アドレスしたもののなぜだか不安な気持ちがわいて仕切り直すした。ほんのちょっとした雑念が頭をかすめ、それがミスにつながった。こんな経験は誰にもあるはずです。メンタル要素がとても強いゴルフは、いかに集中できるかが非常に大切。ではどうすれば集中力をアップできるのでしょうか。

こだわりの詰まった物には集中力を高める効果がある

「オウンネームボールを使うと間違いなく集中力がアップしますよ」

 こう話すのは若手女子プロ鶴岡果恋、澁澤莉絵留、村田理沙のコーチをするとともに、KGAのヘッドジュニアコーチもつとめる重田栄作プロ。

「ゴルフというゲームは、メンタル面の出来不出来、良し悪しがショットクオリティーやスコアメイクに大きな影響を及ぼします。ラウンド中、安定した精神状態をキープすることはもちろんですが、ショットごとにいかに集中できるかが成否に直結するため、非常に重要です」

普段のボールをちょっとだけ特別なものにする「オウンネームボール」。集中力を高めるなど、スコアアップに効果がある!? 写真:unsplash
普段のボールをちょっとだけ特別なものにする「オウンネームボール」。集中力を高めるなど、スコアアップに効果がある!? 写真:unsplash

「重要なことはみなさん理解していますが、どうしたら集中できるかわからないというアマチュアは多いです。そこで私がオススメしたいのが『オウンネームボール』を使うことです。オウンネームボールは文字のデザインや色、ナンバーなど、あなた好みでオーダーすることができます。つまり『こだわりが詰まったオンリーワンで特別なボール』になるわけです」

「人は誰でもお気に入りで特別な物は大切にしますよね。ボールも同じです。あなたにとっての『特別』にすると、アドレスしてボールを見つめたときに気持ちが安定して、自然と集中力がアップします。その結果ショットクオリティーがよくなるのです」

種類の違うボールを使いながらラウンドする場合は性能に注意

 以前はプロ、アマともにプレー中に使用できるボールは一種類でしたが、現在はこの「ワンボールルール」はプロの試合だけに適用されていて、アマチュア競技では数種類のボールを使っても問題ありません。

 そのためかどうかはわかりませんが、多くのアマチュアは数種類のボールを使ってプレーすることが多く、ラウンド中に拾ったロストボールを使用する人もいます。そこで、スコアアップのためにはラウンド中に使用するボールは1種類がよいのか、数種類でもよいのか、重田プロに聞いてみました。

異なる種類のボールを使ってもいいが、性能は変えない方がスコアメイクはしやすい 写真:unsplash
異なる種類のボールを使ってもいいが、性能は変えない方がスコアメイクはしやすい 写真:unsplash

「プロゴルファー的には1種類がよいと思っています。理由は1種類であればスピン量が一定なので、飛距離や方向性がバラける心配が少ないからです。そしてショートゲーム、特にパッティング時の打感やフィーリングが安定するため、タッチの狂いがでません。こういった理由から使うボールは1種類がオススメです」

「しかし、いまお話ししたことは90切りレベル以上の実力を持った人が考えることです。100以上打つゴルファーは、数種類のボールを同じラウンドで使用しても結果はほとんど変わりません。とはいえ、ディスタンス系のボールとスピン系のボールでは明らかに結果が変わります。そこはしっかり見極めて、自分がよいと感じた物を使うべきです」

「例えば、比較的安価なディスタンス系のボールはプロである僕が打っても、スピン系の高価なボールより明らかに飛びます。しかしティーショットを林に入れてしまい、そこから2打目を打つ場合、スピン系のボールなら45度程度ボールを曲げてグリーンを狙うことができますが、ディスタンス系のボールはフェアウェイに出すだけという選択肢しかありません。つまり、プロの技術をもってしてもスピンがかからないということです」

「ディスタンス系とスピン系ではスピン量に大きな違いがあるので、数種類のボールを使う場合でも、このことを念頭に入れてボールを選んでください。ボール選びを間違わなければ、自然とスコアアップにつながってくるはずです」

 ミスしてすぐに失くしてしまうから、といった理由でボール選びを蔑ろにしているゴルファーが多い思います。

 しかし、ゴルフのレベルやボールの値段に関わらず、自分に合ったボールを選ぶことがスコアアップにつながるうえに、それにオウンネームを入れれば集中力アップにもつながるので、ぜひ一考してみてはいかがでしょう。

宮川岳也