先日、あるゴルフ場のコース管理がグリーン上に残ったカートのタイヤ痕の画像をツイッターに投稿していました。この投稿には、多くのゴルファーや大手ゴルフ場予約サイトの公式アカウントもコメントするなど、大きな反響を呼んでいました。そこでゴルフ場関係者に、実際に遭遇した「困ったゴルファー」について話を聞いてみました。

「全国旅行支援」絡みのクレーマーゴルファーは多い

 ゴルフは審判がいないスポーツ、従ってルールやマナーの大切さはゴルフ場の掲示物や様々なメディアなどでことさら強く訴えられています。初心者も「まずは腕前よりもルールやマナーを覚えましょう」と教えられます。

 しかし、ルールやマナーを違反するだけにとどまらず、人として困った行動をする客もゴルフ場には来場します。様々なゴルフ場に話を聞くと、中には器物損壊や窃盗の対象になりそうな話もありました。

 困ったゴルファーの行いは、対応した従業員のみならず他の来場者にも影響を与えます。そしてゴルフ場の評判を下げてしまうということにも繋がってしまいます。

スタート時間と来場時間の区別がついていない初心者ゴルファーは意外と多い
スタート時間と来場時間の区別がついていない初心者ゴルファーは意外と多い

 話を聞いていて、一番よく耳にしたのが「予約した時間をフロントの受付時間と勘違いしているゴルファー」。もちろん、ベテランにはこんな勘違いをする人はいないのですが、最近ゴルフを始めた初心者の中には、プレーのスタート時間なのに悠然と受付をしている人が結構いるそうです。また、メンバーでもないのに予約なしで来場、空き枠がないのに強引にプレーさせろと言うゴルファーもいるそうです。

 コロナ禍ならではといえば、「全国旅行支援」絡みの困ったゴルファーもいたそうです。全国旅行支援では宿泊とゴルフプレーがパック料金にした割引制度がありました。

 割引が適用されるには様々なルールがありました。それを「知らなかった」と開き直ったり、記載していないことの内容の揚げ足を取ったりして、少しでも安くなるよう執拗に交渉を迫ってくるゴルファーも多くいたそうです。

「不明点などをお問い合わせ下さるのはいいのですが、しつこくされると困ります。他のお客様と対応が変わってしまうのはまずいので……」とゴルフ場関係者の方は話してくれました。

桜の枝を持ち帰って出禁になったゴルファーも!

 コース上で困ったお客様の代表はスロープレーではないでしょうか。最近はマスター室でカートの動きが全て見られるようになっていて、渋滞の原因となっているカートは特定できますので気をつけましょう。

 常に問題になっているスロープレーとは別に、最近増えたのがセルフバックをグリーン上に立てるゴルファーです。

「グリーンは非常に繊細です。何気なくやっているかもしれませんが気をつけてほしい」とコース管理の方は訴えていました。

キレイだからといって、ゴルフ場の桜を折って持ち帰るのは言語道断 写真:AC
キレイだからといって、ゴルフ場の桜を折って持ち帰るのは言語道断 写真:AC

 話を聞いて驚いたのがロストボールに関するマナー違反です。コースにあるロストボールはゴルフ場の所有物である考えられています。これをボール拾いために使うピッカー、しかも「マイピッカー」を持ってきて拾い、堂々と持ち帰る困ったゴルファーがいるそうです。

 さらに、ボールだけではなく桜の枝などゴルフ場の樹木を持ち帰る人もいるそうです。「コースの中にある木を折ることは器物損壊にあたる可能性があります。このお客様は出禁という処分にさせてもらいました」とあるゴルフ場の副支配人は警告します。

 ゴルフ場の従業員の方からすると明らかな迷惑行為は注意できますが、現行犯でなければ注意しにくいこともあるようです。自分が何気なくやっていることや、小さなことでも迷惑をかけている可能があります。ほとんどのゴルファーは正しいマナーでプレーしていますが、改めて同伴競技者だけでなくゴルフ場への気遣いを意識してプレーを楽しんで欲しいです。

福島睦久