2023年のPGAショーでは最新の弾道測定器が数多く出品されていました。中でもひときわ注目を集めたのが「Rapsodo(ラプソード)」。ゴルフはもちろん、野球でも使える「モバイルラウンチモニター(MLM)」シリーズは、スマホでのデータ活用を目的に作られたアプリも充実。ひと足早く最新機種「MLM2 プロ」をテストしてみました。
3万コースで仮想プレー可能!? パーソナル弾道測定器が日本上陸
今年、アメリカで開催された「PGAショー」で大きな注目を集めたドップラーレーダー&カメラ弾道測定器「Rapsodo(ラプソード)」が日本初上陸するそうです。早速、ラプソードジャパンの方にも同行頂き、春に発売予定の最新機種「MLM2 プロ」をインドアゴルフレンジKz亀戸店でテストしました。

低価格帯の弾道測定器は、「フライトスコープ ミーボ」から始まり「ガーミンアプローチR10」など様々な機種が登場してきました。今や個人で手軽に弾道計測器を所有できるようになりましたが、ラプソードの最新機種「MLM2 プロ」はサブスクのアプリと連動し何と3万コースのシミュレーションプレーも可能。
しかも、弾道測定の精度は数百万円もするドップラーレーダー弾道計測器「トラックマン」に引けを取らないといいます。この手の機器は実際に使ってみないと分からないので、なぜ「NO.1パーソナル弾道測定器」といわれているのかを体験してみました。
ハイスピードカメラとアプリデータでショット時の「動きと傾向」が見える!
ラプソード「MLM2 プロ」が他の弾道測定機器と差別化されているのは、精度の高い弾道測定を「個人のゴルフ上達に役立てる」ことに重きを置いている部分です。
「トラックマン」のように高価格帯ではなく、購入しやすい低価格帯に設定されているのもそのためで、各番手の飛距離や方向性など「精度」をアプリで管理、「いい時の自分」をスイング動画と一緒にデータで可視化できるのです。

近年、アメリカを中心にデータ管理による合理的な上達方法がスタンダードになりつつあり、プロのようにショットデータを活用して最短でスコアアップを目指すそうです。
各番手を10球ほど打ってデータを確認してみると、自分の思い込みで「150ヤードは8番」なんていえないデータになっていました。しかも、ハイスピードカメラで撮影されたインパクト時のボールとヘッドの動きも見ることができるので、ナイスショットやミスショット時の「感覚」も体に染み込ませることができます。
ゴルフ上達の「合理化」はレッスンプロを排除する?
ラプソード「MLM2 プロ」は、今年のジャパンゴルフフェアでお披露目されるそうです。こんな計測機器をゴルファーが個人所有すると「もうレッスンプロは要らないのでは!?」と思いますが、実際にはそうはならないと思います。
ドップラーレーダーとカメラで計測&撮影されアプリで管理されたショットデータは、クラブ試打や練習場とコースの違いなどを比較するのに、非常に有効だと思います。

また、スイングの見た目だけではなく、実際はどのような弾道になっているのか確認できるので、練習の質を向上させることもできます。計測したデータは「どう活用するか?」が重要です。単に数字に一喜一憂するのではなく、検証したデータに合わせた練習方法やスイングの改善などを一緒にしてくれるティーチングプロがいれば、上達はより早く効率的になるはずです。
今後も10万円以下の弾道測定機器が登場すると思います。個人でも購入できる価格帯で色々なモデルを選べるマーケット環境になったことはすごいことです。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン 「FITTING」編集長を務める。
猿場トール