昨年の全米女子アマを制した馬場咲希が、通算21オーバーの50位タイながらベストアマを獲得した。今回はショットだけでなく、アプローチ、バンカーショット、パッティングにも課題を発見。さらなる成長に向けて、貴重な4日間を過ごした。

難しいショートゲームに「メジャーを体感しました」

◆国内女子プロゴルフ<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 5月4〜7日 茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県) 6780ヤード・パー72>

 昨年の全米女子アマを制した馬場咲希が、50位タイながらベストアマを獲得した。

通算21オーバーの50位タイながらベストアマを獲得した馬場咲希(写真は3日目) 写真:Getty Images
通算21オーバーの50位タイながらベストアマを獲得した馬場咲希(写真は3日目) 写真:Getty Images

 2バーディー、3バーディー、1バーディーと初日から3日目まではスコアを崩しながらもバーディーを奪っていた馬場咲希だが、最終日はついにノーバーディーでフィニッシュ。これまで出場したプロのトーナメントでは通算10オーバー(2022年ヤマハレディースオープン葛城)が最多スコアだったが、今大会では通算21オーバーと大きく更新してしまった。

「今日はティーショットが荒れていて、フェアウェイをキープできませんでした」と振り返るが、雨の影響でグリップや足元が滑り、ボールをうまくとらえ切れなかったという。そんな状況でも11ホールを終えた段階ではこの日3オーバーと我慢していた馬場。ところが、3番パー5で約80センチのバーディーパットを外した瞬間、集中力がプツンと切れた。

「絶対に入ると思っていただけに、その後のゴルフではショットもアプローチもイメージが湧かず、トリプルボギーやダブルボギーを叩いてしまいました」

 上がってみれば81と、やはりこれまでに出場したプロのトーナメントでの最多スコアとなった。とはいえ、最終日はプロでさえ80台を叩いてしまった選手が9人いる。その中には今季2勝を挙げている穴井詩も含まれているだけに、恥ずることはない。

 むしろ、今大会は初日から厳しいコースセッティングが話題となっているが、それを4日間アマチュアという立場で経験できたのは、馬場にとって貴重な財産になるはず。しかも、今季はまだ全米女子オープン、アムンディ・エビアン選手権、AIG女子オープンと3つのメジャーが控えているし、国内プロテストに挑戦する可能性もある。厳しい状況でもボールをイメージ通りにとらえるにはどうしたらいいのか、うまくいかなかったときの対処法をどうするべきかなど、多くの課題を与えられたことは、これ以上ない収穫といえるだろう。

「すごく難しいアプローチやバンカーショット、パッティングもそうですけど、メジャーを体感しました。この4日間、まんまと罠に引っかかった感じがして、いいところが1つもないようなプレーが続いてしまった感じです」と反省していたが、まだ18歳になったばかり。試練が多ければ多いほど、今後の成長が期待できるというものだ。

 直近の予定としては、5月18日から開催されるブリヂストンレディスオープンに出場するが、それまでには「ショットの調子を取り戻せるように頑張ります!」と力強く語った馬場。2日目の4番ホールではドライバーショットで306ヤードを記録し、ポテンシャルの高さをあらためて示した。次大会ではスコアで証明してくれることに期待したい。

馬場 咲希(ばば・さき)

2005年4月25日生まれ、東京都出身。父親の影響で5歳からゴルフを始める。東京都ジュニアゴルフ選手権(18年)、関東ジュニアゴルフ選手権(19年)、東京都女子アマチュアゴルフ選手権(21年)などで優勝。175センチの長身で、270ヤードのドライバー飛距離が武器。昨年は全米女子オープンに予選会を経て出場し、決勝ラウンドに進んで49位。8月の全米女子アマでは、日本勢として85年の服部道子以来、37年ぶりとなる優勝を手にした。

山西英希