2月の発売以来、大人気となっているキャロウェイゴルフ「パラダイム」ドライバー。そこで「パラダイム」ドライバー全4機種は筒コーチが徹底試打。それぞれの特徴をまとめました。

当てるだけで「上がる」し「つかまる」のがMAX FAST

 今回はキャロウェイゴルフ「パラダイム」ドライバー全機種を、練習なしの“ぶっつけ本番”、打ち直しなしという条件でコーステストを行いました。

発売直後から大人気のキャロウェイゴルフ「パラダイム」ドライバー全機種を、筒コーチがコースに持ち込み本番テスト
発売直後から大人気のキャロウェイゴルフ「パラダイム」ドライバー全機種を、筒コーチがコースに持ち込み本番テスト

 まずはクラブ重量が約280グラムとシリーズ最軽量モデルの「パラダイムMAX FAST」から。スタートホールで数回素振り素振りしながら「朝イチのティーショットは不安がありますが、純正のスピーダーNX40シャフトはすごくしなやか。つかまりもよさそうなので、少し右目を狙って打ってみます」と筒コーチが打ってみると、ややトップ気味の当たりながら左にドッグレッグしたコースなりのナイスショットになりました。

「パラダイムMAX FAST」からコース試打を開始。「振り切らない当てるだけのスイングで中〜高弾道のつかまったドローボールが打てました」と安心感を強調
「パラダイムMAX FAST」からコース試打を開始。「振り切らない当てるだけのスイングで中〜高弾道のつかまったドローボールが打てました」と安心感を強調

「ドライビングレンジでは試打しましたが、コースでいきなり振ってみると軽くてシャフトのしなりも感じます。ヘッドスピードは40メートル/秒も出ていないと思いますが、MAX FASTはキャロウェイの歴代シリーズで一番ムリなくスイングできるかも」

「構えた時の安心感以上に、高さとつかまりで右のミスが出でないです。ハイドローが本当に打ちやすいです」と朝イチの緊張感をクラブに助けてもらった様子でした。

トリプルダイヤなら「強い」フェードボールで飛ばせる!

 今回テストしたコースは狭いホールが多く、普段ならドライバーを使わないほど。そんなホールで筒コーチはPGAツアーで活躍するジョン・ラーム選手が使用する「◆◆◆(トリプルダイヤ)」を試打。

「実はドライビングレンジでは10.5度でもボールが上がり切らず、クラブのポテンシャルを出せませんでした」と言いながら筒コーチがショット。すると、ぐんぐんボールが上がりながらストレート系の非常に曲がりの少ないフェードボールに。

打ち出し方向も狙い場所も非常に狭いホールで「パラダイム◆◆◆(トリプルダイヤ)」を試打、狙いどおりのフェードボールに。「レンジより高い弾道でぐんぐんボールが伸びる」
打ち出し方向も狙い場所も非常に狭いホールで「パラダイム◆◆◆(トリプルダイヤ)」を試打、狙いどおりのフェードボールに。「レンジより高い弾道でぐんぐんボールが伸びる」

「フェードボールじゃないと突き抜けてしまうのですが、狙いどおりの結果に僕が一番驚いてます。今回試打したのはロフト9度でしたが、コースボールなら高さも出てかなりの強弾道ですね。ヘッドスピード42メートル/秒くらいのフェードボールヒッターなら、純正のSフレックスなら最強ショットが打てます」と大絶賛。

 アスリートモデルのイメージが強い「トリプルダイヤ」ですが、スピン量が少ない特徴を除けばロフトとシャフトスペック選びで、普通のヘッドスピードのゴルファーでも十分使いこなせました。

“グングン伸びる”直進性の高さは最強クラス!? パラダイム&パラダイムX

 次にやや広くなったホールで「パラダイムX」を使用。真っすぐな高めの弾道でショートカットのナイスショットに成功しました。

「パラダイムXは“曲げられない“と感じてしまうほどの圧倒的な直進性ですね。ドライビングレンジでもよかったのですが、コースで更に曲がらなさを実感しました。打ち出しが高い割にスピンは決して多くなく、グングン前に伸びるビッグボールが打てます。曲げたくない&ドーンと飛ばしたいゴルファーなら、迷わずパラダイムXじゃないですか?」と筒コーチ。

「パラダイムX」(左)では限りなく真っすぐな弾道で、「パラダイム」(右)では大きなスライスでコースなりにショット。どちらも「とにかく高さと直進性がキャロウェイ史上最強クラス」
「パラダイムX」(左)では限りなく真っすぐな弾道で、「パラダイム」(右)では大きなスライスでコースなりにショット。どちらも「とにかく高さと直進性がキャロウェイ史上最強クラス」

「パラダイム」は、一番強いドッグレッグホールのティーショットに使用。操作性と直進性が求められる厳しい条件でしたが、大きめのスライスショットはセカンド地点に行ってみるとコースを突き抜け防護ネットまで到達していました。

「感触的には50ヤード以上はスライスさせるはずでしたが、パラダイムも直進性が高いです。でもパラダイムXのような真っすぐ前に行く弾道ではないので、自分でコントロールしたい人には抜群でしょうね」と筒コーチ。

 今回「パラダイム」ドライバー全機種をコーステストしましたが、非常にタイトでドッグレッグホールが多い中でOBやペナルティーは一球もなし。この結果に筒コーチは、

「ドライバーテストとしては条件が過酷でしたが、ゴルファー目線で『狭いターゲットに打てるのか』、『打った時に振り心地や飛びはどうなのか』をしっかりテストできました。ドライビングレンジで試打した時に、曲がりが少なく直進性が高いとは思ってましたが、コースの方がさらに好結果になるとは思いませんでした」と驚いていました。

「ちょっと引く」ほど飛んだパラダイムフェアウェイウッド

 ちなみに「パラダイム」ドライバーは、ほぼ全てのホールで数十ヤードのアプローチショットが残るだけでした。パー5でテストする予定だった「パラダイム」フェアウェイウッドはセカンドショットでの出番がなく、“超狭パー4”のティーショットで試打しました。刻むつもりのティーショットは、セカンド地点に行ってみるとグリーン周りにまで飛んでいました。

「パラダイム」フェアウェイウッド(#3)も試打。「ちょっと引きました」と筒コーチも驚く飛距離性能だった
「パラダイム」フェアウェイウッド(#3)も試打。「ちょっと引きました」と筒コーチも驚く飛距離性能だった

「完全に僕の実力じゃなくクラブの性能。パラダイムフェアウェイウッドを初めて打ちましたが、ちょっと引くほど飛びますね。純正シャフトでこの飛距離なら、カスタムする必要はなさそうです。ヘッドスピードが速くない僕が使っても、レギュラーティーならドライバーが要らないぐらい飛びますね」と筒コーチは大絶賛。

 今回のコース試打を終え、「パラダイム」ドライバー全機種を改めて振り返ってもらいました。

「最新ドライバーの“本当の性能”が、レンジボールでは分からなくなっているのを今回のコース試打で実感しました。メーカーやゴルフショップでレンタルサービスもあるので、みなさんがコースで試打して貰えればと思います。“百聞は一見にしかず”は、クラブ選びも変わりません」

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン 「FITTING」編集長を務める。

猿場トール