気温が上がり始めた春から初ラウンドに挑戦しようと考えている初心者ゴルファーは多いかもしれません。コースデビューではどのようなことに気をつけるべきなのでしょうか?

ティーショットは目標に対して真っすぐ向けているか確認する

 春は日中の気温が心地良く、ゴルフを快適にプレーできる絶好の季節といえます。気温の低い1月や2月は練習場での練習を中心に行い、気温が上がり始めた4月頃から初ラウンドに挑戦しようと考えている初心者ゴルファーもいるかもしれません。

ティーショットは余裕をもって打とう 写真:AC
ティーショットは余裕をもって打とう 写真:AC

 しかし、初めてのラウンドは練習場でいくらナイスショットを打てるゴルファーであっても、うまくいかないことが大半です。では、初ラウンドに行く際は最低限どのようなことに気をつけると、少しでもスコアがまとまりやすくなるのでしょうか?

 レッスンプロの山本昌夫氏は、以下のように話します。

「やはり初ラウンドでは、打ち出す方向がまったく定まらなくなってしまう人が多いです。練習場では打席が用意されているので、そのとおりに構えて打てば、ある程度は真っすぐ打てますが、目印のない広大なゴルフ場ではそうはいきません」

「そのため、ティーショットだけは自分が目標に対して真っすぐ向けているのか、一度ティーアップしたボールの後ろに立って確認してから打つようにします。ティーショット以降の2打目、3打目はミスショットになる確率も高く、走り回ったりクラブを持っていったりと、目標方向を正確に確認する余裕がないと思うので、省略しても構いません」

「ティーショットは待ち時間があることも多く、ある程度余裕を持って打てるので、目標方向を意識してみると良いでしょう」

 初ラウンドでは次打地点に必要なクラブを持っていくのを忘れてしまったり、ポケットに入れていたボールをすべてロストしてしまいカートに戻らなければならなかったりと、イレギュラーな事態が多々起きます。

 落ち着かない状況でのプレーが多くなることが予想されるので、余裕が持てるティーショットだけは、目標に対して真っすぐ向けているか確認してみると、ミスの原因を減らすことができます。

同伴者に影響されず自分のリズムでスイングする

 また「同伴者のプレーに影響を受けすぎないことも大事です」と山本氏は話します。

「初ラウンドの場合は、ベテランゴルファーと同伴して回るケースも多いと思いますが、ベテランゴルファーのプレーに影響を受けすぎるのはよくありません」

同伴者のプレーに影響を受けすぎない 写真:AC
同伴者のプレーに影響を受けすぎない 写真:AC

「例えば、ティーショットでベテランゴルファーが230ヤードぐらいをドライバーでビュッと打ったとします。そうすると初ラウンドのビギナーは、『自分もあのぐらいのスイングスピードでドライバーを200ヤード以上飛ばそう』という気になってしまい、普段のスイングリズムが崩れ、まったく打てなくなってしまうということがあります」

「初ラウンドのビギナーがベテランゴルファーと同じようなプレーをすることは難しいと理解したうえで、いま自分にできることを一つ一つこなしていくことが大切です。なるべく練習場で打っているときと同じように、自分のリズムでスイングすることを心掛けるとショットの安定感は上がりやすいです」

 練習場では、200ヤード以上飛ばせていたからラウンドでも打てるはずと、力んで大ぶりになってしまうのも良くありません。練習場とラウンドでは、ボールを打つ環境が大きく異なります。

 さらに山本氏は、プレーがうまくいかないことは当たり前なので、落ち込まずゴルフ場ならではの楽しみを味わってほしいと話します。

「私は多くの生徒さんの初ラウンドを見てきましたが、プレー面に関してはうまくいかない人が大半です。練習場のようにプレーできないことが当たり前なので、広大な自然のなかで運動する楽しさや、レストランで仲間とゴルフについて語りながら食事をする楽しさを体感してもらいたいです」

「初ラウンドに同伴するベテランゴルファーは、なるべくポジティブな声掛けをしたり、景色の良いポイントを教えたりといったアテンドをしてあげると、楽しんでもらいやすいでしょう」

 初ラウンドを控えているゴルファーは、プレー面以外の部分も楽しむように意識してみると、ゴルフの楽しさをより知ることができるかもしれません。

ピーコックブルー