは量販店にある人工芝グリーンで試打を行いますが、なかにはいめーじだけで購入を決める人も。やはりパターも試打は必要なのでしょうか。試打する際はどのようなことを確認しておくと、自分に合ったパターを見つけることができるのでしょうか?

パターを試打する際に確認するべきは「距離感」

 プロゴルファーのなかには、長年にわたり1本のパターを愛用しているし続けている選手が一定数います。

「人工芝じゃ分からないよ」という人もいますが、比較をすることは重要です 写真:AC
「人工芝じゃ分からないよ」という人もいますが、比較をすることは重要です 写真:AC

 パターは「距離感」が重要な鍵を握るので、なるべく同じパターを長く使い続けることにより、繊細な距離感を養うことができます。同じパターをなるべく長く使用し続けるためには、自分に合ったパターを見つける必要があるといえるでしょう。

 ドライバーやアイアン同様、パターも試打をしてから購入を検討すべきといえますが、パターの試打はどのような点を意識すると、自分に合うものが見つかるのでしょうか。クラフトマン兼レッスンプロの関浩太郎氏は以下のように話します。

「アマチュアゴルファーの大半が、パターを試打するときはなんとなくポンと打って、カップに入るものを選択すると思います。しかし、量販店の人工芝グリーンは真っ平らなので、多少球が強くても方向性が良ければ入ってしまいます。つまり、方向性が定まりやすいパター=自分に合っているパターと思い込んでしまいがちです」

「しかし、実際のグリーンでまっ平らな状況でパターを打つことは皆無で、傾斜があったり2段グリーンになっていたりと、ボールの強弱によって転がるラインは変わってきます。いくらラインの読みが完璧で、狙ったとおりの方向に打ち出すことができたとしても、想定どおりの強さでボールを打たないとラインには乗っていかないわけです」

「パターにはさまざまな種類がありますが、最近では方向性が極端にズレるクラブは少ないので、アマチュアゴルファーは自分が思った距離を転がせるかどうか、距離感が合いやすいかどうかを基準にパターを選ぶのがおすすめです」

ショートしがちな人は飛ぶパター、オーバーしがちな人は飛ばないパターを

なるべく広い人工芝グリーンで、パターの“飛距離”を比較しましょう 写真:AC
なるべく広い人工芝グリーンで、パターの“飛距離”を比較しましょう 写真:AC

 続けて、関氏は以下のように話します。

「ショットを打つクラブ同様に、パターにも飛ぶクラブと飛ばないクラブが存在します。クラブ長が長ければ飛びますし、短ければ飛ばない。ヘッドが重ければ飛ぶ、ヘッドが軽ければ飛ばないといった要素が、パターの種類ごとにあります」

「ですから、パットがショートしてしまいやすい人は飛びやすいクラブを選択して、パットがオーバーしやすい人は飛びにくいクラブを選択するといいでしょう」

「本来、パターで細かな距離感を合わせていくためには、多くの練習量と実戦での経験が必要になってきますが、クラブ選びの段階で自分に合うパターを見つけることができれば、上達スピードを上げることができるでしょう」

 距離感の合いやすいパターを見つけることができれば、上達への近道となることはもちろん、短いスパンで買い換えず、長く使い続けることができます。

 では試打をする際は、何球ぐらい打つのがいいのでしょうか?

「とにかく自分が狙ったところに、しっかりとボールを止めることができるのか確認できるまで打つのがいいと思います」

「特にビギナーやアマチュアゴルファーにおすすめなパターの型はないので、いろいろなパターを手当たり次第打ってみて、自分に合ったものを見つけていきます。本来であれば、実際のグリーンで打って判断したいところですが、そういうわけにもいかないので、距離感を基準に探すといいでしょう」

 距離感を把握するためには、なるべく広いグリーンが設置されている量販店で試打をするのがおすすめです。実際のグリーンとは違うものの、距離の出せるところのほうが距離感や転がり具合をイメージしやすいからです。飛びやすいパターなのか、飛びにくいパターなのかも判断しやすくなるでしょう。

 キャリアの浅いうちに自分に合ったパターを見つけることができれば、残りのキャリアで長く使い続けることによって、目指せるスコアは大きく変わってくるでしょう。パターの購入を検討している人は“飛距離”を基準に試打してみてはいかがでしょうか。

ピーコックブルー